フォーリン・プレスセンター(FPCJ)は、同志社大学政策学部の吉田徹教授を招き、「第2次高市内閣のゆくえ:日本の内政と今後の課題」をテーマにオンラインプレスブリーフィングを開催した。吉田教授は、2026年2月に行われた衆議院選挙における自由民主党の勝利の背景や、発足から半年が経過した第2次高市内閣の政治的特徴、そして今後の内政展望について詳細な解説を行った。
保守・右派勢力が圧倒的多数に、政党政治の重心は右へ
吉田教授は今回の選挙結果について、極めて大きな政治変動であったと指摘した。自民党は2024年の前回選挙と比べて大幅に議席を増やし、大政翼賛会以来となる巨大与党となった。
一方で、公明党や共産党などの伝統的な組織政党は、党員の高齢化やコロナ禍以降の動員力の低下により議席を減らした。国民民主党や参政党といった新興政党も顕著な戦いを見せたものの過去ほどの勢いはなく、結果として全465議席中367議席を保守・右派政党が占めるなど、政党政治の重心が大きく右へ動いた。
高市早苗氏が自民党総裁に選出された背景には、1993年以降の自民党政治における三つの潮流の変化がある。宏池会モデルを継承した石破政権が自民党を少数派政権へと転落させたことで、党内には成功体験である「安倍モデル」と「小泉モデル」の選択肢のみが残された。その結果、安倍元首相の後継者と目される高市氏と、小泉元首相を父に持つ小泉進次郎氏の決選投票となり、高市氏が勝利した。
野党の政策を取り込み、無党派層をつかんだ自民党
高市政権は発足直後の約80%という高い支持率を背景に、戦後最短の選挙期間で解散総選挙に打って出た。選挙戦では、野党が主張していた消費税減税や給付付き税額控除などの政策を自らの公約に取り込み、野党から目玉公約を奪った。有権者の6割に達していた巨大な無党派層の支持を自民党が獲得したことが、この歴史的勝利につながった。
対する野党の「中道改革連合」は、外交・安全保障政策などで現実主義化を図ったものの、自民党との明確な違いを打ち出せなかった。実質賃金が4年連続でマイナスとなり国民の困窮化が進む中、自民党が資産形成などプログレッシブな姿勢を示したのに対し、野党第一党がレガシーを守る保守的な態度に映り、従来の保守と革新の立ち位置が逆転する結果を生んだ。

SNSで直接世論に訴える高市政権、外交は現実主義に
現在の高市政権の支持率は50%から60%程度に低下している。政権を支える無党派層を維持するため、高市首相は「購買力の引き上げ」「社会保障費などの負担感緩和」「タカ派的な外交・安全保障」の三つを基本スタイルとしている。また、既存メディアの取材を避け、SNSを通じて直接世論にアピールする手法をとっている。 (関連記事: トランプ氏、エアフォース・ワン機内から高市首相に電話 中国・印太情勢を協議、台湾情勢への言及は明かさず | 関連記事をもっと読む )
吉田教授は、高市首相の政治手法はサッチャー元英首相よりもイタリアのメローニ首相に近く、外交・安全保障では現実主義的である一方、国内政策では選択的夫婦別姓の通称使用や国旗損壊罪の議論など、極めて保守的なアピールを行っていると分析した。













































