東京都中央区築地五丁目および六丁目の土地を活用した「築地地区まちづくり」の計画概要が明らかになった。同事業は、三井不動産株式会社、トヨタ不動産株式会社、株式会社読売新聞グループ本社が開発事業者として参画する「築地まちづくり株式会社」が推進するもので、活用される都有地面積は約19万平方メートル、総延床面積は約126万平方メートルに及び、2030年代前半のまちびらきを目指している。

現地では2025年8月に準備工事のお知らせが公表されて以降、同年10月、12月、2026年2月、5月にそれぞれ現場の状況に関する案内が更新されるなど、段階的に事業が進行している。
築地は1657年の埋め立てによって築かれ、江戸時代には水運網が形成されて物資の交易交流や歌舞伎・浮世絵などの文化発信地として栄えた歴史を持つ。1935年には築地市場が開場し、2018年の豊洲移転まで国内外から多くの人々を引きつける食と交易の中心地であった。今回のまちづくりでは、これらの歴史や文化、土地特性を生かし、世界中から多様な人が集まってイノベーションを創出し、新たな文化を創造・発信する拠点として東京および日本の国際競争力を強化することを目指す。

「扇」をモチーフにした水辺と緑のオープンスペース、5万人収容スタジアムやMICE施設を一体整備
景観デザインには、日本の伝統を表現する「扇」をモチーフにしたシンボリックなアイコンを採用し、水上から人々を迎え入れるウォーターフロントの新たな玄関口にふさわしい顔を形成する。敷地内には、浜離宮恩賜庭園との一体的な緑化や、隅田川、築地川といった周辺資源と調和した特色あるプロムナードを整備する。これにより、子どもから高齢者まで多くの人が集い、様々なアクティビティを楽しめる河川区域を含んだ合計約10ヘクタールのオープンスペースおよび水辺空間が創出される。
主要施設として、文化、芸術、スポーツイベントに対応できる可変性と多機能性を備えた約5万人収容の屋内全天候型マルチスタジアムとなる大規模集客・交流施設が建設される。さらに、国際水準の大型ホールや会議室を備えたMICE施設、宿泊・滞在・居住機能を集約したMICE・ホテル・レジデンス棟、オフィス棟、オフィス・レジデンス棟、レジデンス棟、ホテル棟、ライフサイエンス・商業複合棟、舟運・シアターホール複合棟などが一体的に整備される。また、築地場外市場と連携した日本の食文化の発信や、ライフサイエンス分野をはじめとする専門的な人材や情報が集まるイノベーション・プラットフォームの構築が行われる。

築地に陸海空の交通拠点形成、「TOKYO強靭化プロジェクト」で防災・環境機能も強化
交通インフラにおいては、陸、海、空の様々な交通機能が集積する快適なモビリティハブが形成される。車や地下鉄に加え、かつて江戸を支えた水運を身近な観光・交通手段として定着させるための築地川船着場や防災船着場による舟運ネットワーク、さらにヘリポートや空飛ぶクルマポートが整備される。ハブ内では高齢者、子ども、外国人など様々な利用者に配慮した円滑な乗換空間が提供され、デジタル技術を活用した分かりやすい情報案内が行われる。

環境面では、カーボンニュートラルの実現に向け、最先端技術によるHTT(へらす・つくる・ためる)の都市インフラと、生物多様性や緑化、国産木材活用といったグリーンインフラの両面から環境共生型の開発を進め、環境配慮の文化や風土の醸成を図る。防災面では「TOKYO強靭化プロジェクト」と連携し、陸路(環状第2号線、高速晴海線)、海路(防災船着場、築地川船着場)、空路(ヘリポート、空飛ぶクルマポート)を活用した防災拠点を整備し、スーパー堤防事業と連携した高台まちづくりや災害時の避難・情報発信機能を強化する。

なお、同事業に関連して、2025年12月には旧築地市場のレガシーをテーマにしたアートコンテストの開催が発表され、2026年1月には部材見学会や「築地まちづくりシンポジウム」が開催されるなど、文化的な取り組みも並行して進められている。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp
編集:小田菜々香


















































