台湾とフィリピンの沿岸警備機関による協力が深まりつつある。フィリピン側からは近年、重要な沿岸警備関係者が行政院(内閣)海洋委員会の主要な年次国際フォーラムへの参加を予定するなど、台湾との接点が広がっている。台湾の海巡署(沿岸警備当局)も、海巡連絡官をフィリピン、インドネシア、タイに相次いで派遣しており、今後はベトナムやインドにも拡大する可能性がある。
こうした動きは、台湾と東南アジア、南アジア諸国との関係が、沿岸警備分野、さらには海洋ガバナンスの分野でも一段と深まる可能性を示している。
海洋委員会の主要国際フォーラム、フィリピン関係者の参加に変化
行政院海洋委員会は2020年から「台湾海洋国際フォーラム」を毎年開催しており、今年で6回目を迎えた。フィリピン政府関係者は以前から同フォーラムに参加していたが、2025年以降、その動きには明確な変化がみられる。
台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の過去の報道によると、2025年4月、フィリピン大統領府は行政覚書を発出し、過去35年間にわたってフィリピン政府関係者と台湾との交流に課してきた厳格な制限を緩和した。
新制度では、大統領、副大統領、外相、国防相を除く政府関係者について、一般旅券を使用し、公式な肩書を用いないことを条件に台湾への訪問が認められるようになった。

新制度の施行から2カ月余りが経過した昨年の台湾海洋国際フォーラムには、各国からの参加者に交じり、フィリピンの現職政府関係者3人が出席した。
フィリピン沿岸警備隊(Philippine Coast Guard、PCG)の西フィリピン海担当報道官ジェイ・タリエラ(Jay Tarriela)氏、フィリピン海軍の西フィリピン海担当報道官ロイ・ビンセント・トリニダード(Roy Vincent Trinidad)少将、フィリピン国家安全保障会議(NSC)のミシェル・アンドレ・P・デル・ロサリオ(Michel Andre P. del Rosario)副長官である。
3人はいずれもフィリピンの学者や専門家として出席した。ただ、トリニダード少将はフォーラムで、フィリピン政府が近年、防衛外交の推進に強い姿勢を示しており、海洋問題をめぐる地域諸国との協力もその一環だと説明。これが自身やタリエラ氏をはじめとするフィリピン側代表が参加した理由だと述べた。
今年の台湾海洋国際フォーラムでは、フィリピン沿岸警備隊のタリエラ氏は台湾を訪れなかったものの、当初はオンラインで参加し、南シナ海で中国側が展開するさまざまなグレーゾーン行動にフィリピンがどのように向き合っているかを説明する予定だった。しかし、諸事情により実現しなかった。
主催者側によると、タリエラ氏は、中国によるグレーゾーン行動に最前線で対応するフィリピン側の主要人物の一人だ。
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中国海警や海上民兵による危険な進路妨害、補給活動への干渉などを、映像の公開や迅速な記者会見、国際メディアを通じて発信する「透明化戦略」によって、グレーゾーンで起きていることを国際社会に「見える形」で示している。



















































