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高市早苗首相「台湾有事」発言で日中関係が急冷 中国官媒『日本は80年ぶりに中国を武力威嚇』と非難 高市早苗首相の「台湾有事」発言を受け、中日関係は揺らいでいる。中国側は高市氏の発言を「危険」と分析し、日本政界の右翼化や軍国主義への逆戻りを警戒すべきだと指摘している。写真は、南シナ海で米海軍ロナルド・レーガン空母打撃群と共同演習を実施する海上自衛隊。(写真/日本統合幕僚監部公式サイトより)
日本の高市早苗首相は7日の衆議院答弁で、「台湾有事」が相手側の武力行使を伴う場合、日本の安全保障法制において「集団的自衛権」を行使できる「存立危機事態」に該当し得ると述べた。高市が台湾海峡への武力介入の可能性に言及したことを受け、中国共産党機関紙『人民日報』は、これを「日本が80年ぶりに中国へ武力威嚇を発した事例だ」と位置づけた。
中国国営メディアの「中国中央電視台(CCTV)」は16日、20分間の特別報道番組を制作し、「高市は崖っぷちで暴走し、中日関係を崖の縁まで追い込んでいる。日本の政界が右翼化し、軍国主義の道へ逆戻りする恐れがある」と批判した。
CCTVは16日、「ニュース週刊|高市の『禍』——中日関係を引き裂く“天崩の幕開け”」と題した20分の特集映像を公開した。この報道は、高市が国会答弁で「台湾有事」が日本の集団的自衛権行使を可能にする「存立危機事態」になり得ると公然と語った点を強調し、言外に「日本が台湾海峡へ武力介入する可能性を示している」と指摘した。
日本の高市早苗新首相は国会答弁で、「台湾有事」が相手側の武力行使を伴う場合、日本の安全保障法制における「集団的自衛権」を行使できる「存立危機事態」に該当し得ると述べた。(写真/AP通信提供)
「存立危機事態」とは何か CCTVの番組は、高市 氏 が「存立危機事態」を中国の内政問題、すなわち台湾問題へ適用したことを「極めて悪質な前例」だと断じ、中国側が到底受け入れられないと報じた。
CCTVは、「存立危機事態」は日本の安倍晋三元首相が10年前に強行成立させた「新安保法」で生み出された概念であると説明。日本が直接攻撃されていなくても、米国など密接な関係にある国が武力攻撃を受け、その結果日本の存立が脅かされた場合、自衛隊は集団的自衛権を行使できると規定している。ただし、その具体的基準は曖昧なままだと指摘した。
さらに番組は、「台湾有事は日本有事」という主張は、日本政界に長く存在する危険な言説であり、中国の国家統一と日本の安全保障を結びつけ、対立構造を作り出すものだと批判。日本の敗戦以降、歴代首相は在任中にこの主張を公言することを避けてきたが、安倍晋三元首相は退任後に初めてその考えを示したに過ぎないと述べた。
CCTVは、高市早苗が正式な公的場面で初めてこの論調を推進し、さらに集団的自衛権の行使と関連づけた「現職首相」である点を強調した。
日本の安倍晋三元首相が「台湾有事は日本有事」との主張を示したのは、退任後になってからだった。(写真/AP通信提供)
日本・中国学界から高市発言への反発 日本の東アジア共同体研究所の孫崎享所長は、CCTV(中国中央電視台)のインタビューで、「台湾は中国の一部であり、これがなぜ日本の存亡危機になるのか」と疑問を呈した。例えば、船舶の主要航路は太平洋側であり、日本の存亡に関わるような事態はそもそも起きないと指摘した。
同報道は、日本の鳩山由紀夫元首相が「台湾は中国の内政問題であり、日本が干渉すべきではない」と強調したことも紹介している。野田佳彦元首相もインタビューの中で、「これは歴代首相が一定程度踏み込むことを避けてきたテーマであり、高市氏の発言に深い衝撃を受けた」と述べた。
中国側の分析:高市首相の発言は「極めて危険」 同報道は、高市早苗氏の発言は偶然の言い誤りではなく、熟考の上で行われた政治的声明だと指摘した。高市氏は長年、日本右翼勢力を代表する政治家として知られ、閣僚として靖国神社を度々参拝してきた人物である。今回の政権は自民党と極右政党・維新会による連立政権であり、両党の右傾化を背景に、高市氏が台湾関連発言の撤回を拒んでいる姿勢は、日本の政治地図がさらに右傾化している兆候だと分析している。
報道はさらに、歴史上、日本の軍国主義はしばしば「存亡危機」を口実に戦争を起こしてきたと指摘した。中でも「自衛権行使」を名目に引き起こされた「満州事変(九一八事変)」やその後の「侵華戦争」は代表例であり、抗戦勝利80周年という節目の時期に高市氏が再び同様の議論を持ち出したことは、日本が軍国主義の道へ逆戻りしようとしているのではないかとの疑念を抱かせると批判した。日本政界が全体として右へ急旋回している状況下で、高市氏が今後さらに踏み込んだ行動に出る可能性があるとして、各方面に警戒を呼びかけている。
中国外務省の林剣報道官は、「日本は侵略の歴史を深く反省し、平和的発展の道を堅持し、自国の軍備拡張の口実探しをやめるべきだ」と述べた。(写真/中国外務省ウェブサイトより)
日中関係は「崖っぷち」に 報道はまた、中国外務省の抗議が次第に強まっていることにも言及した。外務省 報道官は、日本が台湾海峡情勢に武力で介入するような行動を取れば、それは「侵略行為に当たり、中国は必ず断固として反撃する」と警告した。強いメッセージとして、「台湾問題において、日本が火種をつけることは断じて許さない」と強調した。
さらに報道は、高市早苗氏の就任からまだ1か月も経っていないにもかかわらず、数多くの識者が積み重ねてきた日中友好関係の努力が、すでに崖っぷちへ追いやられたと指摘した。「私たちはもちろん緊張緩和を望むが、その前提として、日本政府が速やかにブレーキを踏む必要がある。しかし現状は減速どころか、むしろアクセルを踏み込み、危険な方向に疾走している。誰もが知っているように、崖っぷちで暴走すれば、その結末がどうなるかは明らかだ」と締めくくった。
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