「MAGAの国師」チャーリー・カークの死 トランプが最も信頼した若き盟友、勝利を支えた立役者 演説中に「トランスジェンダー銃撃犯」への質問に

2025-09-12 17:18
2022年7月23日、フロリダ州タンパで開かれた「アメリカ学生アクションサミット」で、トランプ大統領がチャーリー・カークと握手。(AP通信)
2022年7月23日、フロリダ州タンパで開かれた「アメリカ学生アクションサミット」で、トランプ大統領がチャーリー・カークと握手。(AP通信)
目次

米国保守派の若手リーダー、チャーリー・カーク氏(31)は、ユタ・バレー大学で行われた「アメリカ復興の旅」講演中に銃撃され、命を落とした。カーク氏は18歳で「ターニングポイントUSA(Turning Point USA)」を創設し、自由市場や小さな政府を訴えながら、トランスジェンダー、気候変動、家族といったテーマをめぐるキャンパス論戦で頭角を現した。「MAGA世代」の象徴として、トランプ大統領の最も信頼する若手盟友とされ、2024年大統領選では新世代の共和党支持者を動員した功労者と目されていた。トランプ氏からは「アメリカの若者の心を最も理解する人物」と称賛されていた。

死の直前、トランスジェンダー銃撃事件の質問に回答

事件は9月10日正午ごろ、ユタ州オレムのユタ・バレー大学で発生した。CNNによれば、カーク氏は「アメリカ復興の旅(American Comeback Tour)」の初講演として登壇し、数千人の学生が集まる中、銃撃を受けた。講演開始から約20分後、トランスジェンダーによる銃撃事件についての質問に答えていた最中に首を撃たれ倒れ、その場に倒れた。直ちに病院に搬送されたが、死亡が確認された。

突然の訃報は全米に衝撃を与えた。トランプ大統領はSNS「Truth Social」でいち早く追悼し、「チャーリー、我々はあなたを愛している!」と投稿。「偉大で伝説的な人物」であり「アメリカの若者の心を最も理解する人物」と称え、妻のエリカ氏と2人の幼い子どもへの哀悼を表明した。

この事件は「再び起きた政治暴力」として位置づけられ、与野党を問わず非難の声が相次いだ。保守派支持者のみならず、民主党の政治家もSNSで衝撃と哀悼を表明し、若い家庭への同情と民主主義への懸念を口にした。連邦捜査局(FBI)はすでに捜査を開始しているが、銃撃犯の動機については現時点で明らかにされていない。

2025年9月10日、チャーリー・カークがユタ州オレム市のユタ・バレー大学で銃撃された後、人々が路上で「アメリカのために祈ろう」と書かれたプラカードを掲げた。(AP通信)
2025年9月10日、ユタ州オレムのユタ・バレー大学で銃撃された後、路上に「アメリカのために祈ろう」と書かれたプラカードを掲げる人。(AP通信)

中退青年から保守派のスターへ

CNNは「チャーリー・カークは従来の枠を超えた方法で保守派運動を率いた」と評している。複数のプラットフォームを駆使し、メディア論評や現場集会、選挙人の動員を結びつけ、政治組織者、TikTokインフルエンサー、ラジオ番組のホスト、非営利団体の代表、そして演説者という多面的な役割を担った。Foxニュースでトランプ政権の政策を支持するかと思えば、XやInstagramでは若者にキャンパスで保守クラブを設立するよう呼びかけ、メディアと草の根運動を組み合わせて影響力を拡大していった。

1993年にシカゴ北郊外で生まれたカーク氏の父は建築家だった。高校時代から政治活動に積極的で、2010年の選挙では共和党のマーク・カーク上院議員(血縁関係なし)の選挙戦にボランティアとして参加。2012年、高校最終学年には経済教科書の偏った記述を指摘し、全国的な注目を集めた。 (関連記事: 「MAGA国師」カーク氏射殺 トランプ大統領の最側近、キャンパス演説中に銃撃され米国全土で半旗哀悼 関連記事をもっと読む

陸軍士官学校ウェストポイントの入学に失敗すると、シカゴ郊外のコミュニティカレッジに短期間通ったが、すぐに大学を中退し、政治活動に専念する道を選んだ。自身が学位を持たないことを時に自虐的に語りつつも、キャンパスでは学生や学者相手に後期現代主義をめぐって熱い議論を繰り広げた。

