【李忠謙コラム】トランプ氏、米韓演習を11日間から5日間に短縮 台湾に突きつける「同盟の不確実性」
8月14日、トランプ米大統領はニューヨーク州ガーデンシティにあるデビッド・マック訓練・情報センターで演説を行った。(AP通信)
ドナルド・トランプ米大統領はこのほど、(今月17日から実施された)米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」の規模を大幅に縮小するよう指示し、11日間の予定が5日間に短縮された。さらに米国側は、9月に予定されていた米韓水陸両用上陸訓練「双龍(サンヨン)」の中止も決定した。
これに加え、トランプ氏が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と歩調を合わせ、米韓合同演習に対して批判的な姿勢を示したことで、日米韓の戦略コミュニティに波紋が広がっている。米政府が個人による外交を制度化された同盟国との約束よりも優先し、他地域での軍事力消耗を理由にインド太平洋地域での展開を圧縮する中、トランプ氏の決定は単なる定例演習の延期に見えるものの、実質的には同地域の抑止力形成の基盤を揺るがすものと言える。
米シンクタンクのアトランティック・カウンシルや戦略国際問題研究所(CSIS)の複数の戦略専門家は、合同演習の縮小を北朝鮮を交渉のテーブルに引き戻すための「善意のカード」として利用したり、中東における同盟国の協力度と結びつけるなどの手法について、同盟国の常態的な軍事態勢を政治化し、取り引きの道具にするものだと指摘している。実戦に向けた軍事態勢がいつでも譲歩可能なカードと見なされれば、拡大抑止の信頼性は著しく低下する。
CSISのビクター・チャ韓国部長は、米韓同盟のメカニズムは短期的な動揺には耐え得るかもしれないが、米国が示した不確実性や、インド太平洋地域における戦力の「戦略的柔軟性」を巡る一方的な解釈により、米国が「複数の戦闘地域に同時に対応する」ための実質的な能力に、アジアの同盟国が疑念を深めていると分析した。
韓国の戦略分野における反応はさらに厳しい。韓国のシンクタンク、世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)副所長は、トランプ氏と金氏がトップ対話を再開すれば、再び主要な合同演習が一方的に中止される可能性が高く、さらには緊密な二国間協議がないまま在韓米軍の規模が調整される恐れもあると警告した。また、韓国国防研究院(KIDA)研究員の柳智勳(ユ・ジフン)氏は、演習の突発的な縮小は、戦時作戦統制権(OPCON)」の米韓連合司令部から韓国軍への移管に向けた評価プロセスを直接的に妨げ、米国が長年同盟国に求めてきた「防衛費分担金」の問題を予測困難な泥沼状態に陥らせると指摘している。
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韓国・峨山(アサン)政策研究院の専門家はさらに踏み込み、中東での戦闘によって米軍兵力がインド太平洋地域から引き抜かれる中、米国防総省による制度的な保証が、ホワイトハウスの個人的な決定を本当に抑制できるのか、各国が疑念を抱き始めていると言及した。日本の読売新聞の社説も同様の見解を示しており、軍事演習の大幅な縮小は、北朝鮮に対する実質的な抑止力を削ぐだけでなく、中国に対しても、米軍が「第一列島線」(九州~沖縄~台湾~フィリピン)における即応態勢を低下させたという誤ったシグナルを送り、日本を含む北東アジア全体の戦略的均衡を揺るがすものと論じている。
2018年にシンガポールで開催された米朝首脳会談の前後を振り返ると、米政府は「軍事的自制による外交空間の確保」を理由に、米韓の大規模軍事演習を中止した。歴史が証明しているように、北朝鮮はそれに見合った自制で応じることはなく、むしろ米国の戦略的意志を後退させる突破口と見なした。現在の厳しい局面は、米軍が精密誘導兵器、防空迎撃資源、空母打撃群、および海兵隊の展開において実体的なリソース不足に直面している点にある。「演習の縮小」はもはや単なる外交的ジェスチャーではなく、世界的に米軍の戦力が不足している現実の投影だと言える。
米政府の同盟国に対する姿勢の変化は、米韓相互防衛条約を結び、数万人の米軍兵士が駐留する韓国であっても、米軍との即応訓練が交渉のカードに成り下がり、トランプ氏によって突然中止され得ることが明らかとなった。そうであれば、「台湾関係法」と各種の行政上の約束のみで維持されている台湾海峡の安全保障は、将来の米政府の意思決定により、決定的な瞬間に大国間競争の交渉材料として扱われないとの保証はない。このような「戦略的不確実性」の急激な高まりこそ、台湾が直面する最も深刻な危機だ。
さらに、米軍が複数の戦闘地域で大量の弾薬を消費していることは、軍事資源のゼロサム的な現実と、インド太平洋地域の紛争へ即時介入する能力の限界を露呈している。米軍のインド太平洋地域における展開の余地が、中東での戦闘によって削がれれば、台湾海峡での有事対応に必要とされる時間と地理的奥行きはさらに狭められることになる。米韓の軍事協力における相互不信が高まれば、中国、北朝鮮、ロシアの軍事連携をけん制する能力が低下するだけでなく、西太平洋における米軍の迅速な対応のリズムが直接的に削がれることになる。中国にとって、米軍がインド太平洋地域での抑止姿勢を後退させれば、人民解放軍の戦略的迂回攻撃や圧力をかける空間が自然と拡大することになる。
さらに深刻なのは、米韓演習におけるトランプ氏の譲歩が、中国による台湾への認知戦(情報戦)に間違いなく格好の材料を提供したという点だ。「今日のソウルは、明日の台北」「米国は最終的に台湾を見捨てる」といった言説がさらに広がる可能性が高い。前線での軍事交流や情報共有が継続されているとはいえ、最高指導部の政治的意志の不透明さと一貫性の欠如は、台湾社会の防衛同盟国に対する信頼を実質的に蝕み、内部の政治的分断を拡大させるだろう。特に米政府において、個人の意志が制度や条約を凌駕し、実利的な取引が戦略的原則に取って代わり得るという傾向が示された場合、中国はこの取り引きのロジックが台湾海峡でも通用するかを必ず試してくるとみられ、グレーゾーン攻撃や政治的圧力を強める余地を拡大させることにつながると言える。
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