東京都江東区青海のパレットタウン跡地に誕生した「TOYOTA ARENA TOKYO(以下、トヨタアリーナ東京)」は、トヨタグループが総力を挙げて推進する次世代型モビリティ・エンターテインメントの象徴である。この壮大なプロジェクトは、トヨタ自動車、トヨタ不動産、そしてトヨタアルバルク東京という、役割の異なる3社が構想段階から緊密に連携(シンクロ)することで結実した。単なる競技施設の建設に留まらず、新たな「街づくり」の核として機能させるべく、3社の協調体制が敷かれたのである。

ビジョンを注入する「トヨタ自動車」とブランドの融合
プロジェクトの根幹を支えるトヨタ自動車は、アリーナの建設地である広大な土地の所有者だ。同社はネーミングライツを通じて自社のブランド価値をアリーナに注入するのみならず、最新のモビリティ技術を随所に配置。世界的な自動車メーカーが参画する意義は極めて大きく、アリーナ内での新たな移動体験の提供など、未来の移動社会を見据えたビジョンを具現化している。
ハードウェアの実務を担う「トヨタ不動産」の専門性
建設と開発の実務を牽引したのが、トヨタ不動産である。2022年に東和不動産から現在の社名へと改称した同社は、トヨタグループの不動産事業の中核として、オフィスビルや商業施設開発において豊富な実績を誇る。
今回のプロジェクトにおいて、同社はハードウェアの責任者として、国内アリーナ初となるLEED認証(環境性能評価指標)の取得など、国際基準の建築クオリティを追求。環境負荷の低減と高度な利便性を両立させた、次世代アリーナの「枠組み」を完成させた。
「ソフト」を担うトヨタアルバルク東京 利用者目線の機能設計
アリーナに命を吹き込む運営の主役を担うのは、トヨタアルバルク東京株式会社である。同社はBリーグの強豪「アルバルク東京」の運営母体であり、この新施設をクラブの本拠地として活用するだけでなく、アリーナ全般の管理・運営を統括する役割を果たす。
特筆すべきは、計画の初期段階から同社が参画していた点だ。実際に施設を利用する当事者としての視点を機能設計に反映させることで、アスリートと観客の双方にとって最適化された、高度な利便性を誇るアリーナが完成したのである。
「I」ではなく「WE」、ハンドサインに込められた共生の意志
取材の締めくくりに、トヨタ不動産の井上雅博氏とトヨタアルバルク東京の大場義弘氏が見せた、印象的なハンドサインについても触れておきたい。一見すると「W」や「電撃」を模したようにも見えるこのポーズは、クラブのスローガンである「WE」を象徴する「WEポーズ」と呼ばれている。
このスローガンには、「I(私)」という個の存在ではなく、ファン、パートナー、そして地域社会のすべてが「We(私たちみんな)」として一丸となり、共に新たな歴史を刻んでいきたいというクラブの熱い想いが込められている。
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(関連記事: 【特集3/4】TOYOTA ARENA TOKYOの挑戦 ファン共創と防災、モビリティがつなぐ「同じ屋根の下」 | 関連記事をもっと読む )編集:小田菜々香
















































