【独占】台湾の抽象水墨芸術家・鄭晴臻、第82回「現展」で異例の3作品同時展示へ

台湾の抽象水墨芸術家・鄭晴臻氏が、第82回「現展」にて「自身も驚く」異例の3作品同時展示を果たした。(写真/鄭晴臻撮影)
台湾の抽象水墨芸術家・鄭晴臻氏が、第82回「現展」にて「自身も驚く」異例の3作品同時展示を果たした。(写真/鄭晴臻撮影)

台湾の抽象水墨芸術家である鄭晴臻(チェン・チンジェン)氏が、2026年5月27日から6月8日まで日本の国立新美術館で開催される「第82回現代美術家協会展(現展)」に出展する。2023年の第79回展から連続して参加している同氏は、今回の展示について「過去の展覧会を見ても、通常は1作品の展示が一般的であり、2作品でも珍しい。そのため、今回提出した立体絵画1点とインスタレーション2点の計3作品すべてが展示されることになり、私自身も非常に驚いている」と明かした。

台湾の抽象水墨芸術家・鄭晴臻氏が、第82回「現展」にて「自身も驚く」異例の3作品同時展示を果たし、独自の技法と哲学でさらなる注目を集める見込みである。鄭晴臻
台湾の抽象水墨芸術家・鄭晴臻氏が、第82回「現展」にて「自身も驚く」異例の3作品同時展示を果たし、独自の技法と哲学でさらなる注目を集める見込みである。(写真/鄭晴臻撮影)

立体絵画とインスタレーション、異例の3作品同時展示へ

鄭晴臻氏はこれまでに多数の国際展で評価されており、2025年の第81回現代美術家協会展では台湾人アーティストとして唯一「ターナー賞」に選ばれた実績を持つ。同氏の作品は日本国内の二大国立美術館を巡回し、高い注目を集めてきた。今回の第82回展では、現代美術家協会の代表である渡辺泰史氏より直接、3作品すべての展示が決定した旨が伝えられた。展示されるのは、完成済みの立体絵画〈300〉のほか、当初の絵画からインスタレーション形式へと変更された〈207〉および〈208〉である。

同氏の創作は「内なる世界が闇に陥ったとき、光はいかにして見出されるか」という核心的な問いをテーマとしている。初期の黒、白、グレーを基調とした作品群から、近年は白、銀、微かな金の光を放つ色彩へと変化を遂げている。また、東洋文化において魔除けや吉を招く象徴とされる「純陽の鶏血」を画材に取り入れ、無秩序の中から自己を再定位し、転換のエネルギーを生み出している。さらに、宣紙とガーゼを組み合わせた独自の裏打ち技法を開発し、伝統的な水墨画に現代的な表現と柔軟な空間適応力をもたらしている。

東京から名古屋、大阪、京都へ 現展が発信する現代美術の多様性

第82回現展は、国立新美術館での本展を皮切りに、6月30日から愛知芸術文化センターでの名古屋展、7月7日から大阪市立美術館での大阪展、7月28日から京都市京セラ美術館での京都展へと巡回する予定である。鄭晴臻氏の新たな挑戦であるインスタレーション作品の全貌は、開幕後の会場で明らかになる見通しだ。

現代美術家協会展(通称:現展)は、1948年(昭和23年)に創設された日本を代表する歴史ある公募美術展である。約400名の専門アーティストが所属する「現代美術家協会」が主催しており、平面絵画にとどまらず、版画、彫刻、工芸、写真、デザイン、さらにはインスタレーションといった多岐にわたるジャンルの作品を幅広く受け入れている点が最大の特色となっている。

毎年5月から6月にかけて、東京・六本木にある国立新美術館を本展の会場として開催され、会員作品および一般公募作品を含む500点以上の作品が一堂に展示される。東京での本展終了後は、名古屋、大阪、京都など日本全国の主要な美術館を巡回し、広く大衆に現代アートの多様な表現を発信する重要な役割を担っている。2026年には第82回を迎え、台湾や韓国など海外の芸術家からの出品も多く、国際色豊かな展覧会として着実な発展を続けている。

編集:小田菜々香

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