中国の国営通信社、新華社の報道によると、7月6日午後0時1分、中国人民解放軍(以下、中国軍)海軍の戦略原子力潜水艦1隻が、太平洋の公海に向けて訓練用模擬弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射し、予定海域に正確に着弾した。
今回発射されたミサイルは、核弾頭の搭載が可能なだけでなく、射程は1万キロを超え、南太平洋から太平洋東部海域までをカバーする「巨浪3(JL-3)」とみられる。中国軍が潜水艦を「第2撃(敵からの核攻撃に対する報復攻撃)」のプラットフォームとして運用する能力を示した形だ。
中国側の情報によると、今回の中国軍の戦略原子力潜水艦によるミサイル試射は、中国の渤海から南太平洋海域に向けて行われた。ミサイルは中国本土上空、朝鮮半島、日本列島、フィリピン海を通過し、最終的にソロモン諸島東方、サモア西方の南太平洋に位置する予定海域に着弾した。飛行距離は約1万3000キロに達した。今回発射されたミサイルは、昨年の抗日戦争勝利記念日(9月3日)の軍事パレードで公開された「巨浪3」だと分析されている。
米本土が射程圏内に
北京から米ワシントンまでの直線距離は約1万1000キロで、中国が今回1万3000キロの長距離ミサイルの試射に成功したことは、米本土が中国軍の戦略原子力潜水艦による核攻撃の射程圏内に入ったことを示す。
中国軍が太平洋の公海に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射を実施するのは2年ぶりだ。前回は2024年9月25日午前8時44分に、中国ロケット軍が太平洋上の公海に向け、模擬弾頭を搭載したICBMを1発発射し、予定海域に正確に着弾させた

中国外交部「特定の国・目標に向けたものではない」
中国外交部(外務省)の毛寧(もう・ねい)報道官は7月6日、定例記者会見の中で、中国海軍が実施した潜水艦発射弾道ミサイルの試射成功に関する質問に対し、毛氏は「中国側はすでに情報を発表しており、詳細については管轄部門に問い合わせてほしい。私が伝えられるのは、これが中国の年間軍事訓練における定例的なものであり、国際法および国際慣例に合致し、特定の国や目標に向けたものではないということだ」と述べた。
軍事専門家「潜水艦による第2撃能力を誇示」
中国の軍事評論家、張軍社(ちょう・ぐんしゃ)氏は中国紙、環球時報の取材に対し、公式発表から推測すると、今回発射されたSLBMは過去の軍事パレードで公開された「巨浪」シリーズであり、射程が8000キロを超えるICBMクラスの可能性が高いとの見解を示した。
張氏は、今回の試射は極めて意義深いと指摘。「『核の三本柱』の戦力体系において、戦略原子力潜水艦は最も強固で信頼性の高い第2撃のプラットフォームとして国際的に認識されている。原子力潜水艦は長期間にわたり水中で機動的な巡航が可能であり、その行動軌跡を探知・捕捉することは困難で、戦場での生存能力が極めて高い。自国の陸上および空中配備の核プラットフォームが制圧されたとしても、深海に展開する戦略原子力潜水艦は依然として完全な核反撃能力を維持できる」と語った。
最大射程での試験により実戦での信頼性を検証
また別の軍事評論家、宋忠平(そう・ちゅうへい)氏は、今回試射されたSLBMについて、「巨浪3」の可能性が極めて高いと分析する。宋氏は、「巨浪3」はすでに昨年の軍事パレードで正式に公開されており、これまでに高軌道や低軌道など複数の試験を完了したと指摘。最大射程に近い発射実験を実施することで、兵器システム全体の性能と実戦での信頼性を全面的に検証する狙いがあったとの見方を示した。
張氏は、同型ミサイルは射程1万キロ以上に達し、南太平洋から太平洋東部海域までをカバーできるため、戦略的な抑止力は極めて強力だと分析している。
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編集:平松靖史 (関連記事: 中国戦略原潜から弾道ミサイル発射 豪・NZ反発、南太平洋で軍事圧力常態化の懸念 | 関連記事をもっと読む )













































