2026年唐奨「持続可能な発展賞」に米大気化学者スーザン・ソロモン氏 オゾンホール解明で地球環境保護に貢献

2026-06-20 11:43
唐奨「持続可能な開発賞」を受賞したスーザン・ソロモン氏。(写真/唐奨教育基金会提供)
唐奨「持続可能な開発賞」を受賞したスーザン・ソロモン氏。(写真/唐奨教育基金会提供)

唐奨教育基金会は15日、2026年の唐奨「持続可能な発展賞」の受賞者に、米国の大気化学者スーザン・ソロモン氏を選出したと発表した。約40年にわたり大気・気候科学の分野で画期的な研究を続け、気候変動への対応における国際協力にも大きく貢献したことが評価された。

ソロモン氏は受賞の知らせを受け、事前収録された映像メッセージで喜びを語った。「私たちには気候変動の問題を解決する方法がある。オゾン層の研究はその一例だ。若い世代にこのことをもっと知ってほしい。地球の未来を担うのは若い世代だ」と述べた。

ソロモン氏は1981年、米カリフォルニア大学バークレー校で化学博士号を取得した。以後40年以上にわたり気候変動研究に携わり、現在はマサチューセッツ工科大学(MIT)地球・大気・惑星科学科の教授を務めている。

ソロモン氏は「将来、台湾を訪問し、台湾についてさらに知る機会があればうれしい。若い世代には、過去に何が起きたのかを理解してほしい。私たちには問題を解決する力がある」とも語った。

CFCsが南極オゾンホール拡大の主因と証明

​ソロモン氏の主な功績には、クロロフルオロカーボン(CFCs)が南極のオゾンホール拡大の主因であることを証明し、その形成メカニズムを解明したことがある。さらに、二酸化炭素(CO2)排出が地表温度、降水量、海面水位に与える影響は1000年以上続くことを示した。

また、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では第1作業部会の共同議長を務め、第4次評価報告書の第1作業部会報告書『自然科学的根拠』の取りまとめを担った。同報告書は、気候科学の主要な知見を包括的に整理したものとして、国際的な気候政策にも大きな影響を与えた。

ソロモン氏の研究者としての歩みは、米海洋大気庁(NOAA)で始まった。同氏はNOAAに計30年勤務した。台湾中央研究院の劉紹臣院士はかつてNOAAに在籍し、ソロモン氏と15年にわたり同僚として働いた経験を持つ。

劉氏によると、特に印象に残っているのは、ソロモン氏が25歳で博士号を取得し、優れたコミュニケーション能力と高い仕事への意識を持っていたことだという。研究計画を効率よく進める能力にも優れていたと振り返った。

30歳で南極調査隊の首席科学者に

1986年、当時30歳だったソロモン氏は、米国の南極オゾン調査隊で首席プロジェクト科学者を務めた。研究チームを率いて南極に赴き、南極大気中の活性塩素化合物を初めて直接観測。CFCsが南極オゾンホール拡大の主要因であることを突き止めた。

この研究成果は、オゾン層破壊物質の段階的削減を定めた「モントリオール議定書」策定の重要な科学的根拠の一つとなった。同議定書は、国際社会が協力して環境問題に取り組んだ成功例として広く知られている。

2016年には、ソロモン氏がMITで率いる研究チームが、南極上空のオゾン層に回復の兆しが見られることを明らかにした。国際協力とCFCsの段階的削減が実際に成果を上げていることを示すもので、持続可能性をめぐる科学において重要な節目となった。

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