中国の核弾頭生産能力、2030年代には年200発超へ 笹川平和財団が維新・安保調査会で報告書を解説

笹川平和財団は日本維新の会に対し、中国が2035年までに最大2000発の核弾頭を保有し得るプルトニウム生産能力やロプノール実験場での新坑道掘削の実態に関する最新報告を解説した。(写真/笹川平和財団提供)
笹川平和財団は日本維新の会に対し、中国が2035年までに最大2000発の核弾頭を保有し得るプルトニウム生産能力やロプノール実験場での新坑道掘削の実態に関する最新報告を解説した。(写真/笹川平和財団提供)

笹川平和財団安全保障・日米グループは2026年4月16日、日本維新の会の安全保障調査会において、2026年3月に策定した最新報告書「中国の核弾頭生産サイクル解明への取り組み~2025年度成果報告」に関する解説を行った。

前原誠司衆院議員が会長を務める同調査会の会合には、約20名の国会議員が出席。同財団の小原凡司上席フェロー、小林祐喜主任研究員、および日本核物質管理学会の岩本友則事務局長が、不透明な部分が多い中国の核戦力増強の実態について詳細な報告を行った。

秘匿される核生産サイクルとプルトニウム保有量

軍事評論家・小泉悠氏が座長を務める研究会がまとめた本報告書では、中国における核物質生産から弾頭化までのプロセスを詳細に分析している。現在、中国の核弾頭生産は中国核工業集団公司(CNNC)が中心的な役割を担い、関連施設は四川省に集中していると指摘した。

中国のプルトニウム保有量は米国やロシアと比較して大幅に少ないものの、2017年以降は国際原子力機関(IAEA)への保有量報告を停止。核弾頭生産サイクルの実態秘匿を図っている可能性が高い。

2035年までに核弾頭2000発の配備も視野

さらに報告書は、中国が軍事転用可能なプルトニウムの生産能力を急速に高めていると警告している。甘粛省の再処理工場や、福建省で建設が進む高速増殖炉などを通じて、2020年代中には年間約100発、2030年代以降には年間175発から232発程度の核弾頭増強が可能になると推計された。この生産能力を考慮すると、中国は「確実な報復能力」の構築を目指し、2030年頃までに1,000発、2035年頃には2,000発程度の核弾頭を作戦配備する余地があるという。

また、新疆ウイグル自治区のロプノール核実験場では、新たな坑道掘削の動きが衛星画像から確認されている。これにより、弾頭の小型化に向けた臨界前核実験や、核爆発を伴う実験が再開される可能性も指摘された。

技術取得の面では、米国や欧州の重要インフラ、外部IT運用事業者を標的とした高度なサイバー攻撃が活発化している。核関連の設計図や工程記録といった機密情報へ間接的にアクセスする手法が実態として明らかにされた。

「安保三文書」改定議論への貢献を目指す

日本政府が年内に「国家安全保障戦略」など安全保障三文書の改定に向けた議論を加速させる中、会合に出席した議員らからは中国の核戦略の変化について活發な質疑応答が行われた。笹川平和財団は今後も国内外の専門家と連携し、日本の安全保障政策の立案に資するべく、中国の核の透明性向上と全容解明に向けた取り組みを継続する方針だ。

編集:小田菜々香

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