トランプ米大統領は9日、テキサス州ダラスで開かれた共和党中間選挙大会で演説し、再び台湾の半導体産業に矛先を向けた。トランプ氏は歴代の米大統領を「愚かだった」と痛烈に批判し、半導体製造が台湾へ流出するのを放置してきたと指摘。輸入半導体に100%、さらには200%の関税を課せば、半導体製造を米国内にとどめることができると主張した。
歴代政権を痛烈批判 台湾製半導体への高関税を主張
ダラスで開かれた共和党中間選挙大会で、トランプ氏(Donald Trump)は自身の関税政策と国内製造業重視の姿勢を強く訴えた。
半導体大手インテル(Intel)を例に挙げ、「インテルは非常に優れた企業だ。だが問題は、過去の愚かな大統領たちが半導体製造が米国から流出し、台湾へ移るのを許してしまったことだ」と述べた。
トランプ氏は、歴代政権は関税という手段だけで問題を解決できたはずだと主張。「台湾が米国に半導体を売りたいなら、100%でも200%でも50%でも、どの水準でもいいから関税を払わなければならない。そうすれば製造業が米国から出ていくことは絶対になかった」と述べ、これまでの政策決定者の無能さが米国内の半導体産業を苦境に追い込んだと批判した。
「インテル救済」を自賛 10%出資で数百億ドルの利益と主張
演説の中でトランプ氏は、自らを「取引の達人」とする姿勢を改めて示し、インテル幹部が連邦資金の支援を求めてホワイトハウスを訪れた際のやり取りに言及した。
トランプ氏は、自分が相手に対し「米国にインテル株の10%を渡せば、問題を解決してやる」と直接持ちかけ、相手はその場で「取引成立」に同意したと主張した。
トランプ氏はさらに、この10%の株式がわずか数カ月で米政府に500億~600億ドルの評価益をもたらしたと主張した。
しかし、ブルームバーグ(Bloomberg)や金融アナリストらは、インテルの現在の時価総額とトランプ氏が主張する利益額には大きな隔たりがあると指摘し、この発言は選挙戦を意識した典型的な誇張表現だとしている。
自称「ウィーブ」話法を披露 選挙後に5000ドルの「トランプ配当」
トランプ氏は演説中、話題を何度も切り替え、外国要人を迎えるためホワイトハウスに建設中の防弾仕様の大宴会場にも言及した。
その後、再び経済の話題に戻ると、大きな選挙公約を打ち出した。関税と連邦投資によって国庫に多額の収入がすでに積み上がっているとした上で、共和党が来る中間選挙で上下両院の主導権を維持できれば、米国の成人市民全員に5000ドルの小切手を配布すると宣言し、これを「トランプ配当」と名付けた。
トランプ氏はこの給付について、利益を上げている企業が株主に配当を出すのと同じことだと形容した。
また、民主党について「関税を課さず、収入も得ない。彼らが知っているのは貧困だけで、金を稼ぐことができない」と批判した。
米メディアや経済学者の間では懐疑的な見方が広がっている。全米の成人人口約2億7000万人を基に試算すると、一律5000ドルの給付には約1兆3500億ドルの財源が必要になる。
トランプ氏は明確な財源や法的な実施の枠組みを示しておらず、連邦財政赤字が膨らむ中、この公約の適法性と実現可能性には大きな課題が残っている。
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編集:梅木奈実
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