フィリピンのギルベルト・テオドロ・ジュニア(Gilberto Teodoro Jr.)国防相は今週、ソウルで開かれた地域安全保障フォーラムでの通常の質疑応答を、北京との痛烈な応酬の場に一変させた。発言の最中に手渡された1枚のメモが、実は在韓中国大使館の駐在武官から届けられたものだったことが判明したためだ。
発言中に届いた1枚のメモ、外交上の応酬に
この一件は9月8日、第15回ソウル安保対話の最中に起きた。
テオドロ国防相が会場から寄せられた海洋安全保障と国際法に関する質問に答えていたところ、フォーラムのスタッフの一人が、フィリピン代表団からのものと思い込んだとみられるメモを、回答の途中でテオドロ氏に手渡した。
しかし実際には、このメモは在韓中国大使館の駐在武官から渡されたものだったと、アジアニュース・ネットワーク(AsiaNews Network)は報じている。

突然メモを渡されたテオドロ国防相は、明らかに苛立った様子でその内容を会場に向けて読み上げた。
「フロアから質問を受けている最中に、私宛てにこのような紙を回すのが適切なやり方なのか」と問いかけた上で、メモを送った中国側に矛先を向け、「少しは節度をわきまえてほしい。恥を知れ」と厳しく批判した。
テオドロ氏は、この行為は自身だけでなく、対話の主催国である韓国に対しても失礼にあたると述べたと、朝鮮日報(The Chosun Ilbo)は伝えている。
続いてテオドロ国防相が最も辛辣な言葉を向けたのは、中国側の主張そのものではなく、メモを自分に手渡した人物だった。「あなたはたった今、自国のために大きな貢献をした」と述べた上で、「ありがとう。そして、これであなたがグラーグ(強制収容所)送りにならないことを願う」と皮肉を込めて付け加えたと、聯合ニュース(Yonhap News Agency)は報じている。
中国、2016年の南シナ海仲裁判断を「違法で無効」と主張
メモの内容は、南シナ海に対する中国の広範な「九段線」の主張を退けた2016年の国際仲裁判断について、中国政府が従来から示してきた立場を改めて主張するものだった。
メモでは仲裁裁判所の判断について、「違法かつ無効で、価値のない紙切れにすぎない」とし、中国はその結果を「受け入れておらず、認めてもいない」と主張していた。

テオドロ国防相は動じず、「それはあなた方の主張だ」と応じた上で、明らかな皮肉を込めて「もちろんそうだろう。なぜなら、あなた方が負けたのだから」と付け加えた。
この応酬によって、マニラがほぼ10年にわたり決着済みとみなしてきた法的争いが再び浮上する形となった。北京は現在も仲裁判断の拘束力を認めていない。
テオドロ国防相「もはやグレーゾーンではない」
テオドロ国防相はこの機会を捉え、メモそのものへの批判にとどまらず、より広い範囲へと非難を広げた。名指しは避けつつ、大国が「小国を犠牲にして敵意と歯止めのない力を行使している」と非難し、フィリピンは「自国の領土や主権を犠牲にすることはない」と宣言した。

















































