AI(人工知能)の波が世界を席巻し、各国が半導体やAI、人材資源を巡る競争を繰り広げる中、台湾の次なる競争力はどこに見出されるべきか。台湾玉山科技協会は21日、第13期第1回会員代表大会を開催し、同協会理事長・童子賢(トン・ズーシエン)氏と台湾総統・頼清徳(ライ・チントー)氏がそれぞれ異なる視点からその将来像を示した。
童氏は、技術は実験室だけにとどめず、法律、金融、ベンチャーキャピタルなどを含む幅広い産業生態系と結び付けることで、初めて革新的なアイデアを世界市場へ送り出せると強調した。
一方で頼氏は、近年の台湾の経済成長と国際競争力を支えているのは民主制度と教育だと指摘。政府として教育機会の平等と人材育成を推進し、台湾の将来の競争力を支える基盤にすると表明した。
同日開催された会員代表大会は童氏が進行を務め、産官学および研究機関から約400人が出席した。頼氏による来賓挨拶に加え、中央研究院院長・陳建仁(チェン・チエンレン)氏が「世界情勢の変化における台湾の強靱性――科学技術、健康、持続可能なガバナンス」をテーマに基調講演を行った。
また、台湾を代表する伝統演劇団「明華園戯劇総団」の看板俳優、孫翠鳳(スン・ツイフォン)氏も「百年の劇団――次の世代へどう進むか」と題して講演。科学技術、統治、文化の三つの側面から、国際環境が変化するなかで台湾が進むべき方向を探った。
童子賢氏「分野を超えた連携でアイデアを産業に」
童氏は、台湾玉山科技協会が設立から36年を迎えたことに触れ、同協会は知識の共有や会員同士の交流にとどまらず、世界の華人系テクノロジー起業家や企業経営者、投資家を結ぶ重要な架け橋になっていると述べた。
その上で、知識が書斎やオフィス、研究室の中にとどまっているだけでは、具体的な成果には結び付かないと指摘した。革新的な発想を実社会で活用するには、包括的な産業生態系が欠かせないとの考えを示した。
「もし科学技術が書斎、オフィス、会議室、あるいは研究室に留まるのであれば、知識は頭の中に留まったままだ」と童氏は語った。
研究者が新たな構想を生み、研究室で試作品を完成させた後も、知的財産権、国際法務、金融、財務、会計、ベンチャーキャピタルなど、さまざまな分野の支援が必要だと説明し、こうした連携があってこそ、技術を具体的な製品やサービスへ発展させ、世界市場に送り出せると説明した。
台湾のテクノロジー産業が長年にわたり急速に発展してきた背景にも、分野を超えた連携があると指摘。協会の役員や会員が、科学技術、学術、金融、法律、ベンチャー投資など幅広い分野で構成されているのも、台湾産業の国際競争力をさらに高めるためだと語った。 (関連記事: 【台湾政界の舞台裏】頼清徳氏、2028年見据え党内基盤固め 全代会前に進めた「先手」とは | 関連記事をもっと読む )
台湾の競争力は世界4位 産業界にさらなる連携訴え
協会の名称の由来に触れ、童氏は台湾最高峰の山である「玉山」が台湾のアイデンティティと卓越性を追求する精神の象徴であると説明した。玉山は台湾のみならず、東アジアの最高峰でもあり、台湾が今後、科学技術以外のあらゆる分野においても卓越性を追求し続けることへの願いが込められているという。


















































