【舞台裏】鄭・習会談後、国民党に台湾企業の陳情殺到 「一貫道」救援は約100件、中国公安が警戒

2026年4月10日、国民党の鄭麗文主席(左)は中国の習近平国家主席(右)と北京で会談した。会談後の12日には、中国側が両岸交流の促進を目的とする10項目の政策措置を発表した。(資料写真/中央社提供)
2026年4月10日、国民党の鄭麗文主席(左)は中国の習近平国家主席(右)と北京で会談した。会談後の12日には、中国側が両岸交流の促進を目的とする10項目の政策措置を発表した。(資料写真/中央社提供)

台湾の最大野党・国民党の鄭麗文主席は就任後、両岸(中台)交流を継続的に推進している。4月10日には北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席と正式に会談した。

「鄭・習会談」を経て、中国側は12日、両岸交流の促進を目的とする10項目の政策措置を発表した。国民党はこれを会談の成果の一つと位置づけ、以降も代表団を中国本土へ派遣するなど、両岸交流を進めている。

こうした中、あまり知られていない事実がある。国民党と中国本土の対話が再開して以降、各地の台湾企業関係者(台商)や台湾人が中国本土で直面するトラブルの相談が、同党に殺到しているのだ。

その中には、中国刑法第300条違反の疑いで捜査を受けた台湾の宗教団体「一貫道」信徒の救援要請も含まれる。だが国民党は、この一貫道関連の救援対応で難航を極めているという。その背景を追った。

2026年8月21日、「歴史を語り親に寄り添う」プレミア上映会が立法院群賢楼で開催。写真は国民党主席・鄭麗文氏(中央)、同党立法委員・羅智強氏(左)。(劉偉宏撮影)
鄭麗文氏(右端)と習近平氏の会談後、国民党には台湾企業関係者からの陳情が相次いで寄せられた。(資料写真/劉偉宏撮影)

習近平氏との会談後、支援要請が「殺到」

​台湾で初の政権交代が起き、民主進歩党(民進党)の陳水扁氏が総統に就き国民党が初めて野党に転落した際、国民党は独自に台湾企業関係者への支援業務を始めた。

その後、馬英九氏が政権を奪還した期間中、この業務は本来の枠組みに戻り、海峡交流基金会(海基会)が担当するようになった。

2016年の総統選挙で国民党は再び野党となり、呉敦義氏が党首に就任した。呉氏は中国側との間で台湾企業支援業務の再開を望んだが、中国側が同氏の路線に疑念を抱いていたため実現しなかった。

続く江啓臣氏、朱立倫氏の両主席は親米路線を強めていたため、台湾企業との接触はあったものの、支援業務の積極的な再開には至らなかった。

台湾企業向けの支援業務は、鄭氏が主席に就任して初めて正式に再開された。「鄭・習会談」以降、支援要請の案件は急増しているという。

2000年、陳水扁氏と呂秀蓮氏の総統就任式。(総統府公式サイト)
台湾で初の政権交代が実現し、民進党の陳水扁氏(左)が政権を握った後、両岸関係が悪化する中で、国民党は台湾企業向けの支援を始めた。(総統府公式サイトより)

王滬寧氏、宋涛氏と事前合意 国共は「党対党」の対話へ

関係者によると、「鄭・習会談」に先立ち、国民党は上海で中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)主任の宋涛氏と会談した。その後、両岸シンクタンクフォーラムを開催している。

さらに中国人民政治協商会議全国委員会(全国政協)主席の王滬寧氏とも会談し、その際に台湾企業支援業務の再開が合意されていたという。会談後、各地の台湾企業から寄せられる支援案件は数え切れないほどに上っている。

各地の台湾企業は、国民党関係者に対し、中国の各省レベルの台湾事務弁公室、あるいは中央の国台弁との調整を依頼してきた。ルートが多岐にわたったため、最終的に国民党と中国共産党は「党対党」の対話枠組みに戻すことで合意したという。

現在の国民党大陸事務部主任、張雅屏氏は海基会の理事も務めている。海基会との意思疎通に問題はなく、双方の連携が円滑に行われているもようだ。

関係者によれば、すでに数百件に上る台湾企業の支援案件で中国側との調整が進んでいる。台湾企業と中国の国有企業間の商業トラブルは、ほぼすべて解決可能だという。ただし民間企業間のトラブルは、引き続き法的手続きを踏む必要がある。

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