トップ ニュース 「人質司法」裁判官の責任追及へ 大川原化工機事件の遺族らが国賠提訴
「人質司法」裁判官の責任追及へ 大川原化工機事件の遺族らが国賠提訴 大川原化工機事件の遺族らが、重病の被告に保釈を認めず死に至らしめた「人質司法」の責任を問い、令状を発付した裁判官37人を提訴するという史上稀に見る憲法訴訟に踏み切った。(写真/FCCJ提供)
2026年4月15日、日本外国特派員協会(FCCJ)にて、大川原化工機事件をめぐる画期的な国家賠償請求訴訟に関する記者会見が行われた。弁護人の高野隆弁護士と、勾留中に亡くなった相嶋静夫さんの長男、相嶋カズト氏が登壇し、不当な身柄拘束を容認し続けた裁判官37人の法的責任を追及する方針を明らかにした。
適切な治療受けられず病死、検察はのちに起訴取消 本訴訟の核心は、2020年に噴霧乾燥機の不正輸出疑いで逮捕された大川原化工機の元技術責任者、相嶋静夫さんの処遇にある。相嶋さんは当時71歳で胃がんを患っており、専門医による緊急治療が必要な状態であった。しかし、裁判官は「証拠隠滅の恐れ」を理由に3回にわたって保釈請求を却下。相嶋さんは適切な治療を受けられないまま、2021年2月に勾留先の施設で病死した。なお、検察側はその後、捜査の不備を認めて起訴を取り消している。
「スタンプを押すだけ」の司法運用を批判 高野弁護士は、逮捕状や勾留状を発付した37人の裁判官について、検察側の主張を鵜呑みにし、証拠を批判的に吟味することなく「スタンプを判行(押印)するだけ」の運用を行っていたと批判した。また、こうした行為は日本国憲法や国際人権規約(ICCPR)に違反する非人道的な扱いであると主張。裁判官の司法判断そのものを問う訴訟は、1982年の最高裁判決以来、極めて異例の事態である。
「野蛮なシステムを次世代に引き継がない」 遺族の相嶋カズト氏は、「父は正当な理由なく拘禁され、命を削られた。このような野蛮なシステムを次世代に引き継ぐわけにはいかない」と述べ、日本の刑事司法における「人質司法」の根絶と近代化を強く訴えた。原告側は、本訴訟を通じて司法の場に「法の支配」を取り戻すことを目指している。
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