【単独】ノーベル賞受賞者31人訪台へ、世界平和財団会長が評価する台湾の科学対話基盤

2026-06-25 11:45
風傳媒の単独取材に応じる世界平和財団のウヴェ・モラウェッツ(Uwe Morawetz)会長。(写真/蔡親傑撮影)
風傳媒の単独取材に応じる世界平和財団のウヴェ・モラウェッツ(Uwe Morawetz)会長。(写真/蔡親傑撮影)

世界平和基金会(International Peace Foundation、以下IPF)は2003年以来、100人以上のノーベル賞受賞者のアジア訪問を実現させてきた。IPF会長のウヴェ・モラヴェッツ氏は「風傳媒」の単独インタビューに応じ、「教育は土台であり、科学は平和の礎である。台湾での『架け橋(Bridges)プロジェクト』が持続可能な架け橋となり、ノーベル賞受賞者が定期的に台湾を訪れ、台湾の大学と研究プロジェクトを展開し、台湾の学生を自身の研究室に招くことを期待している」と述べた。

IPFはモラヴェッツ氏の主導のもと、2003年にタイで初の「架け橋プロジェクト」を始動し、ノーベル賞受賞者らを招いて講演を行い、若者たちとの対話を実現させた。モラヴェッツ氏は、「今回、多くのノーベル賞受賞者が初めて台湾を訪問する。将来的に台湾の大学が自主的に彼らを再び招待することを願っている」と語った。

モラヴェッツ氏 平和の対話には時間が不可欠、長期的な架け橋の構築を

「台湾・架け橋プロジェクト」は2025年11月から2026年5月にかけて実施され、7カ月間で31人のノーベル賞受賞者を台湾に招き、講演や大学生・高校生との直接的な交流を行う予定だ。これについてモラヴェッツ氏は、「架け橋プロジェクトは単発のイベントではない。1回限りの訪問ではなく、長期的な架け橋を構築することが目的だ。平和と対話は一つのプロセスであり、一朝一夕には成し遂げられず、時間をかけて育む必要がある。台湾でのプロジェクトが将来にわたって継続推進されることを期待している」と強調した。

同プロジェクトの一環として、今年10月には欧州委員会(EC)のジョゼ・マヌエル・バローゾ元委員長が台湾の中央研究院で講演を行う予定だ。バローゾ氏は2004年から2014年までEC委員長を務め、在任中には欧州連合(EU)の加盟国を15カ国から28カ国へ拡大させたほか、「リスボン条約」の発効を主導し、「気候変動・エネルギーパッケージ(2020年目標)」を始動させた。EUが欧州の平和、人権、民主主義の推進に貢献したとして2012年にノーベル平和賞を受賞した際、同氏がEUを代表して賞を受け取っている。

「台湾・架け橋プロジェクト」の準備のため、モラヴェッツ氏はこの2年間で台湾を約50回訪問し、台湾の大学、学校、地域社会や企業のリーダー、政策決定者、非営利組織(NPO)、政府機関のトップらと計約400回にわたり面会を重ねた。「風傳媒」の取材に対し、同氏はIPF設立の初心、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマとの縁、アジアでのプロジェクト推進から得た知見、そして今後の展望について語った。 (関連記事: 【独占インタビュー】「AIの貢献は過大評価されている」 ノーベル賞受賞者が警告する創造力喪失の危機 関連記事をもっと読む

世界平和基金会会長 ウヴェ・モラヴェッツ氏の単独インタビュー(撮影:蔡親傑)
「台湾・架け橋プロジェクト」の準備のため、世界平和基金会(IPF)のウヴェ・モラヴェッツ会長はこの2年間で台湾を約50回訪問した。(写真/蔡親傑提供)

ベルリンの壁崩壊を目撃、独立した対話プラットフォームの創設を決意

ドイツ出身のモラヴェッツ氏は、17歳の時にクラシック合唱団やオーケストラとともに欧州各地を巡演した経歴を持つ。その後は作家として活動し、複数の詩集や散文を出版した。1986年にベルリンへ移住したが、当時は壁に阻まれ東ベルリンへ行くことはできなかった。1989年11月9日の「ベルリンの壁崩壊」の際には現場でその瞬間を目撃し、深い感銘を受けたという。「壁は崩壊したが、東西ドイツの間には依然として多くの誤解が存在しており、双方は対話を強く必要としていた。私は独立した対話のプラットフォームを作りたいと考えた」と同氏は当時を振り返る。

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