東京建物株式会社は7月15日、大規模複合再開発「TOFROM YAESU」の全体街区竣工に伴い、メディア向けの内覧ツアーを開催した。ツアーでは、同社都市開発事業第一部の三浦匠氏が案内役を務め、「TOFROM YAESU THE FRONT」および「TOFROM YAESU TOWER」の低層商業エリア、広場空間、屋上テラスを巡り、設計意図や街づくりのコンセプトが解説された。

八重洲の路地裏文化を再現した商業空間
内覧では、まず2階の商業ゾーンが公開された。この空間は「大広間で木漏れ日を感じる景観」をイメージして設計されており、通りのにぎわいを感じながらも、モダンな窓格子の意匠や木漏れ日を表現した緑のタイルなど、外とのつながりを意識した演出が施されている。
床材には畳や畳縁を表現した素材が採用され、日本の伝統的な空間を現代的に解釈している。また、商業ゾーンは「施設側が作った空間に店舗が収まる」のではなく、「店舗がそれぞれの個性を共用部に発信できる」設計としており、内装工事が進む各区画では、店舗ごとの自由なデザインや設計を尊重する姿勢が強調された。

続いて、八重洲の路地裏文化を現代的に再編集した「YAESU 東京界」ゾーンが案内された。
通路幅をあえて狭くすることで路地裏の情緒を演出し、商業施設としては珍しく「狸」をモチーフにしたオリジナルロゴを採用。訪れる人々に愛着を持ってもらうことを意図している。ここではミシュラン星付き店を含む名店12店舗が集結する。

檜物町の歴史と伝統を受け継ぐ広場と通路
1階の「檜物町スクエア」は、旧町名に由来する約1200平方メートルの広場である。高さ約7メートルの高木や「檜」を素材とした可動式家具が配置され、天井やステージには金をモチーフとした内装が施されている。
広場には、日本三大祭りの一つ「山王祭」で巡行する檜物町の神輿が常設展示されており、八重洲の伝統を日常的に感じられる空間となっている。この場所はイベント会場としても活用可能で、吹き抜けの開放感を通じて上層階の店舗との一体的なにぎわいを創出する。

貫通通路の紹介では、かつてこの地が木工職人の街「檜物町」であった歴史的背景が語られた。通路の壁面には、漆や金箔などの伝統的な内装材を現代的にアップデートして取り入れ、天井には周囲の風景を映し出す鏡面パネルを配置。
過去から未来へ連なる八重洲の時間の層を象徴的に表現している。さらに、「アーカイブウォール」として再開発前の建物の解体廃材を再活用したアート壁も整備された。
『箱積み』の外観と東京駅を望む屋上テラス
外装デザインについては、「多様な個性が集積する八重洲らしさ」を体現するため、建物を箱状に積み上げた「箱積み」デザインを採用。凹凸のあるファサードによって、路面店が連なる八重洲の古き良き界隈性を立体的に再現した。また、かつてこの地を流れていた紅葉川や江戸城外堀の歴史を踏まえ、ガラスを斜めに設置することで水面のきらめきを表現している。
最後に、「TOFROM YAESU THE FRONT」の屋上テラスが公開された。入居企業ワーカー専用のこのデッキ空間からは、東京駅を眼下に見下ろすパノラマビューが広がる。
ここでは、タワー棟の外装デザインについても触れられ、南北面の「上に開いていくスリット」はおもてなしの心と成長・繁盛への願いが込められている。また、東西面には細長い板状の部材を細かく配置し、太陽高度に応じた光のグラデーションを生み出す外観に仕上げたことで、見る角度や時間帯により表情を変える多様性を表現していることが説明された。
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編集:小田菜々香


















































