日本の高市早苗首相は最近の国会答弁で、台湾で重大な衝突が発生した場合、日本にとっての「存立危機事態」に該当する可能性があると述べた。この発言により日中関係は急速に緊張し、続いて日本の『産経新聞』は、もし中国人民解放軍の空母「福建」が台湾海峡への米軍介入を阻止しようとした場合、日本の防衛省が米軍と協力して同艦を撃沈する可能性があると報じた。こうした言説は世論の大きな注目を集めた。しかし、台湾の退役少将・栗正傑氏は、日本には現時点でそのような作戦を遂行できる軍事能力はないと指摘している。
日中間で顕著な軍事力格差 日本メディアが独自図表で示すデータ
栗正傑氏は、中天『麦玉潔辣晩報』の番組で、日本メディアが公開した軍事力比較表が示すとおり、両国の軍事規模には大きな差があると述べた。
図表によれば:
- 兵力規模:中国の陸海軍は合計100万人超、日本の自衛隊は約13万人
- 艦艇数:中国海軍約690隻、日本約139隻
- 戦闘機数:中国約3370機、日本約370機
- 核戦力:中国は約600発の核弾頭を保有、日本は核を保有せず
栗氏は、数字から見ても両国は同じカテゴリーにないことは明らかであり、日本が大型空母への攻撃計画を立ててもその実現性は極めて低いと述べた。
北京の即時反応 中国艦隊が大隅海峡を通過
高市氏の発言や日本メディアの報道を受け、中国は行動で立場を示した。栗正傑氏によれば、中国は055型駆逐艦、054型フリゲート、815型電子偵察艦、補給艦を含む艦隊を鹿児島沖の大隅海峡へ通過させ、日本本土に極めて近い海域を航行した。
補給艦を伴う編成であることから、周辺海域に長期間滞在できる構成であり、強い示威的意味を持つ。また、中国国防部は日本語版の宣伝ポスターも公開し、日本に対して中国内政への干渉に反対する姿勢を表明した。
産経「必要なら福建艦を撃沈」報道への評価
『産経新聞』が報じた「米日が福建艦を共同で撃沈し得る」という主張について、栗正傑氏は、日本の海上戦力は中国の3番目の空母「福建」と同一レベルではないと分析した。
現在、日本が保有するのは F-35B を搭載できる軽空母が最大2隻だが、F-35B は短距離離陸・垂直着陸機であり、燃料や兵装が制限され作戦半径は短く、大型空母に対して有効な脅威にはなりにくいと述べた。
一方で福建艦は、電磁カタパルトを採用し、艦載機を満油・満弾で発艦させることができるほか、J-35など最新鋭の第5世代艦載戦闘機を搭載予定である。空母規模、艦載機性能、打撃能力のいずれにおいても日本の現有戦力を大きく上回る。「日本は現段階で福建艦を撃沈できる実力を備えていない」と栗氏は指摘した。
中国軍、黄海で実弾演習を同時実施
情勢がエスカレートする中、中国人民解放軍は15日、黄海で実弾演習を実施すると発表した。栗正傑氏は、これは北京が外交やメッセージ発信だけでなく、軍事行動を伴うシグナルも発していることを示し、状況の敏感度が高まっていると分析した。
編集:柄澤南 (関連記事: 高市早苗首相「台湾有事」発言で日中関係が急冷 中国官媒『日本は80年ぶりに中国を武力威嚇』と非難 | 関連記事をもっと読む )
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