ネパールと中国チベット自治区の国境を接する山岳地帯で26日早朝、大規模な鉄砲水と土砂崩れが発生した。濁流が瞬く間に複数の村をのみ込み、主要道路や電力インフラが寸断された。ロイターによると、ネパール側では27日までに少なくとも162人の死亡が確認された。ネパールの観光当局者によると、579人の観光客が行方不明となっており、このうち400人以上が外国人だ。地元当局は、死者数が今後さらに増える可能性があるとしている。
氷河の岩石と氷が崩落、大規模洪水を引き起こす
災害が発生したのは、ネパールの首都カトマンズの北部に位置するラスワ(Rasuwa)郡である。
米地質調査所(USGS)は当初、カトマンズの北約66キロの国境地帯でマグニチュード(M)4.4の地震が発生したと発表した。しかし、その後の分析で、観測された地震波は地震によるものではなく、氷河の岩石や氷が大規模に崩落し、その後に土石流が発生した際に生じたものだったと修正した。
崩落した岩石や氷、大量の土砂や水が下流へ押し寄せ、大規模な洪水を引き起こしたとみられている。
英BBCの検証チーム(BBC Verify)がSNS上に投稿された映像を分析したところ、被災地はカトマンズの北西約25キロに位置するバグマティ州ヌワコート郡トリシュリ・バザール(Trishuli Bazaar)地区周辺であることが判明した。
映像には、普段は穏やかなトリシュリ川が急激に増水し、大量の土砂と巨石を含む濁流が猛烈なスピードで下流へ押し寄せる様子が映っていた。動画の再生開始から約40秒後には、洪水が橋脚を直撃して橋が崩壊し、その数秒後には沿岸の複数の建物も一気に倒壊する様子が確認された。




19の橋と約40キロの道路が流失、外国人巡礼者も多数不明
AP通信の報道によると、被災地域では複数の村落や水力発電施設、両国の国境検問所が被害を受け、19の橋や約40キロに及ぶ道路が流失した。倒壊を免れた住宅も大量の土砂に覆われているという。
カトマンズで物流会社を経営する中国人実業家は、災害現場周辺にあった、ネパール人従業員が運転するコンテナ車7台との連絡が途絶えていると明らかにした。
「現地では通信が完全に途絶えている。事前の警報は一切なく、今回の被害は過去の雨季に発生した土砂災害とは比較にならないほど深刻だ」と話している。
ロイターによると、ネパールの観光当局者は27日、行方不明となっている観光客が579人に上り、このうち400人以上が外国人だと明らかにした。
これまでに明らかになっている行方不明者には、チベットのヒンドゥー教聖地カイラス山へ巡礼に向かっていたインド人133人のほか、米国人47人、オーストラリア人34人、英国人33人、カナダ人24人が含まれる。
このほか、マレーシア、韓国、ロシア、南アフリカなどから訪れていた観光客や関係者も行方不明となっている。
日本政府によると、ツアーに参加していたとみられる日本人5人とも依然として連絡が取れていない。在ネパール日本大使館は現地当局に捜索・救助を要請しており、外務省は邦人保護や情報収集に当たる海外緊急展開チーム(ERT)の要員派遣に向けた準備を進めている。






















































