皇族数の減少に対応する「皇室典範等の一部を改正する法律」が7月17日、参議院本会議で可決、成立した。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持できるようにするほか、戦後に皇籍を離れた旧宮家の男系男子を、現在の皇族が養子として迎える制度を新設する。
皇室典範が実質的に改正されるのは、1947年の施行以来初めて。改正法は公布から3カ月後に施行される。
一方、皇位継承を「皇統に属する男系の男子」に限る現行の原則は維持され、女性天皇や女系天皇は今回の改正対象に含まれなかった。
女性皇族、結婚後も皇族の身分を保持
改正法では、内親王と女王が皇族以外の男性と結婚した場合、皇族の身分を離れると定めた皇室典範第12条を削除した。これにより、女性皇族は結婚後も皇族としての身分を保持し、公務を続けることが可能になる。
女性皇族と結婚する男性や、結婚後に生まれた子どもは一般国民のままで、皇族の身分は取得しない。
また、改正法の施行時点で内親王または女王である女性皇族については、結婚と同時に皇族の身分を離れることを本人が希望した場合、皇室会議の議を経ずに皇籍離脱を選択できる経過措置が設けられた。

第6章「養子皇族男子」を新設
改正法は皇室典範に第6章「養子皇族男子」を新設した。
皇嗣と皇嗣妃を除く親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王は、皇室会議の議を経た上で、一定の条件を満たす旧宮家の男系男子を養子とすることができる。
対象となるのは、皇室典範上の皇族男子だった人物の男系男子の子孫で、現在は皇族ではない15歳以上の男性。配偶者と子どもがいないことも条件となる。
養子縁組が成立した男性は、その時点で皇族となる。ただし、養子となった本人には皇位継承資格を認めない。一方、その子孫の皇族としての地位や皇位継承資格は、養子になる前の実方の血統に基づいて判断される。このため、養子の男系男子の子孫には、将来的に皇位継承資格が生じる可能性がある。
改正後の制度については、施行状況や皇族数の確保状況などを踏まえて検討し、必要と判断された場合には30年ごとに見直す規定も盛り込まれた。
3歳で皇籍離脱 久邇朝宏氏が語った養子制度への戸惑い
旧宮家の一つ、久邇宮家の出身である久邇朝宏氏(81)はインタビューで、旧宮家の男系男子を皇族の養子として迎える制度について慎重な見方を示した。
久邇氏は1944年、久邇宮朝融王の三男として生まれた。1947年10月、11の宮家が皇籍を離れた際、久邇氏も3歳で一般国民となった。
久邇氏はインタビューで、物心がつく前に皇籍を離れたため、皇族だった当時の記憶は全くないと説明した。自らが育ったのはごく普通の家庭で、後に皇室関係の行事に参加した際には、自分の家がかつて宮家だったことに驚くほどだったという。 (関連記事: 天皇陛下、新年のご感想 戦後80年経て平和への願い、世界の紛争に「心痛める」 | 関連記事をもっと読む )


「そういう教育を受けてきていない」
久邇氏は、自身が皇族に復帰する可能性について、これまで考えたことはないとした上で、長年にわたって一般国民として暮らしてきた旧宮家の子孫が、改めて皇族の責務を担うことには現実的な難しさがあるとの認識を示した。


















































