台湾外相がWHA期間中にジュネーブ訪問 中国反発、台湾外交部は「事前調整済み」と説明

外交部と衛生福祉部がジュネーブで「台湾スマート医療・健康産業展」を共同開催し、医療・衛生外交を展開した。開幕式であいさつする林佳龍外交部長。(中央社)
外交部と衛生福祉部がジュネーブで「台湾スマート医療・健康産業展」を共同開催し、医療・衛生外交を展開した。開幕式であいさつする林佳龍外交部長。(中央社)

台湾の林佳龍外交部長(外相に相当)がこのほど、スイス・ジュネーブを訪問した。世界保健機関(WHO)の年次総会にあたる世界保健総会(WHA)の開催前後に、WHO本部があるジュネーブを訪れた台湾の外交部長は林氏が初めてとなる。

これに対し、中国外交部は台湾側について「会議に便乗して存在感を示そうとしている」「滑稽なピエロ」などと強い言葉で反発した。台湾外交部は19日、林氏のジュネーブ訪問について「事前に各関係方面と調整、意思疎通を行い、十分な準備をしていた」と説明したうえで、今回の訪問は台湾が進める「総合外交」の力を示すものだと強調した。

台湾外交部はまた、台湾が国際社会に貢献する機会を中国が妨げようとしても、その試みは成功しないとの立場を示した。

中国の反対で台湾のオブザーバー参加却下

第79回のWHAは18日にジュネーブで開幕したが、台湾は10年連続で招待を受けなかった。台湾と外交関係を持つ友邦はWHO事務局に対し、台湾をオブザーバーとしてWHAに参加させるよう求め、関連問題をWHAの追加議題に組み込むことを提案した。

提案はパラグアイ、パラオと、中国、パキスタンによる「賛否双方2カ国による討論」を経て、最終的に大会議長により今大会の議題には含めないとの裁定が下された。しかし、台湾はWHAの会場周辺で展示会やフォーラムを開催し、WHOは台湾を受け入れるべきだと強くアピールした。

なお林外交部長は16日、石崇良衛生福利部長(厚生労働相に相当)とともにジュネーブ入りした。外交部と衛生福利部のトップが揃ってジュネーブを訪問し、台湾のWHA参加を働きかけるのは今回が初めて。中国外交部の郭嘉昆報道官は前日の定例記者会見で、WHOなどの国際機関が「台湾関連問題」を処理する際は「一つの中国」原則に従わなければならないと指摘。

中国は同国の国交樹立国が台湾といかなる形式の公的往来を行うことにも断固として反対するとし、「台湾当局が人員を派遣してあちこちの会議に『ただ乗り』し、存在感をアピールするのは、まるで滑稽なピエロだ。自ら恥をかくだけであり、失敗する運命にある」と強く非難した。

20260519-外交部發言人蕭光偉19日主持例行記者會,並回應有關外交部長林佳龍出訪瑞士日內瓦一事。(鍾秉哲攝)
台湾外交部の蕭光偉報道官は19日、林佳龍外交部長のジュネーブ訪問について説明した。(鍾秉哲攝)

スイス、「台湾人はビザなしで入国可能

林氏はどのようにしてジュネーブ訪問を実現したのか。英ロイターの報道によると、スイス外務省の報道官は、有効なパスポートを所持する台湾人はビザなしで入国できると説明。スイス側として今回の訪問に当たり、協力して手配したわけではないとコメントした。

一方で同報道官は、健康問題に国境はなく、公衆衛生の分野において国際的な協力と協調が極めて重要だとするスイス側の見解を示した。また、2009年にWHAが台湾のオブザーバー参加を認める妥協案に達したものの、近年その対応が継続されていないことに対して遺憾の意を表明したと報じている。 (関連記事: 台湾のWHA参加、10年連続で見送り 中国が「一つの中国」理由に反対 関連記事をもっと読む

台湾外交部が同日開いた定例記者会見で、ロイターが報じたスイス外務省報道官の発言について、同部の蕭光偉報道官は、外交部が事前に各関係方面と十分な調整、対話を図り、周到な準備を行ったことで、林氏のジュネーブ訪問が支障なく実現したと強調した。

