中国軍は台湾を本当に占領できるのか 米元太平洋軍司令官が指摘する「最大の壁」

ブレア氏は、現在の中国軍にとって陸両用作戦能力が最も致命的な弱点だと指摘。写真は人民解放軍の強襲揚陸艦「海南」。(資料写真/中国軍網より)
ブレア氏は、現在の中国軍にとって陸両用作戦能力が最も致命的な弱点だと指摘。写真は人民解放軍の強襲揚陸艦「海南」。(資料写真/中国軍網より)

近年、中国は軍事力の増強を続けており、空母や強襲揚陸艦、ステルス戦闘機からミサイル部隊に至るまで、その規模は急速に拡大している。これにより、台湾海峡を巡る緊張の高まりに国際社会が懸念を強めている。一部では、西太平洋における中国の軍事力がすでに米国の優位性を凌駕しつつあり、台湾海峡の軍事バランスが急速に中国側へ傾いているとの指摘も出ている。

しかし、米国の元国家情報長官で元太平洋軍司令官のデニス・ブレア氏は、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で、中国の軍事力に対する外部の懸念は過剰に増幅されていると指摘。中国が米国にとって最大の戦略的課題となっているのは事実だが、それは人民解放軍(以下、中国軍)が台湾海峡で戦争が発生した際、確実に勝利する能力を備えていることを意味するものではなく、米国と同盟国の抑止力が失われたわけでもないと強調した。

中国海軍の055型ミサイル駆逐艦「南昌」(艦番号101)。(日本の統合幕僚監部公式サイトより)
中国海軍のミサイル駆逐艦「南昌(055型)」。(資料写真/日本の統合幕僚監部公式サイトより)

艦艇数では中国が米国を上回る

ブレア氏によれば、中国海軍の艦艇数はすでに米軍を上回っており、ミサイル、無人機(ドローン)、宇宙空間およびサイバー領域における作戦能力も継続的に向上、一部の分野では、局地的な優位性を確立しているという。

だが、軍事力は装備の数量だけで測ることはできず、全体的な作戦能力を見極める必要がある。海外での軍事作戦に長年携わってきた米軍に対し、中国軍は40年以上にわたり大規模な実戦を経験していない。統合軍事作戦や軍種間の連携、遠方への兵站(へいたん)補給、そして戦場での危機対応能力など、実際の戦闘を通じた検証が依然として不足している。

艦艇や航空機の数だけで台湾海峡有事の戦局を評価すれば、中国の実際の戦闘能力を過大評価することになりかねないと、ブレア氏は警告する。

中国軍にとって台湾上陸が最大の障壁

台湾有事における最も核心的な問題について、ブレア氏は、中国軍にとって致命的な弱点である「水陸両用作戦能力の不足」が看過されがちだと指摘する。

台湾海峡は最も狭い場所で約130キロメートルある上、気象や海象条件が複雑で、大規模な台湾上陸作戦に適した海岸も限られる。中国軍が台湾を実効支配するためには、防空、対艦、対上陸用の火力を突破するのみならず、膨大な数の兵力、装甲車、弾薬、補給物資を絶え間なく陸揚げし続けなければならない。

このような渡洋上陸作戦は、現代戦において最も困難な任務の一つとされる。第二次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦も、連合国軍が長年にわたって準備を重ね、莫大な後方支援リソースを投入した末にようやく成功を収めた。

(中国軍網より転載)
ブレア氏は、中国軍が台湾上陸に成功したとしても、その後の数十万に及ぶ兵力の補給、交代が勝敗を分ける鍵になるとみている。(資料写真/中国軍網より)

上陸に成功しても後続の兵站任務が真の試練

ブレア氏の分析によると、中国は近年、強襲揚陸艦や揚陸艦の建造を急ピッチで進めているが、現在の輸送能力は大規模な台湾侵攻作戦を支える水準には遠く及ばないとされる。 (関連記事: 【寄稿】5カ国11隻の対中連携に中国軍18隻が対抗 台湾・南シナ海・西南諸島で圧力拡大 関連記事をもっと読む

仮に中国軍が第一波の部隊を台湾本島へ上陸させることができたとしても、その後に数十万規模の兵力の補給と任務の交代をいかに維持するかが勝敗を決する。港湾や空港、あるいは海上の補給線が破壊されれば、上陸部隊は瞬く間に孤立状態に陥る可能性が高い。

