台湾積体電路製造(TSMC)の売上高がさらに過去最高を更新し、単月として初めて5000億台湾元(以下、元)の大台を突破した。TSMCが10日に発表した8月の連結売上高は約5148億600万元となり、前月比10.1%増、前年同月比53.3%増を記録した。単月の過去最高を更新するのはこれで4カ月連続となる。
今年1~8月の累計売上高は約3兆3868億7000万元で、前年同期比39.3%増となった。7月に第3四半期(7~9月)の好調な滑り出しを見せたのに続き、8月はさらに5000億元を突破したことで、市場では第3四半期の売上高が四半期ベースでも過去最高を更新するとの期待が高まっている。
TSMC、8月売上高5148億元で過去最高 4カ月連続で記録更新
TSMCの8月売上高は再び過去最高を更新し、5月以降続く増加基調を維持した。
ここ数カ月の推移を見ると、5月の売上高は4169億7500万元に達し、当時の単月最高を記録した。6月はさらに4426億8000万元まで増加し、第2四半期(4~6月)の売上高が四半期ベースで過去最高を更新する要因となった。
続く7月は4675億8000万元となり、第3四半期も好調な滑り出しとなった。8月には5148億600万元まで急伸し、単月で初めて5000億元を突破した。
TSMCは5月以降、4カ月連続で単月売上高の最高記録を更新しており、売上高の規模も4000億元台から5000億元台へと切り上がった。
7月の前月比5.6%増、前年同月比44.7%増に対し、8月は前月比10.1%増、前年同月比53.3%増と、伸び率もさらに拡大した。AI(人工知能)チップ、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)、先端プロセス、先端パッケージングに対する需要が、引き続き同社の売上高に反映されていることを示している。
第3四半期は最初の2カ月で9823億元 四半期ベースの最高更新も視野
TSMCの6月売上高が発表されたことで、第2四半期の売上高はすでに確定している。
4月の4107億2600万元、5月の4169億7500万元、6月の4426億8000万元を合計すると、第2四半期の売上高は約1兆2703億8100万元となり、第1四半期の約1兆1341億300万元から約12%増加し、四半期ベースで過去最高を更新した。
第3四半期に入ってからは、7月の売上高が4675億8000万元、8月が5148億600万元となり、最初の2カ月の累計売上高は約9823億8600万元に達している。
TSMCのここ数カ月の単月売上高がいずれも4000億元以上を維持し、8月には5000億元を突破したことを踏まえると、第3四半期に再び過去最高を更新する可能性は一段と高まっている。
ただ、市場は今後、9月の売上高が高水準を維持できるかを注視するとともに、AI関連顧客の調達ペース、先端プロセスの生産能力の配分、CoWoS(チップ・オン・ウェーハ・オン・サブストレート)など先端パッケージングの需給動向、さらに為替変動が売上高の換算に与える影響などを見極めていくとみられる。
1~8月累計売上高は3.38兆元突破 前年同期比39.3%増
累計売上高を見ると、TSMCの今年1~8月の売上高は3兆3868億7000万元に達し、前年同期比39.3%増となった。
3.3兆元を突破しただけでなく、前年同期比の伸び率も1~7月累計の37.0%からさらに拡大した。8月の売上高が単月の最高記録を更新しただけでなく、通年の累計売上高の伸びも押し上げていることを意味する。
上半期の売上高が前年同期比35.6%増だったのに対し、1~7月では37.0%増、1~8月ではさらに39.3%増へと拡大した。
前年同期の水準が高いにもかかわらず、下半期に入っても売上高の成長ペースが鈍化していないことを示している。
市場にとって、8月売上高の5000億元突破は、第3四半期の売上高が再び過去最高を更新する可能性が高まったことを示すとともに、通年の売上高成長が従来の市場予想を上回る可能性があるかどうかに、投資家の関心がさらに集まる要因となりそうだ。
AIと先端プロセス需要は引き続き堅調 市場は9月の高水準維持に注目
TSMCはこれまでの業績説明会で、AIの活用が生成AIや検索型の利用から、エージェントAIや「指示・実行型」へと移行しつつあると繰り返し指摘している。
これにより、大規模言語モデル(LLM)がテキストを処理する際のトークン消費量が増加し、演算能力や先端半導体への需要がさらに押し上げられている。
8月の売上高が再び過去最高を更新したことで、市場はこのAI需要が下半期も実際の出荷や売上高の成長につながり続けるかを注視している。
特に、TSMCの先端プロセスと先端パッケージングは、AIサプライチェーンの量産拡大を左右する重要な要素となっている。
3ナノメートルや5ナノメートルといった先端プロセスから、CoWoSなどの先端パッケージングの生産能力に至るまで、市場関係者の関心はすでに「単月売上高が過去最高を更新するか」だけではなく、この高い成長が第3四半期、第4四半期、さらには通年の業績を継続的に支えられるかどうかに移っている。
株価は安寄り後にもみ合い、反落 売上高発表前に市場は様子見
売上高は通常、取引終了後に発表されるため、この日の株価は8月売上高の公表を前に、世界のテクノロジー株の動向や短期的な高値圏での調整圧力を市場が先行して織り込んだものとみることができる。
TSMCの株価は下落して取引を終えたものの、下げ幅は比較的限定的だった。株価が高値圏にあることから、投資家が上値を追う動きには慎重さがみられる一方、AI需要と高水準の売上高に対する関心は依然として高い。
8月の売上高が正式に5000億元の大台を突破したことで、今後、株価が好調な業績を改めて織り込むかどうかは、第3四半期の売上高が過去最高を更新するか、通年の見通し、粗利益率の推移に対する市場の再評価にかかっている。
TSMCの8月売上高が再び単月の過去最高を更新したことで、第3四半期の売上高が最高記録を更新するためのより明確な基盤が整った。
今後は、9月の売上高が高水準を維持できるかどうかが、第3四半期の最高更新の幅を直接左右することになる。仮に9月の売上高がここ数カ月の水準を維持すれば、第3四半期の売上高は第2四半期の過去最高を上回るだけでなく、今年1~9月の累計売上高もさらに押し上げられる見通しだ。
市場のTSMCに対する焦点は、すでに「過去最高を更新するか」から「最高更新を継続できるか」へと移っている。
AIチップ、HPC、3ナノおよび2ナノの生産能力の配置、CoWoS先端パッケージングの需給、海外での生産能力拡大の進捗、粗利益率の推移はいずれも、市場関係者が同社の下半期の成長力を評価する上での重要な指標となる。
8月売上高の5000億元突破は、第3四半期に向けて力強いスタートとなった。次に控える9月も高水準を維持できるかどうかが、TSMCの四半期売上高が再び過去最高を更新するための最後の鍵となる。