中東の紛争が世界のエネルギー供給を揺るがし続けるなか、その影響は日本のスーパーマーケットの店頭にも波及している。香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』の報道によると、日本は現在バナナの供給圧力に直面している。バナナ自体の不足が原因ではなく、日本に輸入されるバナナの大半が青い状態で到着し、エチレンガスで追熟させてから店頭に並ぶという流通の仕組みが要因だ。
現在、石油化学原料に関連するエチレンの供給が逼迫しており、バナナの追熟工程に支障が出ている。これにより、日本の食卓に欠かせないこの果物が価格高騰や供給不安のリスクに直面している。
未熟な状態で輸入されるバナナ、日本はエチレンによる追熟に依存
日本の昨年のバナナ輸入量は約100万トンに上り、日常的に消費される重要な果物の一つとなっている。バナナは通常、未熟な状態で収穫・輸送され、日本に到着してから追熟室に運ばれる。そこでエチレンを使用し、徐々に黄色く、柔らかく、甘く変化させた上で、スーパーなどの小売店へと出荷される仕組みである。
同紙は、エチレンの供給が石油化学原料に関連しており、日本が原油の9割超を輸入に頼っている点に問題があると指摘している。ホルムズ海峡の輸送が阻まれることで、世界の石油供給の約5分の1に影響が及び、日本のナフサ在庫も今年に入って約4分の1減少した。日本バナナ輸入組合の事務局長・明石英二氏によると、これは過去50年間で最も深刻な不足事態だという。
明石氏は、業界全体でバナナの品不足を回避すべく尽力していると強調し、「価格は上昇する可能性があるが、安定供給の維持に向けてあらゆる努力を払う」と述べた。現状ではバナナは通常通り売場に並んでおり、一部の輸入業者は約2〜3カ月分のエチレン在庫を確保している。しかし、燃料費や梱包資材、輸送費などのコスト上昇が、依然として小売価格への転嫁圧力となっている。
日本の食卓に欠かせないバナナ、価格は年々上昇傾向に
バナナは日本で極めて普及している果物である。報道によると、日本の一般家庭が2025年にバナナに費やす平均金額は約5200円である。政府の統計データによると、東京都区部における昨年のバナナ小売価格は4.4%上昇し、2022年と比較するとすでに3割以上高騰している。
バナナはアボカドやキウイフルーツと同様に、エチレンを用いて追熟させることが可能だが、バナナの需要量ははるかに多い。日本のバナナ輸入の約3割の加工処理を手掛けるファーマインド(Farmind)は、収穫後のバナナをエチレンで追熟させなければ、正常に柔らかくも甘くもならず、最終的にはそのまま腐敗してしまう可能性があると指摘している。
ナフサ不足の影響は果物のサプライチェーンにとどまらない。同紙によれば、日本の大手菓子メーカー・カルビー(Calbee)もインクの供給不足を背景に、ポテトチップスなど一部商品のパッケージをモノクロ仕様に切り替え始めている。これは、インクに使用される樹脂も同様にナフサ由来の原料から作られているためだ。
日本の脆弱性は、エネルギー輸入を海上に過度に依存していることに起因する。国内に石油資源が乏しく、リスクを分散させる国際的なパイプラインも存在しない。ホルムズ海峡の輸送が滞ると、その打撃は専門化された石油化学のサプライチェーンを通じて波及し、遠方の地政学的リスクが家庭の日用品や食料の供給圧力へと直結することになる。
一方、日本政府はメーカーや消費者の不安払拭に努めている。報道によると、日本首相・高市早苗氏は、日本のナフサ供給は来年までの国内需要を十分に賄える水準にあると明言した。
こうしたなか、果物の追熟を手掛ける事業者はすでに代替策の模索を始めている。米バージニア州に本拠を置く企業・カタリティック・ジェネレーターズ(Catalytic Generators)は、石油化学原料に依存せず、トウモロコシなどを原料としてエチレンを生成できる装置を製造している。同社はすでに日本企業向けに当該機器の出荷を開始しており、日本国内の代理店を探している。
(情報元:サウスチャイナ・モーニング・ポスト)
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編集:柄澤南 (関連記事: 台湾産フルーツ6.5トンがパリへ 品種改良が支える台湾農業の底力 | 関連記事をもっと読む )












































