人類が宇宙生命に最も近づいた瞬間か NASA、火星で「豹紋岩石」を発見 生命の痕跡か、地球への持ち帰りは最大の難題

2025-09-12 17:42
2024年7月、アメリカ航空宇宙局(NASA)の探査車「パーサヴィアランス」が火星イェゼロ・クレーターで「豹紋」のような斑点を持つ赤い岩を発見し、「チェヤバ滝」と名付けた。(AP通信)
2024年7月、アメリカ航空宇宙局(NASA)の探査車「パーサヴィアランス」が火星イェゼロ・クレーターで「豹紋」のような斑点を持つ赤い岩を発見し、「チェヤバ滝」と名付けた。(AP通信)
目次

アメリカ航空宇宙局(NASA)は9月10日、記者会見で大きな成果を発表した。火星探査車「パーサヴィアランス」が採取した「サファイアキャニオン」の岩石に、豹の模様のような斑点が確認され、これまでで最も明確な「生命の兆候」とされる。30億年以上前の古代湖で形成されたとされるこの岩石には、有機分子や水の痕跡が残り、地球の微生物が残す化学的指紋に酷似しているという。科学者らは「人類は宇宙で孤独ではないのか」という根源的な問いに答える手掛かりになり得ると期待を寄せている。ただしサンプルは依然として火星にあり、地球へ持ち帰るには政治的ハードルやホワイトハウスの予算承認といった課題を乗り越えなければならない。

火星で生命の兆候発見!

CNN報道によれば、NASAが今回公表した岩石サンプル「サファイアキャニオン」の表面には多数の「豹の斑点」があり、古代の生命活動に由来する可能性が高いと考えられている。これは人類が火星で発見した中で最もはっきりとした生命の兆候だという。

NASAのショーン・ダフィ代行局長は会見で「1年にわたる検証の末、ほかの説明は成り立たないという結論に至った」と強調。「人類史上、地球外生命に最も近づいた証拠かもしれない」と語った。

このサンプルは2024年7月に「パーサヴィアランス」が採取し、現在も火星で金属管に密封されたまま保存されている。地球から数百万キロ離れているにもかかわらず、探査機が送るデータだけで研究者らは「非常に高い科学的価値があり、微生物の痕跡につながる可能性がある」と確信している。

2024年7月23日、パーサヴィアランス探査車が火星で撮影したセルフィー。このセルフィーは62枚の独立した画像をつなげて作成された。(AP通信)
2024年7月23日、火星で「パーサヴィアランス」が撮影したセルフィー。62枚の独立した画像を合成して作成された。(AP通信)

プロジェクトに携わる科学者ケイティ・スタック・モーガン氏は「今回報告する発見は“潜在的な生物的特徴”であり、生物学的プロセスと一致している。ただし、生命の痕跡かどうかを断定するにはさらなる検証が必要だ」と説明。あわせて、この成果はJPL(ジェット推進研究所)や世界各国の協力機関を含む、1000人以上の研究者とエンジニアの長年の取り組みの結晶だと強調した。

NASA科学任務局のニッキー・フォックス副局長も「人類が最も古くから抱いてきた問い――広大な宇宙で我々は唯一の存在なのか――に挑む上で、今日は大きな一歩となった」と語り、この発見の歴史的意義を強調した。

「サファイアキャニオン」の岩石はどのように形成されたのか

CNNによれば、「サファイアキャニオン」の岩石サンプルは「チェヤバフォールズ」と名付けられており、その名称はアメリカ・グランドキャニオンの滝に由来する。岩石の表面には小さな黒い点や大きな斑点が密集しており、研究チームは小さなものを「ケシの種」、大きなものを「豹の斑点」と呼んでいる。これらの模様は、岩石が堆積する過程で特定の化学反応を経た痕跡だとされる。

「チェヤバフォールズ」は古代ネレトヴァ谷の河川沿いにあり、約35億年前には川が流れ込み、泥や礫が堆積してジェゼロ・クレーターに湖を形成していたと考えられている。河川は常に水を湛えていたわけではなく、流れが止まると湖面は静まり、細かな泥層が堆積した。その後、水が枯れると「ブライトエンジェル」と呼ばれる岩層が残り、「チェヤバフォールズ」は火星における「居住可能な環境」の記録を保持している可能性がある。

