【舞台裏】台湾・国民党はなぜ無人機政策で態度を変えたのか 鄭麗文氏訪米後に強まった米側の圧力

民進党以外の野党は先ごろ、国防特別予算のうち無人機関連部分を全額削除した。これを受け、行政院は改めて無人機関連の特別条例案を提出したが、注目されるのは、国民党が鄭麗文主席(中央)の訪米後、態度に変化を見せている点だ。(写真/中央社提供)
民進党以外の野党は先ごろ、国防特別予算のうち無人機関連部分を全額削除した。これを受け、行政院は改めて無人機関連の特別条例案を提出したが、注目されるのは、国民党が鄭麗文主席(中央)の訪米後、態度に変化を見せている点だ。(写真/中央社提供)

台湾の頼清徳総統が、立法院(国会に相当)で野党に削減された4700億台湾ドル規模の国防特別予算について、不足分を補う姿勢を示し、「決して諦めない」と繰り返し強調する中、行政院(内閣)は6月18日、国防部が策定した「国防自主無人機器調達特別条例」草案を閣議決定した。5年間で2100億台湾ドル(約1兆円)を計上し、21万機以上の無人機や無人艇を調達する計画だ。

民衆党議員団は直ちに、頼政権が削減された国防特別予算を「名を変えて復活させようとしている」と批判した。一方で、これまで国防特別予算の審議入りを長く阻んできた国民党議員団からは、今回は以前のような強い反発は見られていない。

注目されるのは、立法院が6月5日の本会議で、民進党の鍾佳濱立法委員が提出した、無人機や無人艇などを対象とする「無人載具産業創建特別条例(無人システム産業創設特別条例)」草案を一読した際、国民党議員団が民衆党議員団と連携し、同案を程序委員会に差し戻して実質審議入りを阻止していた点だ。

ところが、国民党主席の鄭麗文氏が約2週間にわたる訪米を終えた後、同氏は6月17日の記者会見で、米国のシンクタンク専門家から「誠実な助言」を受けたとして、無人機に関する国民党独自の法案を提出する可能性を真剣に検討していると述べた。国民党の頼士葆立法委員もその後、「生技産業発展条例」を参考に草案を準備していると明らかにした。

鄭氏の訪米中に何が起きたのか。国民党はなぜ、無人機関連法案を封じ込める姿勢から、行政院案の審議入りを容認し、独自案の提出を検討する方向へと転じたのか。

20251202-台湾総統・頼清徳氏(左から2人目)、国家安全会議秘書長・呉釗燮氏(左端)が2日、宜蘭県後備旅歩三営の教育召集ドローン訓練を視察。(顏麟宇撮影)
台湾・頼清徳総統(左から2人目)は、削減された無人機予算について「補うべきものは補う」と強調し、行政院も「国防自主無人システム調達特別条例」草案を閣議決定した。写真は無人機訓練を視察する頼氏。(写真/顏麟宇撮影)

習近平氏に関する情報を探った米側

​鄭氏は6月1日深夜、米国訪問のため台湾を出発した。サンフランシスコではスタンフォード大学フーヴァー研究所の研究者らと意見交換し、ボストンではハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の研究者・学生と交流した。その後、ニューヨークの複数のシンクタンクを訪れ、ワシントンでは米議会関係者や政策専門家と会談。最後にロサンゼルスで華僑関係者と面会し、台湾へ戻った。

関係者によれば、鄭氏は今回、中国の習近平国家主席との会談、いわゆる「鄭習会」の経験を携えて訪米したことで、米側にとっても無視しにくい存在となった。米国のシンクタンク関係者の一部は、鄭氏の中台関係論や「和平」観に関心を示したとされる。

ただ、米国の情報・安全保障関係者がより重視していたのは、公式の米中首脳会談などで見せる習氏の姿ではなく、同じ「民族的感情」を共有するとされる台湾側の政治家に対し、習氏がどのような表情や言葉を見せたのかという点だったという。
(関連記事: 【スクープ】米外交界は国民党・鄭麗文主席に「困惑」 米シンクタンク幹部が語る訪米の意味 関連記事をもっと読む

台湾紙『自由時報』は、鄭氏が米側に対し、習氏と握手した際の感触について「手が大きく厚く、雲のように柔らかかった」と説明し、昼食会でのやり取りの詳細も語ったと報じている。台湾では一部で冗談交じりに受け止められたが、米側の関係機関にとっては、習氏の健康状態や実際の考え、意思決定の傾向を読み解くための補助的な情報価値があったとみられる。