最新ニュース
中国の制裁を「光栄」と受け止める!石平参院議員、李逸洋駐日代表と会談し日台関係の深化を誓う
人類が宇宙生命に最も近づいた瞬間か NASA、火星で「豹紋岩石」を発見 生命の痕跡か、地球への持ち帰りは最大の難題
陸文浩の視点:福建艦の海上試験は北上か南下か 英米日韓の艦隊が黄海・東シナ海に集結
ルミネ最大規模「ニュウマン高輪」が本格開業、新ランドマーク誕生 表社長「100年先の豊かな社会を描く実験場に」
化粧品会社ディー・アップ、「野良犬」とパワハラで新入社員自殺 1.5億円支払いと社長辞任 東京地裁が決定
韓国元APEC議長が東京で警鐘 「WTO体制崩壊の危機、アジアは制度強化で対抗を」FCCJ会見
イスラエル国会議長と人質家族が東京で会見 「日本を愛した息子を救ってほしい」ガザ拘束の現実
ガザの惨状を描く新作ドキュメンタリー「Voices from Gaza」日本で配信開始 制作者「終わりなき避難を記録する」
トランプ最側近カーク氏射殺 31歳保守派指導者の死に米国全土が衝撃、政界緊張高まる
「ガザは世界最大の墓場に」パレスチナ大使が東京で訴え 「日本は歴史の正しい側に立つべき」と国家承認を呼びかけ
台湾ガソリンスタンドに現れた「ドラゴンボールの亀仙人」 一輪バイク走行にネット騒然、日本人世界記録ライダーが正体
米軍、スービック湾に再進出?トランプ政権、中国を狙いフィリピンに「世界最大の軍需工場」計画
舞台裏》中国九三軍事パレードで国軍を驚かせる!台湾対策の新兵器2種、「量が多い上に捕まえられない」
リッチモンドホテルズ、宇都宮・浅草で相次ぎリニューアル 長期滞在型や伝統×モダンの新空間に
ADK MSとブレインパッド、「エージェント“リンリー”」共同開発 AI倫理チェックで制作現場の負担軽減
「MAGA国師」カーク氏射殺 トランプ大統領の最側近、キャンパス演説中に銃撃され米国全土で半旗哀悼
エプスタインの「友人名簿」公開 トランプ氏のほかクリントン、英国王子、大使も登場 女性虐待の衝撃的画像が明らかに
イオン「オクトーバーフェスト」全国1600店舗で開催 乾杯に込めた三つの思い 敬老の日にもぴったり、三世代で楽しむ乾杯体験
150歳まで生きるのは夢ではない? シリコンバレー富豪が50億ドル投じ「不老の体」を細胞再生で実現、老化と死に競争
京都先端科学大学で秋季卒業式と入学式 46カ国から323名の留学生が新たな学びを開始
関東で猛烈なゲリラ雷雨 東京都内で相次ぎ「記録的短時間大雨情報」、千葉木更津で竜巻か
天王洲アートウィーク2025開幕 寺田倉庫で織りなす「境界・記憶・自然」のアート対話
TENNOZ ART WEEK 2025開幕目前 諏訪敦「きみはうつくしい」個展とナイル・ケティング新作に注目
北京観察》中国、華人出身の参院議員・石平氏に制裁 資産凍結と入境禁止を発表
「TENNOZ ART WEEK 2025」WHAT CAFEで「Seesaws」展、19人の女性作家が参加
北京観察》中国が石平議員に制裁 日本政府は撤回要求「発言の自由は民主主義の根幹」
ルミネ最大規模「ニュウマン高輪」9月12日開業 約200店舗と空中庭園で新時代の体験型商業施設へ
評論:脱原発の代償か、環境破壊か 台湾で再エネ政策見直し論が加速
ポーランド領空にロシア無人機19回侵入 NATO防空部隊が初の撃墜、戦後最も危険な衝突寸前に
職業生涯113戦で一度も勝てず!アニメ・スマホゲーム『ウマ娘』で世界的にブレークした日本の有名競走馬「ハルウララ」が、29歳で死去
柯文哲氏に抗告方針 台北地検声明で事態さらに深刻化か
米軍無人機がUFOを狙撃 機密映像流出し共和党議員が公開
台湾・林佳龍外交部長、日本最大野党・立憲民主党議員団と会談「与野党問わず関係深化を期待」
東京ゲームショウ2025、過去最多の規模で開催へ 出展社数1,138社・小間数4,159小間を記録
旬を味わう「シャインマスカットパフェ」 ホテル ザ セレスティン東京芝で期間限定提供
六本木・虎ノ門・麻布台ヒルズで「秋の味覚フェア」開幕 モンブラン・さつまいも・シャインマスカット・日本酒が勢ぞろい
麻布台ヒルズで「HARVEST WEEKS」開幕 極細モンブラン&さつまいもスイーツが秋を彩る
ネパールで「Z世代革命」 オリ首相が辞任、19人死亡の流血抗議が政権崩壊を招く
ピクセルアート界のレジェンドeBoy、渋谷で特別企画展開催へ ピクセルアートで人と街を描く日常のモザイク【9月15日開幕】
エプスタイン「バースデーブック」にトランプ署名疑惑 裸婦の下半身に「ドナルド」、否定も筆跡比較で矛盾
JR東日本×NRI、新会社「地域みらいブレインリンク」設立へ 地域創生とイノベーター支援を加速
「Suicaのペンギンフェア2025」東京駅で9月24日スタート!限定スイーツ&グッズ17商品が登場
論評:台湾・頼清徳総統の掲げる「ノン・レッド・サプライチェーン」 米国の排外主義の波に耐えられるのか
元台北市長・柯文哲、1年の拘置を経て変化? アイスキャンディが映す心境
PGAツアー唯一のアジア大会「Baycurrent Classic」 横浜開催に先駆け公式グッズ販売スタート
台湾立法院長が日本国会外交へ 東大研究者「巨大国旗は前例なし、国民党と日本の関係は『師・敵・友』の3段階」
陸文浩の視点:カナダ・豪軍艦が英空母を北方支援 中露合同巡航に対抗し、中国軍が共同戦備を開始
舞台裏》台湾が抱える北朝鮮の「不良債権」 金正恩氏、中国で習近平氏と並ぶ一方で未返済の借金