熊本県で7月28日午後に発生したM7.1の地震を受け、TSMC(台湾積体電路製造)は、日本子会社JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)が運営する熊本工場で、全員の安全を確認したと発表した。建屋の構造にも異常は確認されておらず、生産ラインの復旧を順次進めている。
一方、精密設備や仕掛かりウエハーへの影響については、引き続き詳細な点検と評価を実施している。JASMの建設現場に地震による被害は確認されていないが、余震に備え、一部の工事を安全上の理由から一時中断している。
台湾経済部による初期確認では、熊本県内に拠点を持つアドバンテックやデルタ電子などの台湾企業も、従業員の安全を確認しており、現時点で事業への影響は報告されていない。
JASM工場で最大震度5、発生直後に避難
気象庁の初期発表によると、地震は28日午後4時27分頃に発生した。地震の規模はM7.1、震源の深さは約10キロで、熊本県内では最大震度7を観測した。その後も複数の余震が発生している。
JASMが立地する熊本県菊陽町でも強い揺れがあり、TSMCによると、工場敷地内では最大震度5を計測した。
JASMは地震発生直後、社内の安全手順に基づいて従業員を避難させ、安否確認を実施した。人員の確認を終えた結果、工場内にいた全員の安全が確認されたとしている。
建屋の構造に異常なし、生産ラインを順次復旧
人員の安全確認後、JASMは工場建屋の損傷状況を点検した。TSMCは、地震による建屋の構造的な異常は確認されておらず、安全性に問題はないとしている。
同社はその後、社内の安全手順に沿って、生産ラインの復旧を順次開始した。
ただし、すべての設備や工程が通常稼働に戻ったことを意味するものではない。TSMCは現在も、工場のユーティリティー設備や精密機器、装置の設定値、仕掛かりウエハーなどについて、詳細な点検と影響評価を続けている。
半導体工場の設備は振動や電力供給、工場インフラの安定性に対して極めて敏感だ。建屋の安全が確認された場合でも、装置ごとに状態を確認し、安全性や製造条件を検証する必要がある。
このため、詳細な調査が完了するまでは、通常の生産能力が完全に回復したかどうかや、ウエハーおよび生産能力への損失の有無を判断できない状況だ。
建設現場に被害なし、余震に備え一部工事を中断
JASMの建設現場について、TSMCは今回の地震による被害は確認されていないと説明した。
一方、今後も余震が発生する可能性があることから、作業員の安全を確保するため、一部の建設工事を一時中断している。
今回の中断は予防的な安全措置であり、建設現場や建物の構造、施工設備が地震で損傷したことを意味するものではない。工事の再開時期は、今後の余震や現場の安全確認の結果を踏まえて判断される見通しだ。
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TSMCは中断している工事の具体的な内容を明らかにしていない。このため、今回の措置が熊本第2工場の建設日程に影響するかどうかは、現時点では判断できない。
















































