初夏になると、台湾の食通が心待ちにする果物の一つが、高雄市大樹区の玉荷包ライチである。台湾最大の玉荷包の産地である高雄では、近年、生産者たちが品質向上に取り組んでおり、今年は「差圧予冷」や「自動選果」などの先端技術を組み合わせ、直径36ミリを超える「霸王級」規格を打ち出した。国内のEC市場で高い人気を集めたほか、検疫上の課題も乗り越えて日本や香港への輸出に成功し、年間販売量は100トンを超えた。
果汁あふれる食感を日本へ コールドチェーン新技術で鮮度を維持
玉荷包は、袋のような形と玉のように透き通った果肉にちなみ、その名が付けられた。甘みの中にほどよい酸味があり、種が非常に小さいことから、果物の中でも高級品として知られる。
しかし、高雄市大樹区の生産者である張清泉氏は、今年は異常気象の影響を受け、収穫期間がわずか14日間にまで短縮されたうえ、ライチは非常に傷みやすく保存にも向かないと語る。
時間との戦いに対応するため、張氏が立ち上げたブランド「老張果物」は、いち早く「差圧予冷」設備を導入した。収穫後すぐに果実の中心温度を下げ、さらに電解水による浄化処理を組み合わせることで、もぎたての鮮度を効果的に保つことができる。これにより、天候に左右されやすく長期保存が難しいという従来農業の課題に対応した。
自動選果で高付加価値化 直径36ミリ超の「霸王級」も
保存期間の延長に加え、選果基準の精度向上も付加価値を高める重要な要素となっている。これまで玉荷包は伝統的に人の手で選別され、枝付きのまま販売されることが多く、規格の統一が難しかった。現在は、日本向け輸出にも対応する自動ローラー式選果機を導入し、直径36ミリ以上の最上級果実を正確に選び出している。
こうした「霸王級」の玉荷包は、肉厚でみずみずしく、かんだ瞬間に果汁があふれる食感が特長で、高品質な粒詰めギフト箱として販売されている。国内外の高級贈答市場を主なターゲットとし、玉荷包は一般的な農産品から高付加価値商品へと転換を進めている。
産地から食卓まで切れ目ない低温物流 海外輸出にも対応
消費者の手元に届く一粒一粒のライチを、まるで摘みたてのような状態に保つため、張氏は物流体制の最適化も進めている。物流事業者と緊密に連携し、包装工場内に臨時の拠点を設置。玉荷包は精密な選別と包装を終えると、時間差なくコールドチェーン専用車両へ積み込まれ、「産地から食卓まで」途切れない低温物流が実現されている。
この科学的な管理体制により、供給の安定性は大きく向上した。さらに、高雄の玉荷包は日本などの厳しい輸入検査基準にも対応できるようになり、台湾のスマート農業が世界市場に進出する力を示している。
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編集:梅木奈実












































