台湾の民間団体「台湾聯合国協進会」は、台湾のWHO加盟を支持する活動に今年も参加し、これで23回連続となった。今回は団長の黄淑純氏、副団長の曾琮愷氏、国際代表の李妍慧氏、新北市議員の陳乃愉氏ら若手代表が共に、欧州国連本部前の「壊れた椅子」広場に集結。世界保健総会(WHA)を前に大規模なデモ行進を実施し、台湾のWHO加盟を訴えた。
民進党中執委員で国際行動代表の李妍慧氏は、「台湾人は声を上げるべきだ。なぜなら、私たちは世界保健機関に貢献できるからだ」と強調。台湾が国連やWHOといった国際組織に参加することは、中国によって妨害されるべきではないとし、「近年のパンデミックは世界に甚大な被害をもたらしたが、台湾の医療経験は具体的かつ有効な防疫対策としてWHOに提供できる」と語った。
また、台湾聯合国協進会の常務理事で新北市議員の陳乃愉氏も、「台湾のWHO加盟を支持する活動に参加して今年で4年目になる」と述べ、過去2年間、WHO主催のウォーキングイベントでテドロス事務局長と会話を交わしたことを明かした。「なぜ台湾がWHOに加盟できないのか」と直接問いかけたところ、「加盟国の多数の同意が必要であり、中国が反対している限り、台湾の加盟は難しい」との回答だったという。その上で陳氏は「だからこそ、台湾人が自ら声を上げるべきだ。台湾は中国の一部ではないことを世界に知らしめる必要がある」と訴えた。

常務理事の曾琮愷氏は「ジュネーブに来て台湾のWHO加盟を訴えるのは今回で8回目」と述べ、過去にはWHOの職員と接触した経験もあるという。その際、「台湾の加盟を歓迎する」との声もあったが、中国および国連の2758号決議の不適切な解釈により、台湾の国際機関への参加が阻まれていると指摘。「これは世界で最も理不尽な抑圧だが、だからこそ私たちは声を上げ続けなければならない」と語った。そして「2758号決議の乱用に断固反対し、台湾が中国の一部ではないことを世界に訴え続ける」と強調した。
また、台湾人の配偶者でインフルエンサーの「斯坦(スタン)」氏も今回の活動に参加し、全行程を記録。「もし当初、世界保健機関が台湾の衛生福利部の専門的な助言を聞き入れ、対策を講じていれば、パンデミックはここまで深刻化しなかったはずだ」と述べた。そして、「その結果、アメリカはWHOが正しい判断を下さなかったと判断し、脱退に至った」とし、台湾のWHO加盟が人類の健康に貢献すると訴えた。
最後に、台湾聯合国協進会のメンバーは、欧州の在住台湾人たちとともに、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の楽曲を歌い、台湾が強権に立ち向かう決意を象徴的に表現した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 南投の秘境、日本ではまだあまり知られていない「必訪の絶景地」―CNN推奨「生涯に一度は訪れるべき」最強スポット | 関連記事をもっと読む )
台湾ニュースをもっと深く⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp