台灣出身の女優、シュアン(施鈺萱)が『風傳媒(ストームメディア)』の独占インタビューに応じ、劇団・新宿梁山泊の第81回公演『黒いチューリップ』に出演する心境を語った。同劇団にとって初の台湾人俳優となるシュアンは、今回「赤いチューリップの妖精」という重要な役を担う。劇中では妖精のダンスも見どころとなっており、アングラ演劇の聖地とされる「紫テント」でのパフォーマンスに向け、日々稽古に励んでいる。

演出家・金守珍との絆 「大きな家族」のような劇団の温かさ
シュアンはインタビューの中で、新宿梁山泊の雰囲気を「大きな家族のよう」と表現した。主宰の金守珍氏は、在日コリアンとしての背景もあり、シュアンに対して非常に親身に接しているという。

稽古中には中国語で声をかけることもあり、手料理を振る舞ったり誕生日を祝ったりするなど、父親のような温かさで劇団員を支えている。
舞台特有の発声や発音には当初苦労したというシュアンだが、金氏による基礎からの粘り強い指導を受け、自信を持って舞台に臨めるようになったと語る。

役者自らが設営する「紫テント」 台湾伝統芸能との意外な共通点
また、アングラ演劇最大の特徴であるテントの設営についても、俳優自らが行う伝統に触れた。茨城県の倉庫から鋼材などの資材を運び込み、約一週間かけて新宿・花園神社の境内に舞台や客席を作り上げる。
シュアンはこの光景を、台湾の傳統芸能である「歌仔戯(ゴアヒ)」や「布袋戯(ポテヒ)」が神社の前で舞台を組む文化と重なると指摘し、強い親近感を覚えたという。約200人を収容するテント内には花道も設置され、観客との至近距離で演じる濃密な空間が最大の魅力となっている。

紀伊國屋演劇賞など数々の栄誉に輝く劇団 唐十郎の伝説的戯曲に挑む
今回シュアンが出演する新宿梁山泊は、「第59回紀伊國屋演劇賞 団体賞」や「第32回読売演劇大賞 最優秀作品賞」を受賞するなど、高い芸術性を誇る劇団である。上演作『黒いチューリップ』は、アングラ演劇の巨匠・唐十郎がかつて蜷川幸雄に捧げた伝説的戯曲の第二章。昨年の公演では、人気グループ「SUPER EIGHT(旧関ジャニ∞)」の安田章大が主演を務めたことでも大きな話題を呼んだ。 (関連記事: 日本での生活から見た日台芸能界の違い 陳榕姍が貫く女優としての道のり | 関連記事をもっと読む )

物語は欲望と幻想が渦巻くパチンコ店を舞台に、声帯模写師のエコーと、パチンコ台の奥に咲く幻の花に魅了された人々が織りなす不条理な救済を描く。シュアンは今年の秋にも、大阪や山口を巡る地方巡回公演への参加を予定しており、テント設営から各地を回るという新たな挑戦を続けていく。















































