台湾国防部、5カ年兵力整備計画を公表 AI・C5ISR強化、中国軍の渡海・上陸阻止へ
台湾国防部は31日、2027年度防衛予算書、「5カ年兵力整備・施政計画報告書」、「中共軍力報告書」などの関連文書を立法院に提出した。(資料写真/顔麟宇撮影)
台湾国防部(国防省)は31日、2027年度予算案、5カ年兵力整備・施政計画報告書、中国の軍事力に関する年次報告書「中共軍力報告書」を立法院(国会に相当)に提出した。国防部はその中で、将来的にC5ISR(指揮・制御・通信・コンピュータ・戦闘・諜報・監視・偵察)システムとAI(人工知能)支援意思決定システムを持続的に強化すると説明。長距離精密兵器や非対称戦用の各種装備を組み合わせ、ハイテク技術による「キルチェーン(攻撃目標の特定から破壊に至る一連の手順)」を構築し、「(敵の)多領域(マルチドメイン)阻止、重層的弱体化」の目標を貫徹するとの方針を示した。
国産ミサイル「強弓」や潜水艦救難艦の建造を追加
5カ年兵力整備の重点について国防部は2つに区分して説明している。1つ目は「自主国防」の考えに基づく調達で、新型装輪戦闘車や装輪戦車の調達など29の重点項目を明記した。高い機動力、火力、装甲防護力を活用し、作戦部隊と連携して敵軍の進攻を遅滞、弱体化させ、作戦任務の遂行を確保するとしている。
さらに国防部は、潜水艦救難艦を建造して潜水艦救助能力を構築し、自力での救助能力を確保するとともに、平時における水中戦場環境の管理能力を強化することにも言及した。また、次世代の給油・弾薬補給艦を建造し、艦隊の海上機動配備に伴う補給ニーズを確保して、海上交通路の維持や持久戦に関する機能を充実させる方針だ。このほか、敵艦艇の航行による脅威を弱め、防衛作戦に有利な態勢を構築することを目的とし、高速機雷敷設艇の建造を進める。同時に、新型戦闘艦艇の建造や既存艦艇の性能向上を図り、防空・対潜能力を強化して海上作戦任務に対応する考えだ。
加えて国防部は、中距離弾道ミサイル「天弓4型」(強弓)など迎撃ミサイルを調達し、「台湾の盾」となる多層的かつ高効率な防空火網を構築することで、重要施設や軍事目標、国民の安全を保護するとしている。
さらに、新型の弾薬搭載車を導入して旧式装備を更新し、各種軍用機への迅速な兵装搭載を支援して作戦効率を全体的に向上させる。加えて、ソフトキル・ハードキル両用の対ドローンシステムを調達し、防空システムと連動させることで「台湾の盾」を構築。敵の戦術弾道ミサイル、巡航ミサイル、戦闘機、無人機などの脅威を効果的に無力化する。また、新興技術の獲得に向けた台米共同開発や連携装備の調達を進め、作戦のレジリエンス(強靱性)や非対称戦力を強化すると説明した。
陸軍「無人機訓練指揮部」と海軍「沿岸作戦指揮部」を新設
5カ年兵力構造の調整について国防部は、地域の安全保障情勢を考慮し、敵対勢力の脅威に対応するため、将来の戦闘形態を見据えていると述べた。国防資源の配分、兵器装備の調達スケジュール、兵役制度の調整を通じて、ドローンなど新型兵器・装備の導入や更新を推進。
無人機訓練を指揮する「陸軍無人系統訓練指揮部」や、「海軍沿岸作戦指揮部」、海軍陸戦隊(海兵隊)の無人機大隊と火力大隊、空軍のMQ-9B無人機部隊の新たな編成など、国軍の兵力構造再編を順次完了させている。これにより、近代化された専門的かつ質の高い部隊を構築し、軍組織の編制効果を最大限に発揮させる狙いだ。
国防部によれば、部隊全体の作戦効力を持続的に強化し、非対称戦力と防衛のレジリエンスを向上させる。主力部隊、守備部隊、予備役部隊の組織構造、編制計画、装備配備、訓練方法を改良し、「人力からテクノロジーへの代替、伝統的兵力から火力への代替」を掲げている。さらに、各種無人システムや意思決定へのAI支援など新興技術の導入を進め、人的負担を軽減する方針だ。
国防部はまた、主力部隊における新型装備の順次配備に合わせ、老朽化した装備や将来の戦場ニーズに合致しない装備の退役を並行して検討し、部隊の人員編成を調整すると強調した。守備および予備役部隊については、各作戦区における実際の作戦シナリオ上のニーズ、予備役動員の管理状況、戦力回復上の制約と戦力発揮の要件に基づき、各種装備の配備を見直す。同時に編成構造を調整することで、部隊の機動力と打撃力を強化し、防衛作戦における即応戦力を構築する構えだ。
今後の計画に関して、軍事投資の分野で国防部は次のように述べている。中国によるグレーゾーンでの挑発行為や合同軍事演習といったハイブリッドな脅威に対処するため、台湾軍は引き続き革新的なテクノロジーを導入する。自主開発、既存装備の調達、米国からの調達などの多様なルートを組み合わせ、重要な戦力装備を確保する。
既存の沿岸配備および空中監視システムを通じて敵の動向を追跡するほか、今後はC5ISRシステムやAI支援意思決定システムを持続的に強化する。さらに各種長距離精密兵器や非対称戦用の装備を組み合わせることで、ハイテクキルチェーンを構築。「多領域阻止、重層的弱体化」の目標を貫徹し、中国軍の海上渡航から上陸に至る各作戦段階を効果的に阻止・遅滞させ、撹乱し、相手に多大な代償と時間を強いることで抑止力を形成するとしている。
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