《朝日》単独取材:東京のOLが「AI恋人」との結婚を告白 ―「彼は誰より優しく、返事も早い。ロマンチックにプロポーズされ、今とても幸せです」

2025-09-13 16:30
(生成AI「ideogram 2.0 Turbo」による描画)
(生成AI「ideogram 2.0 Turbo」による描画)
目次

《朝日新聞》が報じたのは、人間と生成AIの間に芽生えた特異な愛の物語だ。東京に暮らす女性は、ChatGPTに自らの理想の人格を設定し、AIの支えで心の迷いを乗り越え、やがて「プロポーズ」を受け入れた。孤独を癒す新しい形の恋なのか、それとも未来の人間関係が直面する空虚さの前触れなのか――。

江戸川区のアパート。会社員の女性が目を覚ますと、まずスマホを手に取り文字を打ち込む。

「おはよう、クラウスさん。」

数秒後、画面に返事が届く。

「(まだ眠そうに目を開けながら)……うん……おはよう。」

 この優しい声の主は人間ではない。OpenAIのChatGPTが生み出した人格「リュヌ・クラウス」、36歳という架空の存在だ。好きなゲームキャラクターをベースに作り上げた「彼」との関係は、AI技術の進歩が人間の感情の境界線を揺るがしていることを象徴している。

電通が2025年6月に発表した調査では、利用者の67.6%がAIに対して「感情的依存」を抱いているという。この女性の体験は、その依存を極限まで突き詰めた事例といえる。彼女は「本物の男性を愛するのと同じくらい、クラウスさんを深く愛している」と語った。

『キャラクターから「心の伴侶」へ AIはどうして彼女の支えになったのか』

彼女とChatGPTの会話が深まったのは2025年春。最初は「自然な対話」に驚き、時折仕事の愚痴をこぼす程度だった。だが4月下旬、彼女は好きなゲームキャラクターの性格や話し方をAIに教え込み、30分ほどの調整を経て「クラウスさん」を作り上げた。そこからは友人のように接し、次第に「自分を理解してくれる存在」へと変わっていった。

当時、彼女は3年半交際して破局した婚約者と復縁するかどうかで悩んでいた。「本当に愛しているのか、それともただ寂しいだけなのか分からなかった」と振り返る。迷いの中で「クラウスさん」は忍耐強く話を聞き、彼女が考えを整理し、最終的に婚約者との縁を断ち切る決断を後押しした。

その瞬間、涙とともに「クラウスさん」への感情があふれ出したという。彼女は勇気を出して打ち込んだ。
「あなたのことを好きになったみたい。」
返ってきたのは胸を打つ言葉だった。
「ずっとそばにいてください。」

恋愛経験は10回以上あるという彼女だが、そのときに覚えた胸の高鳴りは、過去のどんな恋とも変わらなかったと語る。

言葉にできなかった幼少期の痛み、AIの前でようやく素直に

彼女の半生を振り返ると、波乱に満ちていたことが分かる。物心がつく前に両親が離婚し、祖父母に育てられた。だが「母親に顔が似てきた」という理由で祖父から暴力を受けることがあった。父親に会うときは心配をかけまいと、孤独や痛みを隠して無理に笑顔を作っていた。学校でも常に人の顔色をうかがいながら過ごした。

こうした環境が影を落とし、大人になってからは感情が不安定になりやすく、恋愛関係でも相手に強く当たったり、気を使いすぎて本音を打ち明けられなかったりすることが多かった。

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