【北京観察】台湾国安局が「中国向け連絡窓口」開設 国台弁は強く反発、米軍情報要員の駐在報道には沈黙

台湾の国家安全局(国安局)は14日、中国の政治、軍事、経済などに関する情報を幅広く収集するため、米国、英国、イスラエルなどの情報機関の手法を参考に、「中国市民向け連絡窓口」を設置したと発表した。(写真/Google マップより)
台湾の国家安全局(国安局)は14日、中国の政治、軍事、経済などに関する情報を幅広く収集するため、米国、英国、イスラエルなどの情報機関の手法を参考に、「中国市民向け連絡窓口」を設置したと発表した。(写真/Google マップより)

中台関係の緊張が続き、中国国内で経済低迷や政治的締め付けへの不満がくすぶる中、台湾の国家安全局(国安局)はこのほど、中国市民向けの専用連絡窓口を設置した。中国本土および海外にいる中国人に対し、政治、経済、軍事、社会など幅広い分野の情報提供を呼びかけている。

国安局は、米国、英国、イスラエルなどの情報機関が公開で情報提供を呼びかける手法を参考にしたとしている。あわせて、AIで生成した宣伝動画「変化(原題:改變)」も公開した。動画では、中国体制下で「古参幹部が次々と姿を消す」状況に触れ、人々が互いに警戒せざるを得ない空気を描きながら、「いまこそ変化を起こす時だ」と訴えている。

中国市民向けに情報提供を呼びかけ

国安局によると、近年、中国経済は厳しい課題に直面しており、政治面では高圧的な統治が続いている。社会や市民生活をめぐる問題も相次ぐ中、現状に不満を抱く中国市民が台湾の関連機関に接触し、各種情報を提供するケースが増えているという。

これを受け、国安局は台湾の「国家情報工作法」に基づき、国際的な事例を参考に専用窓口を設置した。情報セキュリティと情報提供者の身元保護を重視するとし、中国本土からのアクセスと海外からのアクセスの2種類のルートを用意している。

また、外国ブランドの端末を利用すること、VPNを使うこと、プライベートブラウジングを活用することなど、6項目の安全指針も示した。

国台弁は「情報窃取」と批判

これに対し、中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華報道官は17日の定例記者会見で、民進党政権が「公然と大陸を標的に情報窃取や浸透・破壊活動を行っている」と批判した。

陳氏は、今回の措置について「両岸の対立を高め、関係を破壊するものだ」と述べ、民進党政権の「台湾独立」の立場を示していると主張した。北京として「強く非難し、断固として対抗措置を取る」とした上で、「台湾の情報機関に情報を提供し、犯罪を構成する者については、関係部門が法に基づき法的責任を追及する」と警告した。

台湾側が正式に発表する前から、中国の一部ネット利用者の間では海外サイトを通じて関連情報が共有されており、この動きを「離岸信訪局」と表現する声もあった。台湾国安局が発表してから8時間足らずで、中国のIPアドレスからは同サイトにアクセスできなくなったという。

立法院が国家安全局関連の政府総予算案を審議 立法院外交・国防委員会は3日、国家安全局の収支公開および機密部分に関する115年度(2026年度)中央政府総予算案を審議し、国安局長の蔡明彦氏が出席した。中央社記者・郭日暁撮影 民国115年6月3日
国家安全局(国安局)の蔡明彦局長。(写真/中央社提供)

「防衛」から「能動的な情報収集」へ

​国安局の説明によれば、新たなプラットフォームの目的は、安全な連絡ルートをつくり、中国国内および海外の中国公民から情報提供を受けることにある。中国の政治、軍事、経済、社会動向をより広く把握する狙いがある。
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これまで台湾は、中台間の情報戦において主に防衛側として語られることが多かった。近年は、スパイ事件や退役軍人の取り込み、認知戦、サイバー空間での浸透工作などを背景に、台湾当局の論述は「中国による浸透をどう防ぐか」に重点が置かれてきた。

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