台湾有事より先に日本有事も、元立法委員が分析する日米中台巡る情勢の変化

2026-07-27 14:35
2027年の台湾海峡危機について立法委員の郭正亮氏は、地域紛争の発火地点が台湾海峡から南西諸島海域へとシフト、先に「日本有事」が起こり得ると指摘した。写真は日本の高市早苗首相。(資料写真/AP通信)
2027年の台湾海峡危機について立法委員の郭正亮氏は、地域紛争の発火地点が台湾海峡から南西諸島海域へとシフト、先に「日本有事」が起こり得ると指摘した。写真は日本の高市早苗首相。(資料写真/AP通信)

米インド太平洋軍(INDOPACOM)の元司令官、フィリップ・デービッドソン(Philip Davidson)氏は2021年に行った戦略上の提言の中で、「台湾は明らかに中国の野心の一部であり、その脅威は今後10年、あるいは6年(2027年)以内に顕在化する可能性がある」と警告した。これに関連して、台湾の元立法委員(国会議員)、郭正亮氏はこのほど、インターネット番組『大大平評理』に出演した際、2021年から現在に至る東アジア情勢の変化を分析し、台湾有事よりも先に「日本有事」が発生する可能性があるとの見解を示した。

郭氏は、台湾周辺における中国軍機の活動頻度が最近、急激に低下している一方、日本をけん制する動きは活発化しているが、これは、台湾海峡で武力衝突が発生した場合、日本が必ず介入してくると中国側が判断しているためだと指摘する。中国は現在、米国が戦争に介入しないようにするための戦略を練っており、「(中国は)米国が日米安全保障条約に基づく行動が取れないぎりぎりのラインを計算して行動するだろう」と分析。米国に対して「果たして介入する価値があるのか」と考えさせる狙いがあると説明した。

郭氏はさらに、2027年には中国による武力統一の客観的条件が整うと指摘した。同年は台湾の頼清徳総統が2期目を目指す時期であると同時に、習近平・中国国家主席の4期目が始まる節目でもある。また、足元では米国の弾薬備蓄が不足しているとの懸念もあり、これらの要因から2027年に台湾海峡で衝突が発生する可能性は高いとの認識を示した。一方で、ここにきて二つの撹乱要因が浮上していると述べ、第一に、トランプ米大統領が台湾を取引材料として、中国との間で戦略的安定関係の構築を図る可能性が出てきたこと、第二に、日本が突如として台湾海峡問題に積極的な関与を示し始めたことで、これは中国にとって想定外の事態だと指摘した。

郭氏は、従来の「米中台」による三角関係に加えて、新たに「日中台」の三角関係が形成されており、その両方が日米安全保障条約を通して連動していると分析。そのため中国は、米国に介入の必要性を感じさせないまま、いかにして日本に代償を払わせるかについて計算を始めているという。その結果、地域紛争の発火地点が台湾海峡から南西諸島周辺海域へと移行し、いわゆる「日本有事」が先行して発生する可能性が出てきたと論じている。

郭氏によると、中国にとって台湾が和平交渉に応じることが最善のシナリオだが、頼氏は対話に消極的であるため、台湾を対話のテーブルに着かせるには、より多くの台湾人に「外部勢力(日本)への期待を断念」させる必要がある。こうした状況下において、日本側の最適解は米国を戦争に巻き込むことである。しかし米国は、日本を「安全保障同盟を結んだウクライナ」程度にしか見なしておらず、すでに「第一列島線」(九州~沖縄~台湾~フィリピン)における軍事バランスが米軍に不利となっている現状から、日中間の武力衝突には直接介入しないだろうとの見通しを示した。

編集:平松靖史

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