【台湾の謎の軍需メーカー3】中国の最重要ターゲット!蕭美琴氏と軍関係者が視察、三軍の電子戦装備を独占契約

台湾副総統・蕭美琴氏(中央)が、中国から最重要目標とみなされる台湾の非公表軍需企業のプレゼンテーションを聞く様子。(張曜麟撮影)
台湾副総統・蕭美琴氏(中央)が、中国から最重要目標とみなされる台湾の非公表軍需企業のプレゼンテーションを聞く様子。(張曜麟撮影)

台湾軍は近年、非対称戦への戦略転換を図り、ドローンの開発を積極的に進めている。しかし、台湾の国家中山科学研究院が最も強みとするのは、世界トップクラスのミサイル製造能力である。ミサイルの精密な命中精度は、高度な信号計算によって支えられている。これにはミサイル内部の小型かつ極めて重要な搭載電子機器が不可欠であり、実は台湾のあるテクノロジー企業がその製造を担っている。ミサイルからアンチドローンシステムに至るまで、同社の技術は広く採用されており、陸海空三軍の電子戦装備をほぼ独占している。

その企業は新竹科学工業園区に位置し、本社のわずか約450メートル先にはTSMCの拠点がある。広く名を知られるTSMCに対し、このベールに包まれた企業は台湾防衛産業における「隠れたチャンピオン」である。軍需産業という性質上、常に表舞台を避けてきたが、同社の製品は台湾副総統・蕭美琴氏や台湾軍作戦上層部が直々に視察に訪れるほどであり、その価値と特殊性が浮き彫りとなっている。

合勤科技会長・朱順一氏が作計室次長・連志威中将に製品を説明する様子。(張曜麟撮影)
台湾国防部作計室次長・連志威中将が直々に合勤のブースを訪れ、説明を受けた。(張曜麟撮影)

台湾防衛に20年貢献する知られざる企業、合勤は中国の標的に

この企業こそが「合勤科技(ザイセル)」である。『風傳媒』が実際に同社を訪れると、吹き抜けの広々としたロビーや従業員向けのカフェが目に飛び込み、軍需製品を扱う企業とは到底思えない光景が広がっていた。しかし2階の会議室に入ると、ミサイルシーカー(目標追尾装置)や円形アレイアンテナなど多様な装備品が所狭しと並び、1階とは全く異なる雰囲気に包まれていた。合勤投資控股(合勤ホールディングス)は1989年に設立され、当初は通信ネットワーク機器から事業をスタートさせた。その後、関連子会社を次々と設立し、現在では通信、ネットワーク、情報セキュリティ、防衛産業など幅広い分野を展開している。

合勤科技会長・朱順一氏は『風傳媒』の取材に対し、同社が従業員の社内起業を強く推奨しており、意欲があれば会社として全面的に支援する方針だと指摘した。防衛産業を専門とする「智勤科技」も合勤科技からスピンオフして設立された企業であり、またサイバーセキュリティ分野を手掛ける「黒猫資訊(ブラックキャット・インフォメーション)」も同様である。現在、国防と情報セキュリティは極めて密接に関連している。朱氏は、合勤が防衛産業に参入して20年以上が経過し、世間にはあまり知られていないものの、「中国共産党(中共)は全て把握している」と語る。合勤が中共の主要な標的となっているため、情報セキュリティ対策には万全を期す必要があるという。 (関連記事: 米アップル、クックCEO退任へ 後任のターナス氏起用で「ポスト・クック時代」本格始動とその背景 関連記事をもっと読む

朱氏によると、かつて中共のハッカー部隊は直接攻撃を仕掛けてきたが、現在では民間企業をダミーとして利用する手口に変化している。過去に外部のセキュリティ企業に依頼したものの解決に至らなかったため、合勤のIT部門が自社で防御システムを構築した。その技術が発展し、現在では他社のセキュリティ対策も支援しており、黒猫資訊は政府機関の情報保護にも貢献しているという。

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