「台湾有事は存立危機」高市首相発言で日中緊迫 産経「必要なら福建艦を撃沈」報道めぐり議論拡大

2025-11-17 11:15
日本メディアが報じたところによると、もし人民解放軍の空母「福建号」が台湾海峡での米軍介入を阻止しようとすれば、日本防衛省は米軍と協力しその艦を撃沈することになる。
日本メディアが報じたところによると、もし人民解放軍の空母「福建号」が台湾海峡での米軍介入を阻止しようとすれば、日本防衛省は米軍と協力しその艦を撃沈することになる。
目次

日本の高市早苗首相は最近の国会答弁で、台湾で重大な衝突が発生した場合、日本にとっての「存立危機事態」に該当する可能性があると述べた。この発言により日中関係は急速に緊張し、続いて日本の『産経新聞』は、もし中国人民解放軍の空母「福建」が台湾海峡への米軍介入を阻止しようとした場合、日本の防衛省が米軍と協力して同艦を撃沈する可能性があると報じた。こうした言説は世論の大きな注目を集めた。しかし、台湾の退役少将・栗正傑氏は、日本には現時点でそのような作戦を遂行できる軍事能力はないと指摘している。

日中間で顕著な軍事力格差 日本メディアが独自図表で示すデータ

栗正傑氏は、中天『麦玉潔辣晩報』の番組で、日本メディアが公開した軍事力比較表が示すとおり、両国の軍事規模には大きな差があると述べた。

図表によれば:

  • 兵力規模:中国の陸海軍は合計100万人超、日本の自衛隊は約13万人
  • 艦艇数:中国海軍約690隻、日本約139隻
  • 戦闘機数:中国約3370機、日本約370機
  • 核戦力:中国は約600発の核弾頭を保有、日本は核を保有せず

栗氏は、数字から見ても両国は同じカテゴリーにないことは明らかであり、日本が大型空母への攻撃計画を立ててもその実現性は極めて低いと述べた。

北京の即時反応 中国艦隊が大隅海峡を通過

高市氏の発言や日本メディアの報道を受け、中国は行動で立場を示した。栗正傑氏によれば、中国は055型駆逐艦、054型フリゲート、815型電子偵察艦、補給艦を含む艦隊を鹿児島沖の大隅海峡へ通過させ、日本本土に極めて近い海域を航行した。

補給艦を伴う編成であることから、周辺海域に長期間滞在できる構成であり、強い示威的意味を持つ。また、中国国防部は日本語版の宣伝ポスターも公開し、日本に対して中国内政への干渉に反対する姿勢を表明した。

産経「必要なら福建艦を撃沈」報道への評価

『産経新聞』が報じた「米日が福建艦を共同で撃沈し得る」という主張について、栗正傑氏は、日本の海上戦力は中国の3番目の空母「福建」と同一レベルではないと分析した。

現在、日本が保有するのは F-35B を搭載できる軽空母が最大2隻だが、F-35B は短距離離陸・垂直着陸機であり、燃料や兵装が制限され作戦半径は短く、大型空母に対して有効な脅威にはなりにくいと述べた。

一方で福建艦は、電磁カタパルトを採用し、艦載機を満油・満弾で発艦させることができるほか、J-35など最新鋭の第5世代艦載戦闘機を搭載予定である。空母規模、艦載機性能、打撃能力のいずれにおいても日本の現有戦力を大きく上回る。「日本は現段階で福建艦を撃沈できる実力を備えていない」と栗氏は指摘した。

中国軍、黄海で実弾演習を同時実施

情勢がエスカレートする中、中国人民解放軍は15日、黄海で実弾演習を実施すると発表した。栗正傑氏は、これは北京が外交やメッセージ発信だけでなく、軍事行動を伴うシグナルも発していることを示し、状況の敏感度が高まっていると分析した。

