高市政権、「非核三原則」見直しを検討か 米軍の核持ち込み容認に現実味

2025年10月28日、日本の高市早苗首相は東京・赤坂迎賓館で米国のドナルド・トランプ大統領と日米首脳会談を行い、署名式にも出席した。(写真/AP通信提供)
2025年10月28日、日本の高市早苗首相は東京・赤坂迎賓館で米国のドナルド・トランプ大統領と日米首脳会談を行い、署名式にも出席した。(写真/AP通信提供)

韓国政府がトランプ政権の承認を得て、原子力潜水艦建造計画を正式に進めるとともに、ウラン濃縮や使用済み燃料の再処理能力獲得に向けた支援を受けるなか、第二次世界大戦末期に長崎・広島で「核爆撃」の被害を受けた日本においても、大きな政策転換が報じられた。共同通信によれば、日本の高市早苗首相が、日本の「国家安全保障戦略」など三つの安保関連文書の改定作業に合わせ、長年維持されてきた「非核三原則」を見直す方向で検討しているという。これが事実となれば、東アジア情勢をさらに緊迫させる恐れがある。

「非核三原則」とは何か

共同通信が15日に伝えた独自報道によると、「非核三原則」とは、日本が核兵器について採用してきた基本政策で、「持たず、作らず、持ち込ませず」を意味する。現行の国家安全保障戦略にも「日本政府は『非核三原則』を堅持し、今後も変更しない」と明記されている。

しかし14日、複数の政府関係者が共同通信に対し、高市首相が国家安全保障戦略など三文書の改定に合わせ、「非核三原則」の見直しを検討していると明かした。理由として、「持ち込ませず」という原則が、米国の核抑止力の実効性を弱める可能性があるとの判断が挙げられたという。

報道は、仮に高市政権が本当に改定に踏み切れば、日本の戦後安保政策の大きな転換となり、唯一の戦争被爆国として進めてきた「核なき世界」への取り組みが後退する可能性を指摘した。また、この方針は国内外で強い批判を招くのは必至と報じている。

川崎重工製造、海上自衛隊たいげい型6号潜水艦「そうりゅう」14日正式に進水。(防衛省装備庁公式Facebookより)
川崎重工が建造した海上自衛隊のたいげい型6番艦「そうげい」が14日、正式に進水した。(写真/防衛装備庁公式SNSより)

米軍による核持ち込みを容認するのか

関係筋によれば、高市首相は日本が『核拡散防止条約(NPT)』を批准している点を重視し、「非核三原則」のうち「持たず」「作らず」は維持する意向とされる。一方で、「持ち込ませず」を厳格に守る場合、米軍の核搭載艦船の寄港などを認められず、「突発的な事態」の際に米国の核抑止力が低下しかねないとの懸念があるという。

共同通信によれば、自民党は三つの安保関連文書の改定に関する議論を近日中に開始し、来春をめどに提言案を取りまとめる方針。政府はこれを踏まえ、来年末までの改定を目指すとしている。高市首相は11日の衆議院予算委員会で三文書の改定に関する質問を受け、「どのように書くかを私が述べる段階ではない」と述べ、明確な回答を避けた。

アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏、Truth Socialで戦争部に核兵器試験の再開を指示したと発表(Trutn Socialより)
米国のドナルド・トランプ大統領は「Truth Social」で、国防総省に核実験の再開を指示したと明らかにした。(画像/トランプ氏のTruth Socialより)

米国の立場にも注目集まる

韓国紙『東亜日報』は10月22日の報道で、高市首相の新たな防衛政策には、中国を牽制するため「新世代の推進方式」を備えた新型潜水艦の保有を目指す方針が盛り込まれたと指摘した。これは日本が原子力潜水艦の導入に向けた布石ではないかとの見方も出ている。

同紙はさらに、高市政権が「新世代推進方式と垂直発射システム(VLS)」を備えた潜水艦の配備を進めると明確に打ち出し、長射程ミサイルの搭載や長期間の潜航能力を持つ新型潜水艦建造を政策目標として明記したと報じた。

これは日本政府が初めて新型潜水艦を防衛政策に正式盛り込んだケースとして大きな注目を集めた。一方、もし日本が原潜開発に本格着手すれば、韓国・台湾などの東北アジア地域のみならず、EUなど世界的な原潜開発競争を招き、日米韓の安全保障協力にも影響を与えかねないとの懸念も示された。

米国は「戦略的曖昧性」を維持する構えか

『日本経済新聞』によると、米国務省報道官は11月12日、高市首相が述べた「台湾有事は存立危機事態に該当する可能性」に関する質問に対し、直接の回答を避けたという。また、米国のトランプ大統領は10日、米フォックスニュースのインタビューに応じた際、台湾情勢について触れず、中国への批判も避けた。

報道は、歴代米政権が重視してきた「戦略的曖昧性」は継続されていると分析。バイデン前大統領が「台湾有事の際には軍事介入する」と発言して論争を呼んだ一方、トランプ大統領は根拠を示さず「自分の在任中、中国は台湾に侵攻しなかった」と述べるなど、米国の姿勢には依然として不透明感が残ると指摘している。

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