中国で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)は24日夜、上海市および福建省の旅行業者から申請があった、ツアー企画のための台湾本島視察について、台湾側から受け入れを拒否されたと発表した。これにより、台湾本島における夏休み期間中の中国人観光客受け入れへの期待は裏切られる公算が大きくなった。
台湾の対中政策を統括する大陸委員会(陸委会)は、中国側の台湾視察実施には、双方の窓口機関、いわゆる「観光小両会」を通じた事前の意思疎通が不可欠と強調。中国側が台湾側の書簡に応答せず、直接台湾の旅行業者と連絡を取って視察を強行しようとしたとして、陸委会は「中国側の一方的な決定に協力することは難い」との姿勢を示した。
鄭・習会談後、上海・福建住民の台湾本島旅行解禁を表明
中国共産党の習近平総書記は4月、台湾・中国国民党の鄭麗文主席(党首)と会談(鄭・習会談)。その直後、中国共産党中央台湾工作弁公室(中台弁、国台弁の別称)が10項目の台湾優遇策を発表した。その中には、上海市および福建省の住民に対する台湾本島への個人旅行の解禁や、台湾産農水産物の中国本土への輸入手続きの利便性向上などが含まれた。
6月13日には中国政府が主導する中台の民間交流プラットフォーム、第18回「海峡論壇(海峡フォーラム)」が福建省アモイ市で開催された。同日夜、中国側はフォーラムに合わせて「両岸(中台)の交流と協力を促進する10項目の政策措置」に関する契約調印式を挙行。中国企業と台湾の農業関係者との間で契約が結ばれ、台東県、雲林県、南投県などで生産されたアテモヤ、文旦(ブンタン)、茶葉などの特産物の調達が決定した。これにより、鄭・習会談の成果の一つだった台湾農産物の中国輸出が実現に至った。
一方、当初は上海市および福建省の住民による台湾本島への個人旅行再開も並行して進められていた。国台弁の発表によると、上海市および福建省の旅行業者は当初、「視察団」を結成して台湾本島でのルート視察や現地の旅行業者との調整を実施する目的で、台湾への入境申請を行っていた。
視察団の派遣は、中国側が観光旅行を解禁する際、慣例的に実施する事前準備で、主に食事や宿泊施設、観光名所、受け入れプロセスの確認を目的としている。通常、視察団の訪問後は速やかに中国人観光客の受け入れが解禁される傾向にある。しかし、今回の関連申請は陸委会によって却下されたことが明らかになった。
国台弁「申請却下は民進党の政治操作」
国台弁の陳斌華報道官は、「民進党当局が『観光小両会を通じた事前協議が必要』という前提条件を一方的に突きつけ、視察団の入境申請を却下したことは、典型的な政治操作であり、故意に障壁を築く行為だ」と批判した。さらに、潮流に逆らう民進党当局の対応は、台湾の旅行業者が直面する苦境や一般市民の生活に関する訴えを無視するものであり、観光市場の景気回復に向けた道すじを断ち切ったと指摘。「あれこれと不当な理由を挙げて中国住民の台湾旅行を拒否し、台湾市民の切実な利益を犠牲にして自らの政治的利益を図っている」と強く非難した。
台湾側「小両会通じた事前協議が不可欠」
これに対し陸委会は、中国側の視察団が台湾を訪問するには、観光小両会による協議を事前に経る必要があるとの見解を示した。台湾側は昨年2月、関連する旅行業者の台湾視察に関して中国側に書簡を送達しており、これまでの慣例に従えば、小両会を通じた事前の意思疎通が不可欠だと説明した。中国側が台湾側の書簡に応答せず、直接台湾の旅行関連協会や団体と連絡を取り、中国の旅行業者による台湾視察の調整を進めることは、混乱を招くと指摘。中国側の一方的な決定に対しては、台湾側として協力することは困難だと改めて強調した。
「観光小両会」とは?
「観光小両会」とは、中台間の観光事務を専門に担当する双方の団体を総称したもの。具体的には、台湾側の「台湾海峡両岸観光旅遊協会(台旅会)」と中国大陸側の「海峡両岸旅遊交流協会(海旅会)」を指す。この枠組みは、中台間の旅行者の往来、観光の品質管理、安全保障、緊急事態への対応など、公権力が関与する事務を専門的に処理するために設けられたメカニズムだ。
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編集:平松靖史

















































