OECD、日本経済の成長鈍化を予測 消費税引き上げと構造改革を提言

OECDは日本の財政健全化と成長加速に向け、消費増税と構造改革を柱とする包括的な政策提言を公表した。(写真/日本記者クラブ提供)
OECDは日本の財政健全化と成長加速に向け、消費増税と構造改革を柱とする包括的な政策提言を公表した。(写真/日本記者クラブ提供)

経済協力開発機構(OECD)は13日、2026年版の対日経済審査報告書を公表した。マティアス・コーマン事務総長は日本記者クラブでの会見において、日本の経済成長率が2025年の1.2%から、2026年には0.7%、2027年には0.9%へと鈍化するとの見通しを示した。中東紛争に伴うエネルギー価格の高騰や消費者心理の冷え込みが背景にあり、原油輸入の約9割を中東に依存する日本の脆弱性が浮き彫りとなっている。

OECDが求める消費税引き上げと年金制度改革

財政面において、日本の公的債務が対GDP比206%に達し、OECD諸国で最高水準にあることに強い懸念が表明された。コーマン氏は財政の持続可能性を確保するため、現在10%である消費税率をOECD平均の19%に向けて段階的に引き上げるよう提言した。

低所得層への配慮については、軽減税率などの例外措置を設けるのではなく、対象を絞った直接的な財政支援で行うべきだとの見解を示した。また、高市首相が掲げる補正予算に頼らない複数年度の予算管理方針を歓迎し、従来の定期的な補正予算編成が財政規律を損なってきたと指摘した。

人口動態については、100人の労働人口で56人の高齢者を支える現状が2060年には79人にまで悪化すると警告した。これに対応するため、年金受給開始年齢の引き上げや労働生産性の向上が不可欠だとした。

日本の労働生産性はOECD平均を24%下回っており、行政手続きの簡素化や規制緩和を通じて企業活力を高める必要がある。対内直接投資(FDI)についても対GDP比5%とOECD最低水準であることを挙げ、ワンストップ窓口の強化による外資誘致を求めた。

女性・外国人労働者の参画拡大と脱炭素化を提言

労働市場の構造改革では、女性や高齢者、若者が直面する非正規雇用の二重構造を改善し、正規雇用の柔軟性を高めるよう促した。特にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の高等教育卒業者に占める女性の割合が3.5%とOECDで最も低い現状を「能力の浪費」と表現し、初等教育からの意識改革やメンタリングの重要性を説いた。外国人労働者については、2025年に250万人を超えたことを評価しつつ、定着支援や複雑な雇用制度の改善が必要だと言及した。

脱炭素化に向けては、2050年のネットゼロ達成に向けたカーボンプライシングの早期導入を求めた。日本の再生可能エネルギー発電比率は24%まで上昇したが、依然としてOECD平均の34%を下回っている。

コーマン氏は送電網の強化や許認可プロセスの一元化が必要だとした。最後に、中国情勢や米中首脳会談など外的環境の不確実性が続く中、ルールベースの貿易体制とサプライチェーンの強靭化が不可欠であると締めくくった。

編集:小田菜々香

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