親鸞から伊藤詩織氏まで、日本の同調圧力に抗った約60人を描く 新刊『Japanese Rebels』発売

マクニール氏とマックルーア氏による新刊「Japanese Rebels」は、同調圧力が強いとされる日本社会で個人の自由と正義のために闘った異端者たちの実像を描き出した。(写真/FCCJ提供)
マクニール氏とマックルーア氏による新刊「Japanese Rebels」は、同調圧力が強いとされる日本社会で個人の自由と正義のために闘った異端者たちの実像を描き出した。(写真/FCCJ提供)

デビッド・マクニール氏とスティーブ・マックルーア氏が共著した新刊「Japanese Rebels」が、ルーチッジから4月29日に発売された。価格は特別割引で2万5000円。本作は、日本が単一的で同調的な社会であるというステレオタイプに異議を唱え、現状を拒否し社会の変化に向けて声を上げた人々の姿を描いたものである。

マクニール氏とマックルーア氏による新刊「Japanese Rebels」は、同調圧力が強いとされる日本社会で個人の自由と正義のために闘った異端者たちの実像を描き出した。FCCJ
マクニール氏とマックルーア氏による新刊「Japanese Rebels」は、同調圧力が強いとされる日本社会で個人の自由と正義のために闘った異端者たちの実像を描き出した。(写真/FCCJ提供)

親鸞から現代の活動家まで、社会に異を唱えた約60人を描く

著者のマクニール氏は「インディペンデント」や「エコノミスト」の元特派員であり、現在は聖心女子大学でコミュニケーション学の教授を務めるとともに、日本外国特派員協会の「報道の自由委員会」で共同委員長を担っている。一方、マックルーア氏は「ビルボード」誌の元アジア支局長であり、日本のポップミュージックに関する初の英語書籍「Nippon Pop」の著者でもある。両氏は2年間にわたる調査と執筆を経て、本作を完成させた。

本書では、日本社会における文化的な同調圧力やヒエラルキーの強調に対し、政治、宗教、芸術などの分野で異を唱えた約60人の「反逆者」を取り上げている。歴史的には、仏教を大衆化した親鸞や日蓮、社会変革を成功させた坂本龍馬に加え、天草四郎や大塩平八郎のような歴史上の人物も検討されている。現代においては、ジャニー喜多川氏の問題や伊藤詩織氏の裁判に見られるような沈黙の掟に抗う姿、LGBTQ活動家の松岡宗嗣氏の取り組みが紹介されている。また、女性器の3Dデータを送信し逮捕されたアーティストの五十嵐恵氏(ろくでなし子)、成田空港建設反対運動のリーダーである北原鉱治氏、大麻の合法化を訴え2016年に逮捕された元女優の高樹沙耶氏などのエピソードが詳細に綴られている。さらに、重信房子氏や麻原彰晃などの議論を呼ぶ人物についても触れられている。

「反逆者」の物語を通じて見つめ直す、日本の自由と人権

著者らは、日本人が反抗を起こす際、それは非常に劇的で驚異的なものになると指摘している。歴史的に見て日本の自由や人権運動には強い根源があり、大江健三郎氏、川上未映子氏、草間彌生氏のような人物の影響も深い。マックルーア氏は、アイヴァン・モリスの著書「高貴なる敗北」にも触れつつ、反逆者たちの物語を通じて現代の日本社会をより深く理解することができると語る。また、CIVICUSモニターの調査で日本が台湾やカナダなどと共に「オープン」と評価された背景には、権利のために立ち上がる活動家や一般市民の存在があると強調した。本書は、社会の規則に反対し、正義や個人の自由のために闘い続ける日本の異端者たちの実態を浮き彫りにする一冊となっている。

編集:小田菜々香

最新ニュース
「高市現象」とは何か 宇野重規氏が日本政治の変化を分析
第2次高市内閣の外交・安保戦略、背景に「米国に見捨てられる不安」 吉田徹同大教授が分析
在日アジア人記者が語る日本報道 AI時代に問われる「現場取材」の重要性
渋谷で日本代表の没入応援イベント「SAMURAI BLUE 3D EXPERIENCE」開幕 宮本恒靖会長、JI BLUEが登壇
ヒューマノイド国際会議が東京で開幕 石黒浩教授が語る「2050年のアバター社会」
報道の自由、世界で過去25年最低水準に CPJ委員長がFCCJで警鐘
米テキサスの環境団体が来日 日本のLNG投資に「健康被害」訴え
【独占】台湾有事は差し迫っているのか 中国政治学者・ミンシン・ペイ氏が米中首脳会談を分析
ファミマ×TVアニメ『ブルーロック』、6月2日からコラボ 描き下ろしクリアファイルなど限定グッズ登場
輸入EVの選択肢が拡大も課題は充電インフラ 日本自動車輸入組合理事長が市場展望
TSMC、従業員への利益分配比率引き下げが波紋 魏董事長が直接対話で火消しに乗り出す
ブラザー、体験型施設「BROTHER JOYFACTORY TOKYO」開業へ AIで侍体験をグッズ化
Peatix、33コミュニティを表彰 令和の推し活は「タイパ」と交流重視へ
日米豪印「クアッド」外相がニューデリーで会合、中国念頭に連携強化表明
【単独取材】梶田隆章氏が語る基礎科学の価値 ニュートリノ質量発見と師弟3代ノーベル賞の軌跡
なとり初の日本武道館公演「深海」、U-NEXTで6月10日独占ライブ配信 SNS同時視聴企画も開催
大谷翔平らスター選手の直筆サイン入りバットを封入 MLB公式ミステリーBOX、限定32個で発売
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3、6月22日U-NEXT独占配信 「双竜の舞踏」本格開戦
台湾世論調査、鄭麗文・国民党主席の信用度が23%に低下 「鄭・習会談」効果早くも薄れる
島根・隠岐諸島、国立公園指定90周年 日本初のジオホテル「Ento」を拠点に大人のリトリート提案
SSFF & ASIA 2026開幕 是枝裕和監督が受賞、AI作品など約250本上映へ
エヌビディア、台北新本社を2030年稼働へ フアンCEO「台湾はAI革命の中心」
【論評】トランプ氏の「半導体泥棒」発言に台湾はなぜ沈黙するのか
『ポケモンGO』新シーズン「新たな歩み」6月2日開幕 ダイマックスエレブーやGOパスが登場
RLWRLD、触覚や力を処理するロボット基盤モデル「RLDX-1」披露 東京でヒューマノイド実機デモ
インドで48度超の熱波 電力需要が過去最高、ルビオ米国務長官「次元が違う暑さ」
ピーティックス、15周年でサイト・アプリ刷新 2万5000件超のイベントを約80テーマで紹介
海上保安庁、豪州で油流出対応を指導 インド太平洋10カ国の海保職員39人が参加
日米加の海上保安機関、カナダ・ビクトリア沖で合同救助訓練 海保練習船「いつくしま」も参加
東ハト「ツイスター」に夏限定「焼きもろこし味」 6月1日発売、Xでプレゼント企画も
TSMC進出で高雄・熊本の連携深化 台湾立法委員団が熊本県知事を訪問
ドイツ議員団の訪台に中国が反発、台湾外交部は「干渉の権利なし」と批判
COMPUTEX 2026、テクノロジー大手による基調講演が30件 派生商機は9000億台湾ドルに拡大へ
台風6号(チャンミー)発生 沖縄付近で進路転向か、台湾は週末から雨と気温低下へ
三菱地所、ベトナム高級住宅市場を開拓 ハノイで約675億円規模のマンション開発へ
布施琳太郎キュレーション「すごい指」展、西麻布で開催 現代アートとテクノロジーを「指先」から考える
韓国スタバ「タンクデー」炎上、不買広がり運営グループ会長が謝罪
AIチップ向け高速接続IPで成長狙う 台湾・神盾傘下の乾瞻科技、27日に興櫃市場登録へ
ときわ亭、6秒ぴったりで熟成牛タン無料 全国27店舗で期間限定キャンペーン
国民党・鄭麗文主席の訪米に暗雲 韓国瑜氏支持層の反発で歓迎ムードに変化
アークヒルズで「トウモロコシ&枝豆フェス」開催 朝採れ夏野菜や限定スイーツが登場
東元電機、マレーシアDynaciate買収へ 東南アジアのAIデータセンター需要取り込み
「DSEI Japan 2027」に向け東京で大使館ブリーフィング 46カ国が参加、防衛協力を議論
ロシア、極超音速ミサイル「オレシュニク」再使用か キーウに無人機600機・ミサイル90発の大規模攻撃
NASA、月面拠点整備へ組織再編 有人宇宙飛行と原子力技術を重点化
COMPUTEX 2026、エヌビディアのジェンスン・フアン氏とマーベルCEOが同壇 次世代AIインフラを議論へ
アジア最大級の国際短編映画祭「SSFF & ASIA 2026」が開幕 是枝裕和監督や令和ロマン・高比良くるま氏ら豪華顔ぶれが登壇
【論評】アップル巨額罰金リスクが映すインドの政策リスク 外資を遠ざける「突然のルール変更」
初開催「前橋国際芸術祭2026」全容発表 マルタン・マルジェラ、蜷川実花ら70組が参加
台湾高鉄、信号トラブルから通常運行再開 「近年最も深刻な遅延」原因究明へ