ギャラクシー賞4月度月間賞に原爆ドキュメンタリーなど4作品 『魯山人のかまど』も選出

日本放送批評懇談会が2026年4月度のギャラクシー賞月間賞として、被爆男性の足跡を追ったドキュメンタリーや北大路魯山人を描いたドラマなど計4作品を発表した 。(写真/放送批評懇談会提供)
日本放送批評懇談会が2026年4月度のギャラクシー賞月間賞として、被爆男性の足跡を追ったドキュメンタリーや北大路魯山人を描いたドラマなど計4作品を発表した 。(写真/放送批評懇談会提供)

日本の放送文化の質的向上を目指し、優秀なテレビやラジオの番組などを顕彰するギャラクシー賞を運営するNPO法人放送批評懇談会は、2026年4月度のテレビ部門月間賞として4作品を選出したと発表した。今回選ばれたのは、NNNドキュメント26「2つの祖国を生きて、最後のヒロシマの旅」、ドラマ10「魯山人のかまど」、NHKスペシャル 臨界世界-ON THE EDGE-「月の町タルトンネ ソウル最後のスラム」、「日曜美術館50年 世界一ミュージアム」の4作品である

戦争の記憶と芸術家の晩年を描いた2作品

広島テレビ放送が制作したNNNドキュメント26「2つの祖国を生きて、最後のヒロシマの旅」は、広島で被爆した後にアメリカ兵として朝鮮戦争に従軍した97歳の日系2世男性が、広島へ最後の旅をする姿を追ったドキュメンタリーである。平和祈念館において、亡き妻が書き残した原爆体験記の存在を知る場面が胸を打ち、激動の歴史の中で2つの国の狭間に生きた人生を通じて、次世代へ伝えるべき平和への強い思いを響かせた点が高く評価された

日本放送協会、東京ビデオセンター、NHKエデュケーショナルが制作したドラマ10「魯山人のかまど」は、美と食の巨人と評された芸術家であり料理家でもある北大路魯山人の晩年を、若い雑誌記者の視点から描いた秀作である。気難しい印象の強い魯山人が劇中で回想する生い立ちや、美と食を語る純粋な言葉が心に響く内容となっており、戦後間もない時代の郷愁を誘う世界観とともに、老境の魯山人を演じた藤竜也の味わい深い演技が視聴者を魅了した

ソウルの再開発問題と「日曜美術館」50年の軌跡

日本放送協会が制作したNHKスペシャル 臨界世界-ON THE EDGE-「月の町タルトンネ ソウル最後のスラム」は、韓国ソウルの高層マンション群の直近に位置する、同国最大かつ最後のスラムの再開発問題を捉えた作品である。退去を迫られながらも行き場のない高齢者や、電車に乗った経験すらない住民たちが直面する厳しい現状、開発公社との激しい衝突の最中に発生した原因不明の火災など、土壇場に追い詰められた状況を描写しており、トタン屋根の隙間から見える月を慈しむ老女の行く末を案じさせる内容が深い印象を残した

同じく日本放送協会が制作した「日曜美術館50年 世界一ミュージアム」は、日曜美術館の放送開始50周年を記念して放送された一連の特別番組の最後を飾る番組である。女優の天海祐希や、スペイン、フランス、イギリス出身のNHK語学講座の講師陣をゲストに迎え、これまでに同番組が紹介してきた数々の美術の傑作を、多彩な出演者が登場する過去の貴重な映像を交えながら振り返る贅沢な構成が評価された

年間賞へ向け、今後も審査を継続

今年で64年の歴史を持つギャラクシー賞のテレビ部門は、今回の月間賞のような日常視聴に基づく選定と、各放送局などからの応募作品を合わせて厳正な審査を重ね、年間の受賞作を決定する。大賞をはじめとする各賞の発表および表彰は、2027年6月上旬に開催予定の贈賞式にて行われる。なお、今回の月間賞に関する詳細な選評などは、2026年6月5日に発売される月刊誌「GALAC」2026年7月号に掲載される予定である

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