ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が13日、全米野球記者協会(BBWAA)の投票で満票を獲得し、今季のナショナルリーグ最優秀選手(MVP)に選出された。3年連続、通算4度目の受賞で、いずれも満票による選出という前例のない記録を再び塗り替えた。
今回の受賞により、大谷選手は元エンゼルスの同僚であるマイク・トラウト選手やヤンキースのアーロン・ジャッジ選手が持つ3度のMVP回数を上回り、現役選手として単独首位に立った。また、MVP通算4度はメジャー史上2位で、7度の受賞を誇るバリー・ボンズ氏に続く成績となる。
発表の瞬間、大谷選手は妻の真美子さん、愛犬「デコピン」、エージェントのネズ・バレロ氏とともにテレビ中継に映し出された。3人と1匹は揃ってブラウン系の服装で統一され、ヤンキースの名選手ドン・マッティングリー氏が名前を読み上げると、大谷選手は柔らかな笑顔を見せ、真美子さんと抱き合い喜びを分かち合った。
その後のインタビューで大谷選手は、「この栄誉は本当に特別です。フアン・ソト選手やカイル・シュワーバー選手のように素晴らしいシーズンを送った選手たちと競えたこと自体が光栄。ワールドシリーズ制覇のあとにMVPを受賞できたことにも意味を感じています。すべての方に感謝したい」と語った。謙虚な姿勢は変わらないが、彼が残した実績はまさに野球史を塗り替えるものだった。
二刀流完全復活 55本塁打と62奪三振が示した圧倒的な存在感
2025年シーズンは、大谷選手にとって「復帰」と「再進化」が重なる一年となった。2023年の右肘手術で投手としての登板を控え、2024年は打者専任としてリーグを席巻。世界が期待した「二刀流」は、今年ふたたび圧倒的な形で戻ってきた。

打撃面では、最終盤で1本差に泣き3年連続本塁打王こそ逃したものの、自己最多の55本塁打に到達。打率.282、102打点、20盗塁、そしてリーグトップの146得点を記録した。打者の総合力指標であるOPSは1.014と突き抜けた数値で、ナショナルリーグで唯一「1.0」を超えた選手となった。これは明確にMVP級とされる指標だ。

投手としては、長いリハビリ期間を経て6月16日のパドレス戦で663日ぶりにマウンドへ復帰。最速161キロの速球を投じ、完全復活を印象づけた。14試合の先発で1勝1敗、防御率2.87を記録。47イニングで62奪三振を積み上げ、「投球回を上回る奪三振」というエース級の指標を再び示した。
この結果、大谷選手は史上初の「50本塁打・50奪三振」を単一シーズンで達成。二刀流という概念そのものを体現する、唯一無二の存在であることを改めて証明した。
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OPSとWARが示す「無敵の証明」 データが語る大谷翔平選手の真価
今季のMVP争いでは、フィリーズの強打者カイル・シュワーバー選手が強力なライバルと見られていた。56本塁打、132打点でナショナルリーグの二冠を獲得し、伝統的な指標では大谷選手に匹敵する存在感を放った。しかし、大谷選手が満票で選ばれた事実は、現代野球がOPSやWARといった総合的評価指標をいかに重視しているかを示している。





















































