南シナ海で活動を活発化させる中国の国防部(国防省)は2日、人民解放軍南部戦区が海空軍の兵力を動員し、台湾が「民主礁」と呼称し、領有権を主張する環礁、スカボロー礁周辺の領海、領空、および周辺海域において「戦備警戒巡航(パトロール)」を実施したと発表した。
これに対し、台湾外交部(外務省に相当)は同日夜に声明を発表し、中国軍が危険な飛行によって他国の航空機の正常な活動を妨害しようとしていると指摘。「安全性を欠く無責任かつ極めて挑発的な行為」として中国側を厳しく非難し、国際法および紛争の平和的解決の原則を順守するよう求めた。
南シナ海の中沙諸島に位置するスカボロー礁については、台湾が長期にわたり主権を主張している一方、中国とフィリピンも領有権を主張しており、それぞれ「黄岩島」「パナタグ礁」と呼称している。昨年8月中旬には、同環礁周辺海域で中国海警局(沿岸警備隊)の船舶がフィリピン沿岸警備隊の巡視船を高速で追跡した際、誤って中国海軍の駆逐艦と衝突し、中国側の関係者2名が死亡する事態が発生した。また、昨年9月に中国国務院(政府)が同環礁を「国家級自然保護区」に指定すると発表したことで、台湾とフィリピンから強い反発を招いた。
中国国防部は2日午前、戦闘機と軍艦が海域を旋回する映像を公開。映像には、ミサイルを搭載した戦闘機が中国語と英語の双方でフィリピン機2機に対して警告を発する様子が収められていた。これについて中国国防部は、人民解放軍南部戦区が9月2日に海空の兵力を動員し、スカボロー礁の領海・領空および周辺海域で「戦備警戒巡航」を実施したと説明した。また、8月以降、南部戦区の部隊は海空の兵力を投入し、同環礁領海の周辺海域におけるパトロールと警戒活動を継続的に強化しており、関連海域の管理、統制力を一段と高め、あらゆる「主権侵害や挑発」行為に対して強力かつ効果的に対応すると強調した。
台湾外交部:中国軍の「戦備警戒巡航」は他国機への危険な妨害行為
これに対し、台湾外交部は同日夜に発表した声明で、中国軍が台湾のスカボロー礁および周辺の海空域でいわゆる「戦備警戒巡航」を行い、危険な飛行を通じて他国機の正常な活動を妨害しようとしたと指摘。「安全性を欠く無責任かつ極めて挑発的な行為だ」と、中国側を強い言葉で非難した。同部はまた、南シナ海において、いかなる当事者であっても一方的で違法な権益拡大、グレーゾーン事態を悪用した威圧、軍事拠点化、その他平和を乱す行動を取ることに一貫して反対する立場を強調した。
さらに台湾外交部は中国に対し、地域諸国が共有する平和と安定への期待に応えるため、国際法および紛争の平和的解決の原則を順守するよう求めた。加えて、台湾は理念を共有する国々や地域のパートナーと協力し、南シナ海の平和と安定、航行と上空飛行の自由、そして自由で開かれた平和的かつ安定した国際秩序を引き続き共同で維持していく方針を改めて表明した。
なお中国人民解放軍南部戦区は8月下旬、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国がフィリピンで会議を開き、「南シナ海行動規範(COC)」の策定に向けた協議を進めていた最中に声明を発表。フィリピンの無人機3機が8月21日、「中国政府の許可を得ずに黄岩島の領空へ不法侵入した」と非難した。中国人民解放軍南部戦区空軍の李健健報道官は当時、「フィリピン側の行動は中国の主権を著しく侵害するものであり、誤解や誤算を極めて招きやすい」と指摘した上で、「フィリピン側に対し、主権侵害と挑発行為を直ちに停止するよう警告する」と主張し、波紋を呼んだ。
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編集:平松靖史


















