最新ニュース
C型肝炎が治っても「脂肪肝」に注意 肝がんリスク約2倍、台湾大学病院が研究
【全文】頼清徳総統、就任2年談話 台湾海峡の現状維持と対米武器調達継続を強調
在留カードとマイナンバーカードが一体化 「特定在留カード」2026年6月運用開始へ
台湾・高雄産「金鑚」パイナップル、八王子の中学校38校で給食に 1万5000人が味わう日台交流
陸上自衛隊、令和8年6月7日に東富士演習場で火力戦闘演習を実施へ
【論評】頼清徳氏の「台湾独立」論に変化か 中国人観光客再開が両岸関係の試金石に
米台関係に広がる「信頼の赤字」 トランプ氏の半導体・防衛要求に米シンクタンクが警鐘
台湾文化センター「台湾映画上映会2026」第3回・第4回上映のゲスト決定 チュウ・ジュンタン監督らの登壇が明らかに
トゥンクトゥンクも来店 「GREEN×EXPO 2027」公式ストアがあべのハルカスに常設オープン
台北・新北の交通網が大きく変わる MRT環状線北環段、空港線など主要4路線を接続 2031年開通へ
シズラーアクアシティお台場、本格炭火BBQテラスを10月31日まで期間限定で開催
【独占】西新宿に次世代リフト機器導入の美容クリニックThe Arte Clinicが5月15日開院
ロイヤルグループ、スーパー「ライフ」と共同キャンペーンを開催 LC JCBカード利用でポイント最大1,000pt進呈
【第39回東京国際映画祭】ユニクロ支援の「難民映画基金」制作による短編5作品、日本初上映が決定
台湾立法院、頼清徳総統の弾劾案は成立せず 憲政史上初の採決、賛成56票にとどまる
【北京観察】中国が外国人向けタックスリファンド制度を拡充 訪中客の「爆買い」再現なるか
TSMC海外工場が収益拡大 アリゾナ純利益36.9倍、熊本工場も初の黒字化
OECD事務総長が対日経済審査報告書を公表し、消費増税や構造改革の必要性を強調
台湾のWHA参加、10年連続で見送り 中国が「一つの中国」理由に反対
トランプ氏「台湾半導体の4〜5割を米国へ」 専門家は「不可能」と断言
米中首脳会談後、頼清徳総統が5項目の見解 「台湾独立問題は存在しない」、現状維持を強調
台湾海峡は米中の「共同管理」へ向かうのか 台湾元高官が首脳会談後の危機を警告
サンリオピューロランドで新たな七夕イベント「ピューロウィッシュマツリ」が6月5日より開催 「≒JOY」コラボイベントも
米中首脳会談の成果に温度差 米国は大型合意を強調、中国は詳細語らず
トランプ氏の「台湾独立望まず」発言を中国学者が分析 頼清徳政権の誤読リスクに警鐘
トランプ氏、台湾半導体は「米国から盗んだ」と再主張 企業に「荷物をまとめて米国へ」
輸出5兆円目標の達成へ――日本食の海外展開と物流課題を解決する食の3大展示会が6月24日より東京ビッグサイトで開催
エー・ピーホールディングスが新業態「炭火酒場 おやどりや」を中野にオープン 親鶏の価値を再定義し食の循環を目指す
台湾有事に日本はどう備えるか 防衛戦略の転換と社会的レジリエンスを専門家が議論
東京・築地跡地に5万人収容スタジアムや陸海空のモビリティハブ整備へ、三井不動産などが進める大規模開発計画の全貌が判明
台湾有事に日本はどう備えるべきか 元陸自幹部と専門家が防衛力・発信力強化を提言
『風傳媒日本語版』の記事がソニー「News Suite」で閲覧可能に 台湾発の国際ニュースを手軽に
「風傳媒日本語版」、ソニーのニュースアプリ「News Suite」に掲載開始
【論評】習近平氏の「台湾攻撃」発言が突きつけた現実 米中首脳会談後、台湾はどこへ向かうのか
JR東日本「GATEWAY Tech TAKANAWA 2026」を開催 スマホをかざさない改札や次世代アグリテックなど最新技術を公開
音楽の街・下北沢がアジアの拠点に 「Shimokitazawa SOUND CRUISING 2026」開催へ、台湾から當代電影大師が参戦
サマソニ25周年の集大成へ、追加アーティスト第9弾と各ステージの陣容が明らかに
【スター・ウォーズ】映画公開記念!Happyくじ「STAR WARS(TM) マンダロリアン・アンド・グローグー」5月22日より順次発売
台湾高速鉄道、屏東延伸へ前進 半導体回廊の新動脈に 高雄・屏東に新駅、2039年開業を目指す
米専門家、トランプ氏の台湾政策に警鐘 対台湾武器売却の取引材料化に懸念
台湾・嘉明湖の「謎の巨大人影」写真が再注目 米鑑定で「変造なし」とUFO研究団体が主張
プレミアムアルコールブランド「CRAFT WONDER」設立2周年イベントを東京で開催、全国のクラフト酒造と共創した魅力を発信
アップル、インテルに半導体製造を委託か 2027年量産へ、TSMCはなお9割超を維持
トランプ氏は習近平氏に歩み寄りすぎたのか 中国側の冷遇に見る米中関係の新局面
東京都が世界に羽ばたく新鋭デザイナーを募集 2026年度「NFDT」「SFDA」始動でパリ発表も支援
【寄稿】台湾の外国人政策は「国民優先」へ転換できるか 特別法と専門機関の必要性
【東京グルメ】有明に名店集結!「Tokyo Tokyo Delicious Museum 2026」開催決定 予約困難店の味を気軽に堪能