最新ニュース
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3、U-NEXTで独占配信開始 早見沙織・津田健次郎ら吹替版予告も公開
米イラン、60日以内の和平合意へ道筋 ホルムズ海峡とレバノン情勢の緊張緩和を優先
台湾エキスポ、ポーランドで初開催 台湾製ドローン関連16社に商談640件超、欧州需要に期待
アニメ東京ステーション、来館者30万人を突破 「BLEACH」特別展示も開催中
OMOTENASHI Selection 2026第1期、全国37都道府県から149対象を選出 最高金賞に7対象
大谷翔平らMLBスターの直筆サイン入りボールが当たる ファナティクス、限定ミステリーBOX発売
河合優実さん、バングラデシュ難民キャンプ視察を語る ファーストリテイリングがUNHCRと支援拡充
台北の高級住宅地・天母にMRT延伸計画が再浮上 不動産価格と商圏再生に期待
ファーストリテイリング、UNHCRと難民支援を拡充 河合優実さん参加のチャリティブーケも発表
カットスイカにミニトマトを置くと長持ちする? 韓国で話題の保存法に台湾農家が見解
【東京マラソン2027】大会要項を発表 定員4万人に拡大、優勝賞金は約2700万円へ
楽天スーパーナイター2026、東京ドームで開催 台湾チアの共演や国歌独唱、AI体験で華やかに演出
台湾チア「Rakuten Girls」が東京ドームに登場 ヤンマガ杯上位2人がセレモニアルピッチ
ハーバード大が初めて首位陥落 Nature Indexで浙江大学が世界トップに、中国勢が上位独占
台湾ルーツの幕内力士・東白龍、李逸洋駐日代表と面会 日台相撲交流の深化に期待
Roblox、16歳未満向け年齢別アカウントを世界展開 チャット制限や保護者管理を強化
高度人材・デジタルノマド受け入れ制度を案内 出入国在留管理庁、最新の在留情報を発信
ユニクロ、世界難民の日にチャリティブーケ販売 河合優実さんが選んだ花でロヒンギャ難民女性を支援
梅雨・猛暑の食材管理に冷蔵庫はどう役立つ? ミーレが鮮度保持機能を検証
楽天スーパーナイターにRakuten Girls登場 生成AI観戦体験や循環型ショッパーも展開
大谷翔平に第2子誕生!産休明け復帰戦で祝砲となる16号本塁打
米軍が「インド太平洋」の名称を外す意味 日本・インドに広がる対中戦略後退への懸念
「マスク氏は型破りだ」インテルCEOが語るテスラ「テラファブ」構想 マスク氏との協業とAI時代の半導体不足
フェアモント東京、開業1周年を祝う「桃」テーマの夏限定アフタヌーンティーやハイティーを7月1日より提供開始
日本最大級の製造業展「ものづくり ワールド」東京ビッグサイトで開催へ フィジカルAI新規展も初登場
氷上のライバルが秘密の関係に 世界で話題のスポーツロマンス『ヒーテッド・ライバルリー』U-NEXTで独占配信
【単独インタビュー】ロシア後方を狙うウクライナのドローン戦略 エネルギーと兵站を攻撃し交渉圧力に
エキュート大宮が「チョコミントの聖地」に 過去最多42商品が集結、限定スイーツも登場
【独自】台湾軍の重要データ、米国ではなく日本でバックアップか 通信強靭化の裏側
「お食い初め」は外食で祝う時代へ しゃぶ禅川崎店、利用客数が2年で213%増
猛暑の夏に注目の「冷感ジュエリー」 東京ビッグサイトで日本最大級のジュエリー祭典開催
労働、移動、ジェンダー、記憶をめぐる「あいだ」 日タイ現代アート展「Between Us」開催
『トイ・ストーリー5』公開記念、CHARGESPOTと初タイアップ 限定ボイスや3時間無料キャンペーンも
中国の対外戦略と日中関係の行方 江藤名保子教授が分析
成年後見制度はどう変わるのか 「補助」一元化で本人の意思尊重へ
トランプ時代の米国と日本の針路 久保文明氏「同盟維持と防衛力強化が不可欠」
「ちいかわ」日本キャラクター大賞で史上初の3連覇 4度目グランプリで殿堂入り
救出後に再び詐欺拠点へ? 台湾外交部を悩ませる「未返済」と「常連化」の実態
KADOKAWA元会長・角川歴彦氏、夏野剛社長らを提訴 名誉毀損などで2億円請求
トヨタ新体制を正式決定 近健太社長が代表取締役に、佐藤恒治氏は副会長・CIO継続
米有力シンクタンクが読み解く対台湾戦略 台湾で広がる「対米不信」に警鐘
台北で話題のサクサク揚げドーナツ3選 25元老舗と西門町の人気店、どこが一番おいしい?
TeamT5、FIRSTCONでサイバー犯罪インテリジェンスの事例を公開、新たな攻撃手法への継続的な警戒を呼びかけ
【ふるさと納税】人気お礼品ランキング2026年上半期 結果発表
バドワイザーがW杯に向けスペシャルチーム「BUDWEISER FC」を結成、カルチャー視点で大会を盛り上げるプロジェクト始動
フジロック2026開幕まで35日、新人ステージ出演者発表からチケット完売状況
ロイヤルホスト誕生55周年 伝統の「パンケーキ」が初の冷凍食品化 復刻カレーなど「サマーギフト 2026」も同時販売
イチロー選抜と女子選抜が9月13日に東京ドームで激突、松井秀喜も3年連続参戦で高校生以下は51円の「#51シート」も実施