訪日外国人旅行者数が年間4000万人を突破し、主要観光地におけるオーバーツーリズム(観光公害)が日常化する中、混雑を避けて地方や自然を堪能する「分散型旅行」への関心が日本人旅行者の間で拡大している。
こうした旅の志向の変化を受け、商船三井クルーズ株式会社が運営する「MITSUI OCEAN CRUISES(三井オーシャンクルーズ)」は、現在運航中の「MITSUI OCEAN FUJI(三井オーシャンフジ)」および2026年9月就航予定の「MITSUI OCEAN SAKURA(三井オーシャンサクラ)」において、全国200以上の寄港地から厳選したスポットを巡る「追加代金不要の半日寄港地観光ツアー」を実施すると発表した。
オーバーツーリズム背景に「旅の質」を重視する日本人旅行者
マーケティングセンターの調査によると、訪日客の急増を受け、日本人の約56%が「旅行時期をずらす」「主要観光地以外の地域を選ぶ」など、自身の旅行計画において何らかの影響を受けていることが判明した。また、Agodaの調査では日本人の67%が「2026年は国内旅行を増やす予定」と回答しており、前年から大きく増加している。
これまでの「有名観光地を効率よく巡るスタイル」から、人の少ない地域でその土地ならではの風景や文化、食をじっくり味わう旅へと関心がシフトしており、混雑を避けながら「まだ知られていない日本」を再発見したいというニーズが高まっていることが浮き彫りとなった。
全国200以上の寄港実績を活かし、地域の魅力を深掘り
三井オーシャンクルーズは、これまで各寄港地の自治体や地域住民と強固な信頼関係を築いており、全国200以上の港への寄港実績を誇る。2026年7月から12月にかけて計27本のクルーズを予定している「MITSUI OCEAN FUJI」と、同年9月にデビューする「MITSUI OCEAN SAKURA」の双方において、多くの寄港地で追加代金不要の半日観光ツアーを企画する。
同ブランドは、移動費や宿泊費、食事代に加え、アルコールを含む200種類以上のドリンク代、Wi-Fi利用料などが旅行代金に含まれる「オールインクルーシブ」を最大の特徴としており、今回の半日観光ツアーもその一環として提供される。なお、より充実した体験を希望する乗客向けには、食事付きの終日観光ツアーや特別な手配によるプレミアムツアーなども別料金で用意される。
四季折々の日本を巡る多彩なラインナップ
追加代金不要で参加できる国内の半日観光ツアーは多岐にわたる。
- 夏季:伊勢神宮を訪れる鳥羽をはじめ、佐世保、宿毛、呉、宗像などで実施。秋田竿燈まつり、青森ねぶた祭、小松島阿波おどりでは、祭りを間近で堪能できる観覧席も用意される。
- 秋季:開聞岳を望む池田湖を訪れる指宿、田中一村記念美術館を見学する奄美大島、瀬戸田などが含まれる。
また、日本の魅力を再発見する「おすすめの寄港地」として、海底遺跡や独自の文化が残る日本最西端の与那国島、透明度の高い海と雄大な絶景が凝縮された壱岐・隠岐、オリーブ栽培発祥の地であり渓谷美や映画村を楽しめる小豆島などを提案。定番の観光ルートにとどまらない、地域の知られざる魅力との出会いを創出する。
台湾やグアム・サイパンなど海外ツアーも充実
国内のみならず、海外の寄港地でも追加代金不要のツアーが展開される。台湾では、基隆からレトロな街並みが広がる九份を訪れるツアーや、高雄の名所である蓮池潭、さらには離島・澎湖の伝統集落などを巡る企画が用意されている。年末に出発する「ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ」では、グアムの恋人岬やサイパンの絶景を楽しむ半日観光ツアーも予定されている。
今年5月に引退が決まっている「にっぽん丸」の長年の歴史を継承する同社は、重い荷物の持ち運びや煩雑な手配が不要な船旅のメリットを最大限に活かし、移動そのものを楽しみながらゆったりと巡る新たな旅行体験を提供する方針だ。
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