米イラン、60日以内の和平合意へ道筋 ホルムズ海峡とレバノン情勢の緊張緩和を優先

2026年6月21日、スイスで開かれた和平協議で発言する米国のJ・D・バンス副大統領。隣にはパキスタンのシャバズ・シャリフ首相、カタールのムハンマド首相兼外相が座る。(写真/AP通信提供)
2026年6月21日、スイスで開かれた和平協議で発言する米国のJ・D・バンス副大統領。隣にはパキスタンのシャバズ・シャリフ首相、カタールのムハンマド首相兼外相が座る。(写真/AP通信提供)

エネルギー市場にも大きな影響を及ぼしかねない外交交渉が、スイス・ルツェルン湖畔のビュルゲンシュトックで進められている。米国のドナルド・トランプ大統領とイラン側が和平に向けた暫定覚書を発表した後、その脆弱な停戦合意は早くも交渉の場で厳しい試練に直面した。

海外メディアの報道によると、米イラン高官による初回協議は徹夜の交渉を経て、現地時間22日未明にいったん区切りを迎えた。双方は、60日以内に最終合意を目指すロードマップを確認したという。

極めて難航した交渉の幕開け

​米国のJ・D・バンス副大統領は21日、スイス入りし、60日間の外交交渉を本格化させるため現地で協議に臨んだ。米イラン双方の代表は、経済制裁の解除、レバノンでの停戦、核開発計画など、複数の重要課題をめぐって短期間で合意点を探る必要がある。

しかし、協議は冒頭から波乱含みとなった。直近の週末にレバノンで戦闘が再び激化した影響で、イラン国会議長のモハンマド・バーゲル・ガリバフ氏率いる代表団は一時、日程を遅らせ、21日深夜になってようやくスイスに到着した。

2026年6月21日、米副大統領のバンス氏(左から2人目)と挨拶を交わすパキスタン陸軍参謀長のムニール大将(左端)。米大統領特使のワイコフ氏(右から2人目)はパキスタン首相のシャリフ氏と対話し、傍らにはトランプ氏の娘婿クシュナー氏の姿もある。(AP通信)
2026年6月21日、パキスタンのアシム・ムニール陸軍参謀長(左)と言葉を交わす米国のJ・D・バンス副大統領(左から2人目)。右から2人目は米大統領特使のスティーブ・ウィトコフ氏、隣でパキスタンのシャバズ・シャリフ首相と話すのは、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏。(写真/AP通信提供)

交渉過程では、トランプ氏の強硬発言も波紋を広げた。交渉開始前、トランプ氏は米『FOXニュース』のインタビューで、イラン側に対し「もし再び海峡を封鎖するようなことがあれば、あなたたちの国はなくなり、帰国することすらできなくなる」と警告したと明らかにした。

さらに、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領を名指しし、「口を慎むべきだ」と述べたほか、60日間の期限が過ぎれば「自分のやりたいようにやる」と発言した。トランプ氏はその後、SNS上でも、イランがレバノンの代理勢力であるヒズボラの行動を直ちに抑えるべきだと主張し、従わなければ再び強い打撃を加えると警告した。

こうした強硬発言は、イラン代表団の強い反発を招いた。イランの安全保障関係者に近いとされる『Nour News』によれば、テヘラン側はトランプ氏の発言について、双方が互いに脅迫しないとした初期合意に反するものだと批判し、イラン代表団は一時、同じ部屋での協議を拒んだという。

最終的に双方は別室に分かれ、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相やカタールのムハンマド首相兼外相ら仲介者を通じて協議を続けた。交渉に参加した米外交官はロイターに対し、イラン代表団は会場を離れておらず、協議は深夜まで続いたと説明。「海峡問題、レバノン情勢、核問題、覚書の実施細目などについて協議した」と述べた。

ホルムズ海峡をめぐる緊張

​外交官らがスイスのリゾート施設で協議を続ける一方、ペルシャ湾ではホルムズ海峡の通航をめぐる緊張が高まっていた。
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イラン国営メディアは、米国がレバノンにおけるイスラエルの軍事行動を十分に抑えられなかったとして、イランが先週末、ホルムズ海峡の再封鎖を宣言したと報じた。ホルムズ海峡は世界の石油輸送の約2割が通過する要衝であり、通航が大きく妨げられれば、世界経済への影響は避けられない。

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