最新ニュース
中国、台湾東部海域で活動拡大 英仏独が異例の共同声明、AITも「地域の安定損なう」と批判
台湾半導体はなぜ強いのか 日月光COO「供給網は同窓会、20年の信頼が本当の強み」
【単独インタビュー】ノーベル賞受賞者31人が台湾訪問へ 世界平和財団会長「台湾は高度な科学対話の場」
東ハトが6月の新商品4品を発表 「Just Me」シリーズなど29日から全国発売
Preferred NetworksのAI面接サービス「タレスカAI面接」が第15回日本HRチャレンジ大賞の人材サービス優秀賞を受賞
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、25周年「超!夏祭り」の限定フード&グッズを大公開
中国人観光客の台湾旅行再開に暗雲 旅行業者の視察申請を台湾側が却下
ハーモニーランドに新施設なかよくラボが7月3日オープン 最新モビリティUNI-ONEとAR融合アトラクションが登場
森万里子、国内で24年ぶりの大規模個展「森万里子:燦燦」が森美術館で今秋開催へ
博多もつ鍋やま中銀座店が7月に日本酒くじキャンペーンを開催へ 新政No.6や十四代など銘酒を提供
TREASURE日本ツアー記念、Jリーグ6クラブとの限定コラボグッズが発売決定!全国7都市のポップアップやオンラインで展開
東京マラソン2026のCO2排出量は2万6628トン 参加者らの移動が84%占める
LINE内で完結する新サービス「Yahoo! ほけん」が登場し熱中症とコロナ治療薬の保険を提供開始
住友生命が熱中症対策プレスセミナーを開催 医療ビッグデータ活用による白書と保険の最新展開を発表
台湾、台風7号(メーカラー)と前線で大気不安定に 南部で雨量300ミリ迫る、26日は大雨に警戒
日産自動車が「NISSAN GT-R BE@RBRICK 100% & 400%」を7月2日より数量限定で発売
2026年5月度ギャラクシー賞月間賞が発表、中国ショートドラマや水俣病の番組など4作品が選出
「からあげグランプリ」受賞のからあげとコカ・コーラが競演 メディア向け試食会で各社自慢の味が集結
アークヒルズで「夏の激辛グランプリ」開催 18店舗が5段階の辛さで限定メニュー
麻布台ヒルズ「廊下音楽」特別回、チームラボボーダレスへ拡大 小西遼×吉田沙良が一夜限りの演奏
中国が「頑迷な台湾独立分子」指定の蕭美琴副総統、「我々が何者かを中共には定義させない」
「中台は互いに隷属しない」は現状維持ではない 台湾元国安会秘書長、民進党政権を批判
ウクライナ復興需要、台湾企業に商機 ドローン月25万〜40万機消費、エネルギー再建も課題
【独占】台湾で絶大な人気を誇る次世代歌姫・茉ひる、新EP「Cinema」で映し出した「ありのままの自分」 台湾公演への思いも語る
福岡・天神で朝からMLB観戦 「MLB Breakfast Club」7月1日開幕、限定グルメも登場
DEZERT、47都道府県ツアーファイナルをU-NEXTで独占配信 幕張メッセ公演を7月11日から
ヒルトン東京ベイ、屋外プールをリニューアル ナイトプールやBBQで夏のリゾート体験
宮崎・日南の無人島に新リゾート「HINATA大島」開業へ 無人島で過ごす非日常ステイ、予約受付開始
月島もんじゃ「こぼれや」、マレーシアに海外1号店 東南アジアでもんじゃ文化発信へ
【東京マラソン2027】大会要項を発表 定員4万人に拡大、優勝賞金は約2700万円へ
さとふる、2026年上半期のふるさと納税トレンド発表 物価高で「訳あり」返礼品が検索1位に
ヒルトン東京ベイ、屋外ガーデンプールを全面刷新 ナイトプールやBBQプランも展開
博報堂教育財団、児童教育研究の助成受付を7月1日開始 1件最大300万円を支給
三菱地所レジデンス、東京圏外初の「ザ・パークハウス グラン」販売開始 仙台・広瀬町で47戸、地域材活用の低層レジデンス
日本発AI「Sakana Fugu」登場 GPT-5.5やClaudeを上回る性能、米国依存リスク回避に新戦略
AIアバターが新卒採用を支援 Preferred Networksの「タレスカ」、沖縄セルラーが試験導入
【李忠謙コラム】ワシントンで再び浮上する「台湾見捨て論」 米シンクタンクが描く安全な出口戦略
【寄稿】中国の対日レアアース規制、真の狙いは米防衛産業か 日米サプライチェーンの弱点
最大9連休のシルバーウィーク、国内クルーズに注目 新規就航船「三井オーシャンサクラ」もデビュー
EBiDAN結成15周年「エビライ2026」、U-NEXTで全4公演を独占生配信 超特急、M!LKら集結
推し活グッズから快眠アイテムまで 最新消費トレンド集まる「ライフスタイルWeek 夏」東京ビッグサイトで開幕へ
ロイヤルホスト、イオン八王子滝山に新店オープン ペット同伴可能なテラス30席を設置
FIFAワールドカップ2026公式体験がRobloxに登場 48チーム再現、Z世代のスポーツ消費調査も公開
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3、U-NEXTで独占配信開始 早見沙織・津田健次郎ら吹替版予告も公開
米イラン、60日以内の和平合意へ道筋 ホルムズ海峡とレバノン情勢の緊張緩和を優先
台湾エキスポ、ポーランドで初開催 台湾製ドローン関連16社に商談640件超、欧州需要に期待
【舞台裏】台湾・国民党はなぜ無人機政策で態度を変えたのか 鄭麗文氏訪米後に強まった米側の圧力
アニメ東京ステーション、来館者30万人を突破 「BLEACH」特別展示も開催中
OMOTENASHI Selection 2026第1期、全国37都道府県から149対象を選出 最高金賞に7対象
大谷翔平らMLBスターの直筆サイン入りボールが当たる ファナティクス、限定ミステリーBOX発売