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp

最新ニュース
台湾REITs「樂富一號」、史上最大65億元を9日で調達 台茂ショッピングセンターを単独保有へ
台湾に今秋最強の寒気 北部で最低12度の予報 気象専門家「19〜20日が最も冷え込む」
高市早苗首相、米軍の核兵器導入を検討か?「非核三原則」修正を目指すと報道
高市早苗首相「台湾有事」発言で日中関係が急冷 中国官媒『日本は80年ぶりに中国を武力威嚇』と非難
黄錦鐘の視点:高市早苗の「台湾有事」宣言 「斬首」騒動は日中悪化の序章にすぎない
高市首相の「台湾有事」発言が波紋 日中関係が急冷し外務省が特命訪中で火消し図る
中国、民進党立法委員・沈伯洋氏を“分裂国家罪”で指名手配――八炯氏と閩南狼氏に懸賞金設定
ADKマーケティング・ソリューションズ、「IBM Consulting Marketing Workbench」を国内最速導入
ADKマーケティング・ソリューションズとOgury Japan、AIを活用した新ペルソナ配信メニューを共同開発
三井ガーデンホテル、名古屋と豊洲でクリスマス限定メニュー発表
第63回ギャラクシー賞上期、テレビ7本が入賞決定 ラジオ・CM・報道活動は入賞候補を発表
歴史小説を通じて台湾と日本を読み解く──『南光』作者・朱和之氏が東京で講演
米国の対外援助停止が国際秩序と日米協力に陰――ピースウィンズ米代表と米日財団代表理事が日本に主導的役割を提言
台湾の男性カップル、メキシコで代理出産し一度に4人誕生 「無計画アピール動画」に批判殺到「なぜ子どものために備えないのか」
中国の水素エネルギー攻勢が加速、「二つの手段」で世界覇権を狙う? 専門家が警鐘:米国は二本柱戦略で対抗すべき
小泡芙だけではない 義美が無人機・ロボット産業に本格参入 株主には雲豹エネルギーの名も
谷關・福寿山を抑え「台中の最強スポット」が頂点に 2026年台湾観光100ハイライト発表、今まさに絶景の季節
独身急増の世界潮流 若者が恋愛離れする理由とは
高市早苗氏の首相就任と公明党との連立解消 佐藤千矢子氏・上久保誠人氏が分析 FCCJ会見
年末年始を彩る極上の旅と滞在——キュナードとリッツ・カールトンが贈るフェスティブシーズンの特別体験
中国外交官が「首を斬る」発言、日本で批判が噴出 SNSではビザ取消・資産没収の未確認情報が拡散 事実確認報告が経緯を再現
エプスタイン私信に「トランプ氏と被害少女が数時間同席」 性犯罪事件めぐる新証言にトランプ氏が反発
謝長廷氏に旭日大綬章 中国が「歴史責任を反省せよ」と日本を非難 台湾外交部は「問題の張本人は中国側」と反論
現代の野球の神様を行く!史上二人目、現役一位 大谷翔平が4度の「満票」MVPを制しメジャーリーグを席巻
中国外交官が高市早苗氏を「首を斬る」と威嚇 英シンクタンク研究者「国際社会は台湾か中国かの選択を迫られている」
トルコのC-130輸送機墜落 F-16整備部門所属の20名の兵士が犠牲に、空軍が機隊の全面停飛を命令
台湾議員来日で注目 「茶会外交」で産業のレベルアップと新たなプラットフォームを共に構築
高市首相の「台湾有事」発言に米国は慎重姿勢か トランプ氏・国務省とも支持示さず
安倍晋三氏暗殺事件の容疑者母親が法廷に立つ 統一教会信仰を擁護し、自らの寄付が子供の進学より重要と語る
高砂部屋の朝稽古を至近距離で アスコットが「相撲文化体感ツアー」を販売開始
全米で年5万人動員「Got Sole」11月に日本初上陸 希少スニーカーと限定ストリートウェアが東京に集まる、著名人登場も
東京2025デフリンピックで「YYSystem」全会場導入へ アイシンが新アプリ「YYMaps」公開「世界に字幕を添える展 in 東京」開催
トランプ政権の「相互関税」構想はどこへ向かうのか 上智大・川瀬教授「米国は世界貿易の15%にすぎない。各国は連携して米国と交渉すべきだ」
『日経アジア』単独インタビュー「統一女神」鄭麗文氏が語る:賴清德政権は台湾を危険に導いている 唯一の出口は「九二コンセンサス」
フォーリン・プレスセンター、創立50周年記念ロゴを発表 兵庫県のデザイナー坪田到さん作品を採用
セブン‐イレブン「福袋2026」発売へ 総額3,300円分クーポン+限定グッズ4点、10個に1個で500円カード当たる
舞台裏》台湾・国民党の傅崐萁総沼は何を恐れたのか 鄭麗文主席と組み「地下党主席」CK楊氏と極秘協議
台湾館がICOMドバイ大会で存在感 AI導覧と先住民楽舞が国際専門家から高評価
「ミャクミャク公式X」が誕生 大阪・関西万博の勢い止まらず、新作動画に「可愛すぎ」の声
「血糖値を知ることこそ最大の治療」11月14日「世界糖尿病デー」に合わせ、デクスコムジャパンがメディアセミナー開催 CGM普及の必要性を強調
大谷翔平が史上2人目の3年連続MVP 山本由伸も「オールMLB」選出
「台湾有事」発言の波紋 高市早苗首相に反発する中国と動き出した中共艦隊
中国エリートが「弱腰」と評価 習近平氏はトランプ大統領を恐れずと『エコノミスト』報道
中国外務省、高市首相の「存立危機事態」発言に猛反発 台湾有事発言めぐり「すべての結果は日本が負う」と警告
大谷翔平、史上2人目「3年連続MVP」 Fanaticsが受賞記念グッズ販売開始
NHK「第76回紅白歌合戦」出場歌手37組を発表 初出場10組、放送100年企画と新キービジュアルも公開
トランプ大統領、国防総省を「戦争省」に改名へ 総費用最大20億ドルと報道 議会や国防総省内に波紋
台湾が欧州との連携を強化、外交に突破口か?