放送批評懇談会が2026年6月度ギャラクシー賞月間賞を発表 テレビ部門で「銀河の一票」など4作品を選出
放送批評懇談会が2026年6月度ギャラクシー賞月間賞を発表し、「上田と女がDEEPに吠える夜2時間SP」や「銀河の一票」など、現代社会の課題やメディアのあり方に鋭く切り込んだテレビ部門の優秀作4作品が選出された。(写真/放送批評懇談会提供)
NPO法人放送批評懇談会は21日、日本の放送文化の質的な向上を願い、優れたテレビ、ラジオの番組、関係者を顕彰する「ギャラクシー賞」の2026年6月度月間賞(テレビ部門)を発表した。今年で64年の歴史を誇る同賞では、テレビ部門の活動の一環として毎月自主的に推奨する番組を月間賞として選定しており、今月は独自の視点や深い取材で社会に切り込んだ4作品が選出された。
女性の悩みや沖縄戦の住民虐殺に迫る
日本テレビ放送網の「上田と女がDEEPに吠える夜2時間SP『産後うつ&女性政治家のリアル&ルッキズム』」(6月1日放送)は、生理のつらさやシングルマザーなど女性のリアルな悩みを取り上げる深夜番組が、2時間スペシャルとしてゴールデンタイムに登場した作品である。
「女性政治家のリアル」のテーマでは与野党の女性国会議員が共演し、党派を超えたシスターフッドが垣間見えた点が評価された。深夜枠に比べるとディープさが抑えられていた感はあるものの、バラエティ番組でこうしたテーマを取り上げた功績は大きいと評されている。
テレビ朝日の「テレメンタリー2026『虐殺のレリーフ-スパイと見なされて-』」(6月20日放送)は、沖縄県久米島で長くタブーとされてきた沖縄戦当時の住民虐殺について、当時を知る人や遺族の声を丹念に拾いながら明らかにした番組である。スパイ防止法の議論が進む中、改めてこの出来事を深く取材して取りまとめ、世に問うたことが非常に意義深いとされ、取材が難しい内容を根気強く取り上げた制作者へ敬意が表された。
水俣病報道と選挙ドラマを高く評価
日本放送協会の「ETV特集『患者さんの痛み 写真家の葛藤~水俣病 公式確認から70年~』」(6月27日放送)は、水俣病が抱える大変重い問題にとどまらず、社会的重大事件を報道するメディアのありようを深く内省した真摯な考察が評価された。地元漁民の男性による「水俣病の写真はモノクロばかり、色を抜くという着色をしているように見える」という言葉が、報道における誘導性の無自覚さを明確に射抜いていると選評で挙げられている。
関西テレビ放送とMYRIAGON STUDIO制作の「『銀河の一票』」(4月20日~6月29日放送)は、選挙を描きながらも政局ゲームや巨悪との戦いとして描かず、あくまで小さな声を拾っていく過程として描いた点が秀逸と評価された。「ドラマの駒」のような悪役がいないことも、誰も取りこぼさないという本作の一貫したテーマと合致しており、抜群のキャスティングでまさしく「きれいなこと」を体現したドラマだと称賛されている。
2027年6月の贈賞式で年間各賞を発表
ギャラクシー賞テレビ部門では、この日常視聴に基づく月間賞と、各社からの応募作品を併せて審査を重ね、毎年の受賞作を決定する。2027年6月上旬に開催予定の贈賞式にて、大賞をはじめとする各賞が決定、表彰される予定である。なお、今回の選考に関する詳報は、8月6日発売の月刊誌「GALAC」2026年9月号に掲載される。
放送批評懇談会は1963年の発足以来、評論家、ジャーナリスト、マスコミ研究者などを会員として各種の活動を展開している。放送専門誌である月刊「GALAC」の編集・発行や、「ギャラクシー賞」の選考・運営、メディア界の動きを解説するセミナーやシンポジウムの開催などを行っている。過去の受賞作に関しては、作品名や放送局、受賞理由などを網羅した公式の「ギャラクシー賞データベース」にて確認できる。
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