KADOKAWA元会長・角川歴彦氏、夏野剛社長らを提訴 名誉毀損などで2億円請求
角川歴彦氏がKADOKAWA現体制を名誉毀損で提訴し、一方的な社内報告書による防御権侵害を訴えるとともに夏野社長解任への賛同を表明した。(写真/FCCJ提供)
東京五輪を巡る汚職事件で有罪判決を受け控訴中のKADOKAWA元会長である角川歴彦氏が2026年6月16日、日本外国特派員協会で記者会見を開いた。角川氏は、同社の夏野剛社長および社内調査を主導した国広正弁護士らに対し、名誉毀損と刑事被告人としての防御権侵害を理由として、連帯して2億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したと発表した。
「黒の報告書」で防御権を侵害 夏野社長らに2億円の賠償請求
角川氏は2022年9月に逮捕されて以降、一貫して無罪を主張し続けている。会見では、226日間に及ぶ長期勾留で持病の心臓病が悪化し、過酷な「人質司法」によって生命の危機に瀕したという体験を振り返った。今年1月に東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けたものの、証言の信用性評価や法的解釈に重大な誤りがあるとして、控訴審に向けて新たな弁護団を結成し、真実を明らかにするための闘いを続ける姿勢を示した。
今回の提訴で最大の争点となっているのは、夏野氏らが設置した「ガバナンス検証委員会」が2023年2月に公表した調査報告書である。角川氏および同席した郷原信郎弁護士は、同委員会が角川氏本人の言い分を全く聴取しようとせず、一方的に贈賄の刑事責任を負う可能性が高いと決めつけたと指摘した。
無罪推定の原則が働くべき刑事手続の進行中に、企業側が独自の判断で有罪視する内容を社会へ発信し続けたことは、長年築き上げた角川氏の社会的信用を失墜させただけでなく、適正な裁判を受ける防御権を著しく侵害する不法行為であると強く非難した。角川氏はこの報告書を「黒の報告書」と呼び、現在もホームページ上に掲載され続けていることへの憤りを露わにした。
KADOKAWAの現経営陣を批判 夏野社長の解任案に賛同
さらに角川氏は、現在のKADOKAWAの経営体制に対しても強い危機感を表明した。公正取引委員会から下請法違反の勧告を度々受けている現状や、利益至上主義によって同社が培ってきたメガコンテンツプロバイダーとしての創造力や経営力が劣化している点に言及した。
来週予定されている同社の株主総会に関連しては、夏野社長の解任を求めているアクティビストファンド「オアシス・マネジメント」に対し、自身の保有する約1%の株式の議決権を行使して賛同する意向を明らかにした。会見の最後には、冤罪と闘い続けた袴田巌氏から贈られたという帽子を被り、自身の潔白を証明し不条理を正す決意を強調した。
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