【新新聞】発芽ジャガイモ問題、農業部と衛生福利部の責任転嫁が浮き彫りに

2026-04-27 07:09
台湾で年間20万トン以上消費されるジャガイモ(資料写真、台北農産運銷提供)
台湾で年間20万トン以上消費されるジャガイモ(資料写真、台北農産運銷提供)

子どもに人気のフライドポテト。その原料の多くは、米国から輸入される加工用ジャガイモだ。台湾の農業部は2026年2月6日付で「米国産加工用ジャガイモの輸入検疫条件」をひそかに改定した。これまで「1個でも発芽が見つかれば全量返送」とされていた厳格な基準が見直され、ソラニン(グリコアルカロイド)が200ppm以下であれば、発芽や腐敗、カビのあるジャガイモでも輸入が可能となった。現在は指定の加工工場で問題のある個体を丸ごと廃棄すれば、それ以外はスライスして油で揚げられ、フライドポテトとして消費されることになる。

しかし、輸入される加工用ジャガイモには「貿易上の優遇措置」が適用されている。発芽の長さはもはや絶対的な基準ではなく、代わりに毒素濃度で判断される仕組みに変わった。これは、食品安全のチェックが「水際での目視検査」から「加工工場内での選別」へと後ろ倒しされたことを意味するが、それに見合う透明な追跡システムは整備されていない。結果として、ファストフード店やコンビニで子どもが口にするポテトが、発芽していた原料を含んでいたのか、どのような処理が行われたのかを知る術はない。

では、なぜ今回こうした変更が「通ってしまった」のか。背景には、台米貿易協定(ART)という高い位置付けの枠組みがあるとみられる。主管当局は反発を懸念し、公告を低調に行い、意見募集期間も短縮した。これまで主婦連盟や消費者団体が厳しく監視してきた食品安全の議題であるにもかかわらず、今回の農業部の対応は十分な議論を経ないまま進められた形だ。農業部は「日本の方式を参考にした」「国産の加工用基準と一致している」と説明するが、最終製品が子どもに人気のフライドポテトである以上、保護者が最も重視する「透明性」は置き去りにされている。

旧規定からの変更と監視体制への懸念

台湾のジャガイモ輸入量は年間約14万~16万トンに上る。卓栄泰行政院長は全数検査を徹底する姿勢を示したが、実務上困難であるとの指摘が出ている。

今回の規制緩和を巡っては、農産物の検疫(病害虫や発芽など)を担当する農業部と、食品安全(腐敗、カビ、ソラニン検査など)を所管する衛生福利部・食品薬物管理署の間で、責任の所在が曖昧になっているとの批判がある。農業部は「食品安全は衛福部が管理する」と説明する一方、食薬署からは具体的な運用方針が示されていない。輸入後のジャガイモがどの工場へ運ばれ、どのように分別・廃棄されるのか、透明性の高い追跡システムが確立されていないことから、安全性を懸念する声が上がっている。

フライドポテトなどファストフードのイメージ(pexelsより)
フライドポテトは子どもたちからの人気が高い。(資料写真、pexelsより)

台湾では2018年以降、輸入ジャガイモに対する水際対策が厳格化され、芽の長さが5ミリを超えた場合はロット全体の返送または廃棄が義務付けられてきた。ジャガイモの発芽によって生成されるソラニンは加熱しても分解されず、微量でも中毒を引き起こす恐れがあるためである。 (関連記事: 【揭仲コラム】中国が台湾・賴総統の外遊を阻止する思惑 関連記事をもっと読む

新規定は「米国産加工用ジャガイモ」のみに適用される。農業部によれば、米国からの輸出前に発芽抑制剤の散布と植物検疫証明書の添付が義務付けられている。台湾到着後の抽出検査で発芽や腐敗が確認されても、ソラニンが基準値未満であれば指定工場へ移送され、問題個体のみが廃棄される。農業部動植物防疫検疫署の杜麗華署長は「発芽や腐敗したジャガイモ、毒素を含むジャガイモが市場に流通することはない」と強調している。食薬署も、検疫と衛生基準の双方で管理体制を敷くとしている。

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