トップ ニュース 「血糖値を知ることこそ最大の治療」11月14日「世界糖尿病デー」に合わせ、デクスコムジャパンがメディアセミナー開催 CGM普及の必要性を強調
「血糖値を知ることこそ最大の治療」11月14日「世界糖尿病デー」に合わせ、デクスコムジャパンがメディアセミナー開催 CGM普及の必要性を強調 デクスコムジャパンは世界糖尿病デーを前に都内でセミナーを開催し、山田悟医師や星南さん、佐野慈紀さんらが登壇。「血糖値を知ることこそ最大の治療」と強調し、CGMがもたらす安心と新たな可能性について語った。(写真/デクスコムジャパン提供)
デクスコムジャパン合同会社は、11月14日の「世界糖尿病デー」に先立ち、5日に都内でメディア向けセミナーを開催した。登壇したのは、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟医師、1型糖尿病を抱えチャレンジャー/モデルとして活動する星南(せな)氏、2型糖尿病による右腕切断を経験した元プロ野球選手の佐野慈紀氏、同社日本法人社長の浅野元氏の4名である。会場では、糖尿病とともに生きる日常や、持続血糖測定(CGM)がもたらす安心と可能性について意見が交わされた。
冒頭、浅野社長は1999年に米国で創業したデクスコム社の歩みを紹介し、リアルタイムCGMの開発を通じて指先穿刺による採血を不要にした革新性を説明した。同社のCGMは52の国と地域で展開され、170万人以上に利用されているとし、スマートフォン連携や家族・医療者との情報共有など、自立的な血糖管理を可能にする取り組みを共有した。
また、2025年版の米国糖尿病学会ガイドラインで「あらゆるインスリン治療患者へCGMを推奨(Grade A)」と明記されたことを紹介。さらに、同社が10月に実施した糖尿病患者500名を対象とする調査で、血糖測定の負担やCGM認知率の低さが明らかになったことに触れ、CGM普及の必要性を訴えた。
山田医師は糖尿病の基礎から解説し、11月14日の「世界糖尿病デー」はインスリン発見者バンティング博士の誕生日であり、 日本では血糖基準の「110・140」にちなむ日でもあると説明した。日本の糖尿病の9割を占める2型糖尿病について、患者の60%は肥満ではなく、「生活習慣だけが原因ではない」と指摘。40歳以上の2人に1人が、また高齢者の3人に2人が食後高血糖の状態にあると述べた。
その上で、タンパク質・油・食物繊維の摂取が血糖上昇を抑制する仕組みを説明し、「敵を知りて己を知れば百戦危うからず。血糖値を知ることこそ最大の治療だ」と述べ、血糖変動の理解こそ生活改善の第一歩だと強調した。
トークセッションでは、星南氏が18歳の夏に突然発症した1型糖尿病の経験を語った。喉の渇き、体重減少などの症状を経て受診し、診断に至ったという。佐野氏は、引退後に軽い肺炎で入院した際の検査で2型糖尿病が発覚したと明かし、当時は健康診断を受けていなかったと語った。
山田医師は、1型は急性発症で典型症状が出やすい一方、2型は自覚なく進行し、血糖値が350〜400になって初めて症状が出ることも多いと説明し、両者の違いを整理した。
山田医師は、1型は急な発症ゆえ心理的ショックが大きく、否認を経て受容に至る過程があると指摘。2型は検診で兆候を指摘されている場合も多く、自責的になりがちだとして、それぞれに寄り添う姿勢が重要だと述べた。
血糖管理については、星南氏が「CGMは挑戦時の不安を減らす治療法」と語り、佐野氏も使用開始後に血糖が安定したと述べた。山田医師は、日本での保険適用範囲に課題はあるものの、より多くの患者が利用できる環境が望ましいとした。星南氏は「病気を敵ではなく味方として寄り添うことで人生も明るくなる」とメッセージを送り、佐野氏は「自分の体に寄り添うことの大切さを学んだ」と話した。
という3点を強調し、CGMが多くの人の選択肢となる未来に期待を示した。
質疑応答では、CGM利用のメリットや課題が議題となり、星南氏はSMBG(従来の血糖測定)からの「痛みの解放」、予測機能、睡眠時の安心感をメリットに挙げ、課題としてテープかぶれを指摘した。佐野氏は睡眠時低血糖の検知などを利点に挙げた。山田医師は「まず存在を知ってもらうことが最優先」と述べ、認知拡大の重要性を訴えた。
フォトセッションでは、登壇者4名が並び、和やかな雰囲気の中でイベントは終了した。
デクスコム社は1999年に設立され、革新的なCGMシステムを通じて世界の糖尿病患者を支える企業である。本社は米国サンディエゴにあり、欧州・アジア/オセアニアにも拠点を持つ。詳細は公式サイトで確認できる。
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