モロッコ、台湾人向けビザ手続きを突如停止 台湾外交部は相互主義に基づき対抗措置
モロッコは事前予告なしに台湾人からの「ビザ確認書」の申請受付停止を発表した。写真はモロッコの街並み。(資料写真/AP通信)
北アフリカのモロッコがこのほど、台湾人が申請した「ビザ確認書(Visa Confirmation Letter, VCL)」の受理を予告なく停止したことが明らかになった。カメルーンによる台湾当局者に対する礼遇ビザの表記矮小化や、ケニアによる台湾当局者への電子渡航認証(ETA)取り消しに続き、今年に入りアフリカ諸国が台湾に対して取った非友好的な措置に新たな事例が加わった。台湾外交部(外務省に相当)は30日、二カ国間交流の相互主義の原則に基づき、7月30日より特例として許可された場合を除き、モロッコ国籍者の台湾行きビザ申請の受理を停止すると発表した。
台湾の頼清徳総統は今年4月下旬、アフリカにおいて唯一、台湾が外交関係を樹立するエスワティニへの訪問を予定していたが、出発直前にセーシェル、モーリシャス、マダガスカルから予告なしに専用機の飛行許可を取り消され、最終的に頼氏は5月上旬、エスワティニ国王の専用機に搭乗して訪問を実現させた。
また、今年3月下旬には、台湾当局者がカメルーンで開催された世界貿易機関(WTO)閣僚会議に出席する予定だったが、カメルーン側が礼遇ビザに「台湾、中国の一省」と表記したため、台湾はWTO加盟後25年で初めての欠席を余儀なくされた。さらに、6月にケニアで開催された「私たちの海洋会議(OOC)」では、台湾の研究者が入場を拒否され、パスポートや携帯電話を20時間以上差し押さえられたほか、同行を予定していた当局者のETAが出発前に突然取り消されるなどの事態も発生した。
7月23日、駐日モロッコ大使館は台湾の旅行業者に対し、台湾人によるモロッコ行きビザ確認書の申請受理を停止すると通知した。台湾外交部領事事務局の情報によると、台湾の民間人がモロッコに渡航する場合、駐日モロッコ大使館にビザ確認書の申請を行う必要がある。申請は同大使館で受理された後、モロッコ本国での審査を経て、許可書類が申請者にFAXで送信される。渡航者は当該書類を持参してモロッコの空港に到着した際、現地でモロッコの入国ビザを申請・発給される仕組みとなっている。
台湾外交部「モロッコ人の台湾ビザ申請受理を停止」
台湾の旅行業者が先週、駐日モロッコ大使館によるビザ申請受理の停止公告を相次いで報告したことを受け、台湾外交部は30日午前にプレスリリースを発表。事実確認の結果、モロッコ政府が全世界の自国大使館および領事館に対し、関連する申請手続きの受理を停止するよう訓令を出していたことが判明したという。ただし、7月20日以前にモロッコのビザ確認書を発給された台湾人については、規定に基づき有効期限内であれば、当該書類を所持して入国し、ビジネスや観光の活動を行うことが可能だ。
台湾外交部は、現在台湾人がモロッコの電子ビザを申請することはできず、短期滞在の出張や観光で同国へ渡航するにはモロッコ大使館に「ビザ確認書」を申請するしかないと指摘。モロッコ政府が突如として確認書の発給停止措置を講じたこと、台湾人の同国への渡航に支障をきたし、両国間の相互交流に影響を及ぼしているとした。これを受け台湾外交部は、二カ国間交流の相互主義の原則に基づき、7月30日より特例を除き、モロッコ国籍者の台湾行きビザ申請の受理を停止すると発表した。
また台湾外交部はモロッコ政府に対し、両国民のビジネス・観光における相互訪問の利便性を直視し維持するとともに、両国間の正常な民間交流を早期に回復するよう呼びかけた。さらに、モロッコ政府による台湾に対するビザ措置の今後の動向を注視し、それに応じてモロッコ国籍者の台湾行きビザ措置を適宜見直していくとしている。
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