2024年6月12日、パーサヴィアランス探査車が火星の「ブライトエンジェル」地域で撮影した360度のパノラマ写真。この画像は346枚の個別の写真をつなげて作成されたもので、地球に伝送された後に合成された。(AP通信)
2024年6月12日、「パーサヴィアランス」が火星の「ブライトエンジェル」地域で撮影した360度パノラマ。346枚の画像を組み合わせ、地球に送信後に合成されたもの。(AP通信)
最新ニュース
調査》台湾・盧秀燕台中市長ら15県市長が中央と激突 総予算に賴清德政権の「見せかけの財政操作」
中国の制裁を「光栄」と受け止める!石平参院議員、李逸洋駐日代表と会談し日台関係の深化を誓う
陸文浩の視点:福建艦の海上試験は北上か南下か 英米日韓の艦隊が黄海・東シナ海に集結
「MAGAの国師」チャーリー・カークの死 トランプが最も信頼した若き盟友、勝利を支えた立役者 演説中に「トランスジェンダー銃撃犯」への質問に
ルミネ最大規模「ニュウマン高輪」が本格開業、新ランドマーク誕生 表社長「100年先の豊かな社会を描く実験場に」
化粧品会社ディー・アップ、「野良犬」とパワハラで新入社員自殺 1.5億円支払いと社長辞任 東京地裁が決定
韓国元APEC議長が東京で警鐘 「WTO体制崩壊の危機、アジアは制度強化で対抗を」FCCJ会見
イスラエル国会議長と人質家族が東京で会見 「日本を愛した息子を救ってほしい」ガザ拘束の現実
ガザの惨状を描く新作ドキュメンタリー「Voices from Gaza」日本で配信開始 制作者「終わりなき避難を記録する」
トランプ最側近カーク氏射殺 31歳保守派指導者の死に米国全土が衝撃、政界緊張高まる
「ガザは世界最大の墓場に」パレスチナ大使が東京で訴え 「日本は歴史の正しい側に立つべき」と国家承認を呼びかけ
台湾ガソリンスタンドに現れた「ドラゴンボールの亀仙人」 一輪バイク走行にネット騒然、日本人世界記録ライダーが正体
米軍、スービック湾に再進出?トランプ政権、中国を狙いフィリピンに「世界最大の軍需工場」計画
舞台裏》中国九三軍事パレードで国軍を驚かせる!台湾対策の新兵器2種、「量が多い上に捕まえられない」
リッチモンドホテルズ、宇都宮・浅草で相次ぎリニューアル 長期滞在型や伝統×モダンの新空間に
ADK MSとブレインパッド、「エージェント“リンリー”」共同開発 AI倫理チェックで制作現場の負担軽減
「MAGA国師」カーク氏射殺 トランプ大統領の最側近、キャンパス演説中に銃撃され米国全土で半旗哀悼
エプスタインの「友人名簿」公開 トランプ氏のほかクリントン、英国王子、大使も登場 女性虐待の衝撃的画像が明らかに
イオン「オクトーバーフェスト」全国1600店舗で開催 乾杯に込めた三つの思い 敬老の日にもぴったり、三世代で楽しむ乾杯体験
150歳まで生きるのは夢ではない? シリコンバレー富豪が50億ドル投じ「不老の体」を細胞再生で実現、老化と死に競争
京都先端科学大学で秋季卒業式と入学式 46カ国から323名の留学生が新たな学びを開始
関東で猛烈なゲリラ雷雨 東京都内で相次ぎ「記録的短時間大雨情報」、千葉木更津で竜巻か
天王洲アートウィーク2025開幕 寺田倉庫で織りなす「境界・記憶・自然」のアート対話
TENNOZ ART WEEK 2025開幕目前 諏訪敦「きみはうつくしい」個展とナイル・ケティング新作に注目
北京観察》中国、華人出身の参院議員・石平氏に制裁 資産凍結と入境禁止を発表
「TENNOZ ART WEEK 2025」WHAT CAFEで「Seesaws」展、19人の女性作家が参加
北京観察》中国が石平議員に制裁 日本政府は撤回要求「発言の自由は民主主義の根幹」
ルミネ最大規模「ニュウマン高輪」9月12日開業 約200店舗と空中庭園で新時代の体験型商業施設へ
評論:脱原発の代償か、環境破壊か 台湾で再エネ政策見直し論が加速
ポーランド領空にロシア無人機19回侵入 NATO防空部隊が初の撃墜、戦後最も危険な衝突寸前に
職業生涯113戦で一度も勝てず!アニメ・スマホゲーム『ウマ娘』で世界的にブレークした日本の有名競走馬「ハルウララ」が、29歳で死去
柯文哲氏に抗告方針 台北地検声明で事態さらに深刻化か
米軍無人機がUFOを狙撃 機密映像流出し共和党議員が公開
台湾・林佳龍外交部長、日本最大野党・立憲民主党議員団と会談「与野党問わず関係深化を期待」
東京ゲームショウ2025、過去最多の規模で開催へ 出展社数1,138社・小間数4,159小間を記録
旬を味わう「シャインマスカットパフェ」 ホテル ザ セレスティン東京芝で期間限定提供
六本木・虎ノ門・麻布台ヒルズで「秋の味覚フェア」開幕 モンブラン・さつまいも・シャインマスカット・日本酒が勢ぞろい
麻布台ヒルズで「HARVEST WEEKS」開幕 極細モンブラン&さつまいもスイーツが秋を彩る
ネパールで「Z世代革命」 オリ首相が辞任、19人死亡の流血抗議が政権崩壊を招く
ピクセルアート界のレジェンドeBoy、渋谷で特別企画展開催へ ピクセルアートで人と街を描く日常のモザイク【9月15日開幕】
エプスタイン「バースデーブック」にトランプ署名疑惑 裸婦の下半身に「ドナルド」、否定も筆跡比較で矛盾
JR東日本×NRI、新会社「地域みらいブレインリンク」設立へ 地域創生とイノベーター支援を加速
「Suicaのペンギンフェア2025」東京駅で9月24日スタート!限定スイーツ&グッズ17商品が登場
論評:台湾・頼清徳総統の掲げる「ノン・レッド・サプライチェーン」 米国の排外主義の波に耐えられるのか
元台北市長・柯文哲、1年の拘置を経て変化? アイスキャンディが映す心境
PGAツアー唯一のアジア大会「Baycurrent Classic」 横浜開催に先駆け公式グッズ販売スタート
台湾立法院長が日本国会外交へ 東大研究者「巨大国旗は前例なし、国民党と日本の関係は『師・敵・友』の3段階」